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2004.07.08

青い鳥コンプレックス

先日、このブログでも、ちょっと触れた
憲法24条
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
の、見直しについて、
あちこちのブログで書かれています。
みなさんのご意見は、
憲法改正プロジェクトチームの意見がおかしい、というもので
私も賛成です。
参考までに、
プロジェクトチームの根底とされている考え方を掲載しておきます。
〜〜〜〜〜〜
この分野における本プロジェクトチーム内の議論の根底にある考え方は、
近代憲法が立脚する「個人主義」が戦後のわが国においては正確に理解されず、
「利己主義」に変質させられた結果、
家族や共同体の破壊につながってしまったのではないか、ということへの懸念である。
権利が義務を伴い、自由が責任を伴うことは自明の理であり、
われわれとしては、家族・共同体における責務を明確にする方向で、
新憲法における規定ぶりを考えていくべきではないか。
同時に、科学技術の進歩、少子化・高齢化の進展等の新たな状況に対応した、
「新しい人権」についても、積極的に取り込んでいく必要があろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜
難しい表現をわざわざしていますが、
要約するなら、
「女よ、家に帰れ」
と、いうことです。
今、社会的な問題になっている
少子化、
あるいは子どもたちの犯罪。
それらの原因を突き進めるなら、
「女が社会に進出したこと」が悪い。
有り体に言えば、そういうことです。
そこで、
えら〜〜〜い先生方は、
日本の未来を憂えて、
憲法24条、両性の平等を覆していこうと考えているわけです。

しかし、
しかし、
この問題。
もともと女性を社会に進出させたのは、
当時の労働省だったのです。
戦後間もなくできた労働基準法、「母性保護法」の立場から、
女子労働者は、保護されていました。
しかし、労働省(特に一部エリート女性)は、
深夜労働、危険物取り扱いなどの項目の拡大解釈を、
行うことで、女性の労働力を、ドンドン職場に刈り出させ、
ついに、99年には、
「男女平等機会均等法」を制定。
職場での男女差別を撤廃して、
男女共同参画のプロジェクトは、
会社、公共事業、各自治体で、盛んになりました。
そうして、
家に閉じ込められていた主婦たちが、
復職、パートなどに出ていく姿を見て、
羨やむ専業主婦のことを、
「青い鳥症候群」
「青い鳥コンプレックス」
と、呼び、
当時の専業主婦と働く女性の一つの
論争のきっかけを作りました。
このもともとの仕掛人は、
「国」であり「大企業」でした。
専業主婦の
いつでも、どこでも
短時間で使えるパート、アルバイトは、
企業にとって、安価で持続的に供給できる労働力だったのです。
また、いつでも辞めさすことのできる雇用形態は、
まさに企業の論理にピッタリとはまりました。
これは、正規の男性職員の賃金の足かせになることもありました。
バブル期を支える重要な力だったのです。
当時は、
えら〜〜〜い先生方はだれも、
「家のこと」「個人のこと」なんか気にかけていませんでした。
どんなに家庭が崩壊する、
まさに「積み木くずしの家」になると叫んでも、先生方は
「男女は平等で、これからは女性も社会進出する時代だ」
と、言っていました。
そして、各種の保護をとっぱらったのです。

そして、今。
先生方は、世の中を憂えて、
女性に「家」に帰れと言う。

しかし、本音は透けて見える。
「もう、バブルも終わり、労働力は足り、それどころか
余っている、、、一番切りやすいのは、、、」
と、いうことです。

いつだって、いつだって
企業の論理、
資本の論理が先行して、
個人は、その後をヘェヘェ〜〜〜
言いながら、
愚痴をこぼし、汗を掻き
付いていくだけなのだから、、、

そもそも、
こんな社会にしたのは、
誰なんでしょう???
人間を薄っぺらな「もの」のように取り扱ってきた社会を、
作ったのは、誰???

少子化の原因や
犯罪の低年齢化を、
間違っても「女性の社会進出」と結びつけてもらいたくはない。
私は、今、この記事を、
結構、怒りながら書いています。
この私の怒り、
あなたには届いたでしょうか?
そして、
できれば
えら〜〜〜いプロジェクトチームの先生方にも
届いてもらいたい、、、

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コメント

2度にわたるトラックバックありがとうございます。この問題、事の本質に気がついていない人が多いように思います。企業中心主義社会ニッポンの本領発揮、といったところでしょうか。私も激しい怒りを感じております。

投稿: SHOW | 2004.07.08 14:32

TBどうもありがとうございます。例の調査会の議事録の中で小島議員が発言してましたが、「今の日本は有史以来のモノ余り社会」なんですよね。だから見たことのない問題が目の前にたくさんある。でもそれを過去のルールに回帰するだけで解決できると考えるのが日本の「保守」という考え方なんですね。24条問題に限らず、自民党の憲法改正論議というのは頭が痛くなるほどお粗末だということが、今回この話にクビを突っ込んでみてとてもよく分かりました。

投稿: shintakkin | 2004.07.08 16:25

はじめまして、もんもんいと申します。

拙文のような、ただただ思うままを感情的に書いてしまった記事に、TBいただき、ありがとうございました。

労働力と女性の権利を結びつけながら考察された、せとさんの記事を拝読して、「なるほど〜」と目からウロコぼろぼろ(笑)の思いです。

と同時に、先達が困難の末に勝ち取った「女性の社会進出権」を享受した世代の生まれで、まがりなりにも「女らしさ」より「自分らしさ」を追求して来られた身としては、その経緯はどうあれ、こんなお上の身勝手にヘコまされたくはないと、ますます意地になってます。
今度は、先達の意を受けて、今社会のまっただ中にいる2〜30代の女性が、声を上げていく時なのかもしれませんね。

投稿: もんもんい | 2004.07.08 19:12

SHOWさん。
shintakkin さん。
もんもんいさん。
コメント、ありがとうございます。


SHOWさん。
本当に仰るように、この問題(言ってみればフェミニズムについて)は、個人と社会との関わりに関することなので、
その境界が曖昧なため、見過ごされがちなんですよね、、、
女性の側からの声がなかなか上がらないことも、
一つの要因だと思います。
私もジェンダーやフェミニズムについて、
関心、こだわりがあるので、またいろいろお教え下さい。
これからもよろしくお願いいたします。

shintakkin さん。
例の委員会の文章を読むと、
本当に「バカにされている」気がします。
あんな小手先の言い方で、
私たちが丸めこまれると、思っているんでしょうか???
「歴史」を言うなら、
いつだって、弱い物が一番目に犠牲になった過去の歴史を
しっかり学んで、反省をしてもらいたいものです。
この問題、今後どのように発展するか、目が話せません。
今後ともよろしくお願いいたします。

もんもんいさん。
本当に、ほんとうに、同意見です。
「先輩たちが勝ち取ってきた権利」。
それは、本来、両性は平等である。
生物学的な差異は属性であって、特性ではない。
と、いうことが、
今、また逆行してくるような動きがありますね、、、
要注意。
これからも、目を見張らせていきたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: せとともこ | 2004.07.09 11:40

おはようございます。
勝手なことばかり言っている自民党の議席が
あんまりというかほとんど減らずに
こんな↓良い事を言っている党が惨敗して
http://www.midorinokaigi.org/senkyo/sangiin/manifesto/2.html
http://www.midorinokaigi.org/senkyo/sangiin/manifesto/11.html
やさぐれております。
(愚痴を失礼しました)

投稿: heteheete | 2004.07.12 10:27

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