驕れる者久しからず
祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらわす。
驕れる者久しからず、
ただ春の夜の夢の如し。
猛き人もついに滅びぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。
平家物語から
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私の今、住んでいる町は、
古い歴史のある町です。
ある時は、
権力の中枢に、
またある時は、
片隅に追いやられ、、、
為政者の、飽くなき野望の的にされ、
民衆、大衆の、
ひそかではあるが、
確実なエネルギーのたまり場になり、
時代を作り、
時代と歩き、
そして、
次代を担ってきた、
そんな町です。
ちょっと歩くと、
「歴史」にぶつかります。
もっと、歩くと、
「歴史」が向こうからやってきます。
あらゆるところに、
「過去に生きていた人々の息使い」を感じます。
いろんなところに。
「今を生きている人の逞しさ」を感じます。
私が今、住んでいる町はそんなところです。
ここに住んでいる人たちの、
時間は長いのです。
諸行無常の響きを聞いてきたのです。
ここに生きていた人たちの歴史は、
「よそもの」の侵略に耐えながら、
いつの間にか、
「よそもの」を同化して、
「 盛者必衰の理」を見て、
取り込んでいく「したたかな」ものです。
ここに住んでいる人たちは、
知っています。
「 驕れる者久しからず」
と。
「ただ春の夜の夢のよう」に消えたことを、
この町の連綿と続いた歴史が、
「 猛き人もついに滅び、
ひとへに風の前の塵のよう」に散っていくことを、
語っているからです。
この町の歴史に、
更に、
あらたに、
どんな事が書き連なるのだろうか、、、
驕れる者久しからず
と。
書かれるのだろうか、、、
次代の語り部に。
なんて、思いながら、
今日も、この町の散策をしています。
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