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2004.06.22

美しき川は流れたり

美しき川は流れたり
そのほとりに我はすみぬ
春は春、なつはなつの
花つける堤に坐りて
こまやけき本の情けと愛とを知りぬ
いまもその川のながれ
美しき微風ととも
蒼き波たたへたり
     室生犀星  [犀川] より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この詩は、
室生犀星の詩です。
私の生まれ、育った、
金沢の町の、
”郷土の文人”の一人。
室生犀星。

彼が詠った”美しい川”
犀川。

私は、
この北国の、ふるさと、
金沢の「早春」が一番好きです。
雪解けで、
あちこちがぬかるみ、
地面はグチャグチャ。
足元に気を取られながらも、
日の光を吸い込み、
照り返す雪のまぶしさに、
思わず、空を見上げると、
もう、春。
鉛色のド〜〜〜ンと重たい冬の空から、
軽やかな青い、白い空に様変わるこの季節が、
一番好きでした。
犀星が愛し、歌い込んだ川、犀川の水面も、
鏡のようにキラキラときらめき、
彼方の銀色の白山連峰を鮮やかに映し出すのです。
私は、犀星には遠く及ばないものの、
友だちと、
この川の土手に座り、
川岸を歩き、
”まだ見ぬ君”に思いを寄せた、
遠い昔の青春を、
今、
なつかしく思い出します。

豊かな自然と、
茫漠としてはいるが、
確かに横たわっている未来。
そんな物があった時代でした。

しかし、
今の子どもたちを思うと、
我が子や、
その先に続く子どもたちには、
どんな未来が待っているのだろうか???
不透明で先が見えない子どもたち。
この時代を表す言葉が、
「心の闇」
というものであったとしたら、
それは、あまりに淋しい。
悲しい。

詩情あふれる、しなやかな言葉で、
子どもたちを、
迎え、
巣立ちを送る、
そんな願いを、強く持ちます。

いつの時代も、
子どもは、
「秘めた思い」をソッ〜と胸に抱え、
「熱い情熱」を抱きながら、
生きているのです。
その思いが、
美しい風景と共に溶け込み、
長い時間の中に沈みながらも、
宝石のようになお輝いている、
そんな豊かな青春を、
彼らに贈ることは、
大人の責任です。

環境が壊れ、
自然が悲鳴を上げ、
人が死んでいく。

そんな時代を、
彼らの青春の思い出にしてはいけない。
と、強く願っている
今日この頃の私。

さて、それは、それとして、
最後に、
犀星には、下のような詩もあります。

これってヒドイと
思われませんか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
逢いたきひとのあれども
逢いたき人は四十路(よそじ)すぎ
わがそのかみ知るひとはみな四十路すぎ
四十路すぎては何のをとめぞ
をとめの日のありしさえ
さだかにあはれ
信じがたきに
     [四十路] より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

乙女の日はあった〜〜〜〜〜のだ。
今も変わっていな〜〜〜〜い。
(自分だけはそう、思っている(^^;)

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コメント

こんばんは、犀星を敬愛していた森茉莉が好きなheteです。

智子さんは変わっていらっしゃらないと思います!
私も中学生の頃から変わっていないつもりです(笑)

少し前に『「明日もきっといいことがある」。そんな希望を
抱いて眠りにつく小学生は3割程度」』という記事を見て
切なくなったのを思い出しました。
智子さんが書いていらっしゃるように
『「秘めた思い」をソッ〜と胸に抱え、「熱い情熱」を
抱きながら』生きられる世の中になるように・・・
選挙に行きたいと思います!


投稿: heteheete | 2004.06.24 01:15

heteheeteさん。
おはようございます。
コメント、どうも有り難うございます。

heteheeteさんは、
森茉莉さんがお好きなのですか、、、
「父の帽子」を読んだことがあります。
内容より、なぜか挿絵が鮮明に焼き付いている私。

さて、叶姉妹。読みましたよ。(*^_^*)
頑張ってください、、、応援していますよ。
ねぇ、
私とはブログ界の
「どうさん、すずさん」になりませんか?
(きんさん、ぎんさんにちなんで)
オッホッホッ〜〜〜

すみません。
いつもの冗談がつい出て。
家族の顰蹙をかっています。(^^;
こんな私ですが、
これからもよろしくお願いします。
じゃ〜〜
また。
お元気で!!

投稿: せとともこ | 2004.06.24 10:54

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» 友へ [dragon-tail]
あなたの別れた奥さんが呼んでいたように イシさんとあなたを呼んでもいいかな 肩書 [続きを読む]

受信: 2004.06.24 01:43

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