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2004.06.25

ビューリダンのロバ

哲学の言葉です。
二つの干し草の山を目にして、
どっちの山から食べようか迷ったロバは、
こっちの山に行こうと思い、
「待てよ。やっぱりあっちか、、、」
と、考え、
あっちに向かう。
途中で、
「イヤ、待てよ。やっぱり向こうが沢山あるか?」
と、方向を変える。
こっちと、あっちを、
行ったり来たりしているうちに、
ついに死んでしまった哀れなロバの話です。

この話から、
「二つの価値観を行ったり来たりして、
ついには、自分でもワケが分からなくなる」
と、いう教訓を得る人もいれば、
「あまり欲は、かかないでおこう。」
と控えめな教訓を導く人もいます。

エピソード、教訓という物は、
それを引用する人が、
自分の都合のいいように使うものだから、
(同じことわざが、
まったく立場の違う人から使われている事もいっぱいある)
その人がその状況で、自分自身への
納得という形で使えばいいと思います。

したがって、
この「ビューリダンのロバ」も、
いろんな解釈があっていいのです。

そして、今回私が言いたいことは、
まさにそこなのです。

ある物に対して二つの価値観しか無いということは、
やはり
「こわい。」

例えば、卑近な例をあげるならば、
今、耳目をさらい、
洛陽の紙価を高めた、
「負け犬の遠吠え」にしても、
「勝ち」か「負け」かの二つの立場しかありません。

「善か悪か」
「自由か抑圧か」
「資本主義か社会主義か」
「、、、、、」
とにかく私たちは、
いろんなことをカテゴリーに分けることが好きで、
しかも、
たいていは大きく二つに分けることが好きです。

しかし、
人はいつだって変わる。
不断に成長しているのです。
その生涯のある時期、
革命家であり共産主義者であった、
その後、
自由思想家、キリスト教徒、神秘家
を経て、
ファシスト、実存主義者と
様々な冠を呈して若くして生涯を閉じた
シモーヌ・ウェーユという女性がいました。
彼女ほど変遷しなくても、
私たちは、
いつも日々揺れ動いているわけです。
「善か悪か、」
なんて単純な価値観では、
推し量れない部分でたゆたい、戸惑っています。
行ったり来たりしているわけです。
二つのみの選択に追いやられることは、
とても、とても苦しいことって、いっぱいありませんか?
(戦争か平和かのみが、
二つの選択を許されるものだと思います)
「その合間」を埋める、
冗長ともおもえる「ため」の部分、
「ゆとり」の部分が必要だと思うのです。
こうした考え方が、
東洋の哲学者の知恵であったと思います。
「中庸」
とでも言うのでしょうか、、、

さて、
私は次に行われる選挙が、
「二大政党時代の幕開け」のように
位置づけられるのは、
「こわい」
と、単純に思うのです。

選挙の選択が、
「自民か反自民か」
という図式はやはりおかしい。
自民という干し草の山と、
反自民(多分民主党)という干し草の山を目にして、
結局、死んでしまうロバにはなれない。

やはり、
共産党、社民党、それ以外の市民団体からの代表。
いろんな議員を国会に送らなければ、
私たち国民は、
二つの価値観だけしか、
選べなくなるのではないでしょうか???
もっと、多くの可能性、選択制を
国会に持って欲しいと願っている私です。
愛のまぜご飯で、
heteheeteさんが、各政党、候補者について,
詳しく、多岐にわたり調べていますので、
すごく参考になりますよ。
blog JUNXIONさんも6/29日から参議院戦に向けて、各政党の世論調査なども踏まえて分析しています。

そんな思いで、
今日は「ビューリダンのロバ」の話を
紹介しました。

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コメント

トラックバックどうもありがとうございます。
「ビューリダンのロバ」存じませんでした。
いつも色々とご紹介頂き感謝しております。
(先日ご紹介頂いた本、現在探し中です(^^ゞ)

参議院が存在意義を忘れてしまってもうだいぶ
経ってしまったようですが、「党派をこえて、
中立公正な審議をする議会」という本来の意義を
取り戻してくれるような方に投票したいと思います。

投稿: heteheete | 2004.06.25 13:41

heteheete さん。
こんにちは。
書き込みどうも有り難うございます。
はい。私もそうであることを願って、
新聞やらいろいろ読んで勉強したいです。
ところで、
heteheete さんはジェンダーはどう思う???
よろしければ、またご意見聞かせてください。
では、、、

投稿: せとともこ | 2004.06.27 17:40

「ジェンダー」お恥ずかしいのですがよくわかっておらず、きちんと考えた事もありませんでした。少し関連の本など読んで勉強してから考えて、お返事させて頂きたいと思います。恐縮ですが、もしよろしければ瀬戸さんのお奨めの本などございましたら、教えて頂けましたらうれしいです。

投稿: heteheete | 2004.07.01 12:45

この記事へのコメントは終了しました。

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