« 神様!川口様!そしてジーコ様 | トップページ | 地図にない町 »

2004.08.02

ギャルからおばさんまで

先日、ここ
で、普段着の日本語について、
案外、気がつかなく無関心であることを、
書いたのですが、
今日は、
「言葉の無神経」について考えてみたいと思います。
無神経な言葉というのは、これまた枚挙にいとまがありません。
「人を罵しる」という悪意に満ちていなくても、
何気なく使ってしまうことって、あります。
そんな中から、テーマを一つに絞って、
「女性の呼び方」について、見てみようと思います。

人の一生を時間の流れと呼び方の変化で調べるなら、
生まれたての女の赤ちゃんは、
「赤ちゃん」です。これは男の子も同じで「性に対しては未分化」のようです。
「まぁ、かわいい赤ちゃん!!!」
しばらくして名前が付く頃には、
男の子、女の子という区別は、付いてきます。
着るものも「青色」「ピンク色」に分かれ。
与えられるものも、男女の区別はあるようです。
周りも
「まぁ、りりしい男の子。」「頼しい坊や。」
「まぁ、ふっくらとしたべっぴんさん。」「愛敬のある嬢や。」
と、いうように家族が喜びそうな褒め言葉を使い分けます。
そして、
男の子、女の子として育ち、
就学時期は、
男子、女子という名で区別されてきます。
小学校は児童、中学、高校は生徒、大学生は学生ですから、
男子児童、女子児童。
男子生徒、女子生徒。
男子学生に女子学生。
と、なります。
ここまでは、一般的な区別です。
ところが、
女性は、早い時期から、
特別の呼び方があって、(それは、たぶんに社会的な風潮を反映しているのですが、)
その呼び方の中に、
先に書いた無意識の、無神経さが、かいま見られます。
〜お嬢様〜
〜お嬢さん〜
〜ギャル〜
あなたは、この三つの言い方から、
どんな女の子を連想しますか???
一般に「お嬢様」から受ける印象は、
長い髪の白いドレスの似合う、金持ちの女の子。
お嬢さんは、普通の家の、かわいい女の子。
そしてギャルは、
「流行に敏感で、性的にもあけっぴろげな若い女の子」
(三省堂、新明解国語辞典)
さて、こうした呼称で括られる若い女性たちは、
やがて、適齢期を迎え、
既婚、未婚とそれぞれの選択をしていくのですが、
すべて、
「おばさん」
に括られていきます。
(この頃は同世代の男性もおじさんになります)
ある調査によれば、
25歳以上は「おばさん」という、ちょっときびしいものもありました。
あなたは、
〜おばさん〜
という言葉から、どんな連想をしますか?
立場、環境によってそれぞれの回答があると思います。
一方、
結婚した女性は、
他人からは「奥さん」「奥様」と呼ばれ、
夫からは、「おまえ」「おい〜〜〜」と呼ばれていくことが多いようです。
結婚しているあなたは、
伴侶をどのように呼んでいますか?
未婚のあなたは、どのように呼びたいと思いますか?
ちなみに、
我が家は、二人とも、
ファースト・ネームで呼んでいます。
なお、夫婦別姓については、
夫婦別姓を持つ身のため息で、管理人さんが、
法律的、社会的な角度から、書かれていますので、
興味のある方は是非、ご覧ください。
私も、この問題については、
別に書いていこうと思います。
さて、
子どもが生まれると、
もうすべての人から、
「おかあさん」です。
我が子は、当たり前ですが、夫からも、
我が子の学校の先生からも、
生協のお兄ちゃんからも、
、、、、、
みんな、みんな
「おかあさん」
と、呼ぶのです。
(子どもの友達はおばちゃんです)
こうして、
次第に、
自分の名前をなくしていくのです。
ひとくくりの
「おかあさん」
「おばちゃん」
に、なっていくのです。
男の人も、すでに同じ道を辿っています。
おとうさん、おじさん、ご主人、、、、、と。
そうして、
おじいさん、おばあさんになっていくわけです。

高校の時、習った古文では、
昔の女性は、「名前」がなかった、と教えられました。
このブログの冠にしている「枕草子」も、
有名な清少納言さんから、頂いているのですが、
これが、この人の本名でないことは、周知の事実です。
「○○の母」
「○○の娘」
という名前で、歴史に残った才女たち。
しかし、
今を生きている私たちも、
それとは、遠く離れていないところで、
「ひとまとめ」にされ、しているのかもしれませんね、、、

もう一度、
「名前」について、
「呼び方」「呼ばれ方」について、考えてみませんか???

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
わたしを束ねないで
あらせいとうの花のように
白い葱(ねぎ)のように
束ねないでください わたしは稲穂
秋 大地が胸を焦がす
見渡すかぎりの金色の稲穂

わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽ばたき
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音

わたしを注がないで
日常性に薄められた牛乳のように
ぬるい酒のように
注がないでください わたしは海
夜 とほうもなく満ちている
苦い潮 ふちのない水

わたしを名付けないで
娘という名 妻という名
重々しい母という名でしつらえた座に
坐りきりにさせないでください わたしは風
りんごの木と
泉のありかを知っている風

わたしを区切らないで
・(コンマ)や,(ピリオド)いくつかの段落
そしておしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください わたしは終わりのない文章
川と同じように
はてしなく流れていく 拡がっていく 一行の詩

(新川和江  私を束ねないで  より)

|

« 神様!川口様!そしてジーコ様 | トップページ | 地図にない町 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15797/1105301

この記事へのトラックバック一覧です: ギャルからおばさんまで:

» 日本でミドルネームは機能するか [夫婦別姓を待つ身の溜息]
結婚改姓で発生する不都合を回避する方策のひとつとしてミドルネーム的な運用がありま [続きを読む]

受信: 2004.08.15 15:05

» 「私にやらせないで」首相 自作詩を発表 [bogusnews]
資料写真: 新川和江詩集「わたしを束ねないで」 →この商品をAmazonでチェック 小泉首相は7日、首相官邸で記者団を前に自作の散文詩を披露した。すでに後継者選びが本格化するなど「ポスト小泉時代」が現実味をおびるなか、自身は退任後に詩人としてデビューすること..... [続きを読む]

受信: 2005.11.08 04:10

« 神様!川口様!そしてジーコ様 | トップページ | 地図にない町 »