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2004.08.12

先が見えない教育改正ーその2ー

昨日はここで、教育改正案が提出、公表された事に関して、内容を書きました。
今日は、「そもそも教育とは」について、教育基本法を中心に考えます。
教育基本法が、出来たのは、
1947年、3月です。
終戦間もない日本で、この国の立て直しを図るために、
憲法と共に、私たちの先輩の英知の集大成として作られました。
その目的の大なるところは、先の戦争の反省を踏まえ、
「国家が教育に再び介入しない」という大前提が作られました。
教育とは、人格の完成をめざし、平和な国家、および社会の形成者の育成である、としました。
そして、その目的達成のための、方針や教育の機会均等、義務教育などが、述べられています。
最後の第10条で、教育行政に関して、
教育とは、不当な支配に屈服せず、国民全体に直接責任を負って、必要な諸条件の整備確立をしなければならない、としたのです。
つまり、
ここに、教育は国家から切り離され、全く独自に学問、真理の追求と、
次代を担う子どもたちの育成に責任を負うことになりました。
行政は、その環境整備のみ責任を果たすという事に決められたのです。
「金は出すけれど、口は出すな。」
と、いうことです。
戦後出来た教育委員会は、公選制教育委員会を作り、
政治の世界からの相対的な自律を保障。
保護者、学校、地域が結びついた組織でした。
しかし、政府は、
中央集権的な教育行政の妨げになるとして、
1956年、これを廃止。
以来、教育委員は、首長が任命。政治権力=行政の実現、出先機関に変質していきました。
次第、しだいに
教育は、国に再び組み込まれていくことになったのです。
一方、1952年に文部大臣の諮問機関として作られた中央教育審議会(中教審)は、力をつけてきました。
「期待される人間像」「生きる力」「心の教育」など、時々の時代の先駆的役割を担ってきたのです。
そして、
国家は、「口は出すが、金は出さない」という政策を露骨に行うようになり、
教育費負担を地方に押しつけ(三位一体改革など)、
教員への管理を行い(教員養成大学院、免許見直しなど)
教育内容に口を挟み(愛国心、心のノートなど)
果ては、国立大学廃止(2004年4月)、等、ドンドン改悪していきます。
その根幹にある論理は、
「企業に役にたつ人材育成」です。極端に言えば、
国は、多くの優秀な人はいらないのです。
そこそこ出来る人が沢山、欲しいのです。
国と企業に役たつために。
そして、少しのエリートも、勿論必要です。
国際社会に貢献した日本の科学技術にたいしては、
それなりの評価はしているので、
その部分を担う優秀な人材も、ある程度獲得しなければならない。
そのために、ますます学校間格差を作り、
学力の二極化を図っていこうとしているのです。
(スーパーサイエンス校など)

では、なぜこんな単純な構図に、私たちは騙されるかと、いうと、
文科省は、
その理由を、時々の時事問題にぶつけてくるからです。
大学紛争に始まり、
ある時は、不登校を、
ある時は、いじめ、自殺を、
また、ある時は、学級崩壊を、
今なら、犯罪の低年齢化と少子化を。
さらに、学力低下論争も組み込まれていきます。
実は、本来ならこれらの問題は、行政の矛盾が生み出したのですが、
「子ども」という者は、社会的存在であると同時に、
「家庭、私的」な存在でもあるため、
親の気持ちは千差万別です。
予算の問題で考えるならば、
教職員の削減は、先生方への「仕事の負担」を多くすることにつながります。
また、教職員も管理される存在になり、その立場が、保障されなくなったり、、、
そこから、教育の質の低下も生み出します。
原因やら結果やらが入り乱れ、倒錯。
その合間を縫って、気がついたら、
「締め付け教育」がまかり通ってきたのです。
そして、
今年は、東京都の「日の丸・君が代」問題をはじめとして、
なりふり構わない方法で、心の教育をドンドン押しつけてきました。
昨日の書いた、「6・3制弾力化」なども、この延長にあります。
私たちは、
その背景に何があるのか、
未来に何が待っているのかを、しっかり見極めなければなりません。
その第一歩は、
再び、国が教育に介入することのないように、努力することでは、と私は思うのです。
教育とはなんぞ???
と、いう「そもそも論」を行政からも、予算からも解き放たれて、
議論、討論の俎上にのせることでしょうか。
性急な解決は、「人を育てること」にはなじまない。
文科省には
ゆっくりと、
しっかりと、保護者の声、現場の教職員の声、地域の声を聞き、
討論していくことを、期待したいものです。
また、私たちも、
その行く末をしっかり見守るために、
保護者同士や、先生方との連絡を蜜にして、
信頼関係を結んでいかなければならない気がします。

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