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2004.09.12

哀しみが憎しみに変わることを知っている

私は、哀しみが憎しみに変わるものである事を知っています。

昨日は、あの9・11事件の3年目ということで、「テロ」に関した書き込みが沢山ありました。
それらを拝見しながら、あの事件が当時、どんなにショッキングでセンセーショナルな出来事であったか、
改めて思いました。
また、今日12日は沖縄、宜野湾市で市民大会が開催されます。
さきの沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落の抗議と、普天間飛行場の早期返還を求める大会です。
これに先立ち、昨日11日、長崎佐世保では、
陸自、特殊部隊が市内を行進。
手には機関銃、小銃を持ち完全武装で250人の陸自、特殊部隊のパレードは、
軍艦マーチと軍靴に包まれ、かなり迫力があったようです。
それは、見ている人々を、少々不安にさせるには十分なものものしさでした。
もちろん、9・11平和集会が全国各地で開催されたのは言うまでもありません。
罪なき命を奪った犯人への怒りと、亡くなった人たちへの哀悼の祈りの灯が、ともされました。
とにかく日本列島、なかなか忙しかったようです。

さて、私は冒頭の「人は哀しみから憎しみに転じる」と、いう事を、
頭で知っています。
想像として、「そうであろう」と思うわけですが。
3年前のテロ事件後、私は友人を集めて、話し合いをしました。
いつもは、ただのおしゃべり仲間ですが、その日はテーマを決め、
予め、友人たちにも、その旨を伝えておきました。
新聞を用意して、みんなでテロのことや、ビンラディンのことや、
今まで無縁の世界について、いろいろ話し合ったのです。
「戦争はイヤだ。」
「テロはいけない。」
と、言うことについては、友人(20人くらい)の意見は同じでした。
しかし、
自分を守ると言う事については、意見はかなり分かれ、
主婦には珍しく(こんな書き方したら、いけないかな?もし、いけなかったらゴメン。)きっちりとした討論がなされたのです。
〜〜〜〜〜〜〜
「私は絶対、テロの犯人は許せない。
だから、テロが起きる前に、こうした者をやっつけなきゃいけない。」
「でも、だれが犯人か分からないよ、、、」
「もし、自分の子どもが、やられたら、私は犯人を殺す。」
「沖縄の少女レイプ事件も、絶対、許せない。もし、私の子どもなら、
一生、恨む。」
「やる前にやらなきゃ、、、」
「そうしたら、やっぱり同じ罪が生まれるよ。」
「しかし、私は娘がそんな目に遭ったら、ぜったい、ぜったい許さない。」
、、、、、、
と、まぁ話は続きました。
自分の愛する者が、暴力によって奪われた場合、絶対許せない。
と、言うことでした。
話し合いの中での、「もしも」の話にも拘わらず、
私たちは、哀しみから憎しみへ移ることは容易でした。
自分の立場に置き換え、熱くなるのに時間はかかりません。
だれも、冷静に、
「まぁまぁ、相手にも事情が、、、、」
なんて、理由知り顔で言う人はいませんでした。
頭では、世の中の仕組みとか、利益とか、まぁいろんな状況で、戦争が起きるとしても、やむなしと考える人が,
もし いたとしても。
それがその人に起これば、
それを受け入れることは出来ない。
それならば、
本当に、その体験をした人たちが、どんな風にその後の人生を生きていくかを考えることは難くない事です。
沖縄の少女は、もう成人に達するという。
その心の傷と恨み、憎しみを思うと気が遠くなる。
イラクで多くの命が散った。
その後ろには何人の人たちの恨みが積もったことか。
黒い未亡人たちを生んだのは一体何か?
その慟哭が聞こえる。
考えが、こうして突き進んでくると、
行き着く先には、
一部の「どうしても戦争をしたい人間たち」のエゴのために、
私たち、普通の人たちが、犠牲を強いられることに気がついてきます。
「やられる前にやる」という発想は、
その後の、さらに増幅された恨み、憎しみに繋がり、
膨大な破滅へのエネルギーへと変換していくことに、気がつきます。
私たちは、誰だってやられたら許さないのです。
ならば、
やってはいけないのです!!!
なぜなら、
罪なき普通の人々が、戦い続けていくのだから、、、
しかも、真の敵を間違えて、恨みを増幅させていく。
どこかの、だれかは、
静かに笑っているだけである。
ちょうど、映画を見ているように、、、

いつでも、だれでも、どこでも
私たちは、
恨みの連鎖に巻き込まれるという現実が、いま横たわっています。
愛する者を奪われることは、悲しい。
そして、その哀しみが、「恨み」という負の膨大なエネルギーを発して生きていかなければならないことは、
さらに悲しい。
世界中に哀しみと恨みを持った人たちで一杯にしなければ、
人はその愚に気がつかないのでしょうか???
人間とは、そんなに愚かな者なのでしょうか????
私にはわからない。
しかし、
哀しみが憎しみに変わることはわかります。
不必要な恨みを作ることは、
人間が本来すべき仕事ではない。
私は、
声を大きくして言いたい。
心を込めて書きたい。
どうか、
どうか、
これ以上、罪なき人々の叫びを聞くことがないように、、、と。

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コメント

(1)「絶対許さない」といって身内等の敵を討つ為に中東の人がテロに参加する。
(2)また米軍などが阻止・反撃に出る。
(3)また死傷者が出る。
(1)に戻る。

米軍等にも死傷者が出て戦友や肉親を失ったりする人が出たときも、同じような連鎖が起こるのではないでしょうか?
そもそも今のイラク派遣がWTCの報復攻撃ですから。

憎しみの連鎖ですな。悲しいけどこれが現実です。
日本も半世紀前の恨みを買ってますし、逆に空襲や原爆等によって被害を受けた方の中には反米感情を抱く人もいるでしょう。

その連鎖をいつ断ち切るのか、どうやって断ち切るかでしょう。
海の向こうの白いおうちの住人が変わる事によって、少しは状況変化の兆しにでもなればいいのですが…

投稿: にしかは@京都 | 2004.09.13 00:19

瀬戸さん こんにちは

TBありがとうございます。
「平和を願う」
と言うと
「願うだけでは何も変わらない」
といわれる事がありますが、憎しみが普通の人々に伝染し、醸成していくことを考えると、けして無駄ではないのだろうなと思います。
「願う事」を諦めた集団と「願う事」を守りつづける集団とどちらがその連鎖に巻き込まれ易いかを考えれば、この小さな決意の集まりは大きな力になるような気がします。
これだけ不安が広がってくると、他に影響力を与えるような行動力も当然必要な事には違い有りませんが、大きな事をできない事に悲観する必要もない。
(「願う人」がいなければ、行動する人の言葉はむなしさをますばかり)
むしろ、自分が何もできない事で「悲観」が「諦め」に変わり、「所詮平和など・・・」と自らの心に「予防線」をはり、それを色々な「必然」の力を借りて鎧を着てしまうことのほうが怖い、と「悲観」の誘惑にかられる自分に言い聞かせてます。

投稿: FAIRNESS | 2004.09.13 11:00

にしかは@京都さん。
FAIRNESSさん。
こんにちは。
コメント有り難うございました。
何回も読みました。

にしかは@京都さん。
みんな、実際の所、これが、救いようのない悪循環であることはわかっている。
しかし、仰るように、どうして、この連鎖を断ち切るかとなると、たじろいでしまう。
だが、しかし、それに関しても本当のところ、解答はみんな持っているんでしょうね。
例のあの人が、ワ・ル・イと。
そして、さらにその背後に潜む大物はだれ???
では、どうしてそれを、伝え、なおかつ実行するかというと、ネコの首の鈴。
本当は、小泉さんが、もっとしっかりしてくれれば、、、と思うのですが。
ところで、にしかは@京都さん。
地震は如何でしたか???
ビックリしましたねぇ、、、
今の所大丈夫みたいですが、なんだか心配です。
仮面ライダーが助けてくれるかな???

では、また。お元気で。

FAIRNESSさん。
今回、書いた内容は、先日、貴方が書いていらっしゃった「戦争へ導く主役」を受けてのものです。
あれは、かなりきびしかった。
胸にズンズン、刃を突きつけられているように感じました。
第三者としてでなく、当事者として、考えた時、果たして自分はどんなことをするだろう?
何を思うだろう???
あの記事以来、ず〜〜〜っと考えていました。
まぁ、宿題を出されたようなもの。
一つ、ひとつを自分に突き詰めたら、
やはり、なかなか厳しい答えがでてきそう。
そんな時、以前の友人たちとの会話を思い出しました。
恨みは、真実を見えなくさせるものであると、
改めて思いました。
冷静な第三者であるという身分が未だ保障されているときこそ、声を大にして伝えていかなければならないのでしょうね、、、
必然になる前に。
この問題、まだまだ、考え中。
また、書きますので、どうぞお付き合いください。
では、お元気で。

投稿: せとともこ | 2004.09.13 13:55

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