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2004.09.13

女の人生すごろく

とにかくスゴイ本なのです。
「女の人生すごろく」という本です。
小倉千加子さんという心理学者で、主には、女性論、フェミニズム運動などが専門です。同じ社会学者の上野千鶴子さんとの共著もたくさんあって、
元気な(?)学者です。
以前、ここでも書いた酒井順子さんの「負け犬の遠吠え」論争は、
未婚の30代以上の女性が描かれていましたが、「女の人生すごろく」は、さらに結婚した女性たちの凄まじくも健気な(?)生き方が書かれています。
〜〜〜〜〜〜〜
女の人生は、結婚が「あがり」である。
生まれたときから、この「あがり」を目指して、母と共に歩む。
小・中学校までは、勉強をする傍らピアノや習字などのお稽古事を、母の送り迎えで一緒にする。
高校になったら、そこそこの大学を目指して、それまでのように勉強にはいそしまない。
大学では、「楽しいこと」を一杯覚えるが、就職する頃から、髪の毛を伸ばし始める。
つまり、私は「興味は髪の毛を伸ばす事で、余計な事にはいっさい興味がないのですよ。」
と、純真さを試験官にアピール。勿論母の強力なアドバイス有。
そして、就職をしたら、後はひたすら「あがり」に向かって一直線。
すぐに良い賽の目が出て上がる人もいれば、一歩手前で、どうにも上がりの目が出なくて、
何回か賽を転がす人、いろいろあるが、とにかく母子共に壮絶な闘い(?)のもと、晴れて、「あがり」になる。
さて、あがっては見たものの、これですごろくは終わってしまった。
ゲームは済んだ。
では、では、
その後の人生はどうするの???
と、悩む。
しかし、お任せください。
次は娘がいるではないですか。
さぁ、娘と一緒に「人生すごろく」の始まり、はじまり、、、

こうして、際限なく女のすごろくは、続いていく。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と、いう話を、社会学者らしく、分析しながら書いています。
女性の社会進出にともない、晩婚化や少子化などで多少の上方修正は、あるものの基本的には、女性の人生とは、このようなものである。
そして、女性は何よりも、「自分」が好きなのである。
たとえ愛している夫といえども、生活のあれこれの中では、胸がときめくような出来事は、とうの昔にすり減った。
たとえ愛している子どもといえども、年々シワが増える我が身に比べ、ツルツル肌の娘に嫉妬する、、、
その最たる者が、
シンデレラの母であり、白雪姫の母である、というのです。
実は、シンデレラも白雪姫も、その母は実母だそうです。
美しい我が子に嫉妬するいじましい母なのです。
そして、「あ〜〜〜私も若い頃は、貴女なんかに負けなかったのに、、、」
という思いが「鏡よ鏡、、、」なのだそうです。
女性は、自分が一番好きなのである。
なにしろ、幼い頃から、「自分の容姿」をのみ見て育つように期待されて育ってきたのだから。
決して、時事問題なんかに興味をもってはいけない、、、、
そして、男性社会で生きていくには、おしゃべりでは駄目なのです。
静かに微笑んでいる。
ほら、なにしろ白雪姫の王子様は、眠っていた白雪姫に恋をしたという強者です。
寝ている姫から、王子様は、どのような姫の人格を見て取って恋に落ちたというのか、、、
ひたすら小人たちのために働き、寝ているように静かな姫がお好みだったのです。
シンデレラの王子様も然り。
美しい姫に、もっと踊ろうと,わがままを言う。
しかし姫は12時に慌て帰る。
そう、帰らなければならないのです。
従順に、従う内気な姫に王子は恋をしたのです。
ここで,一緒に遊んでいてはいけないのです。シンデレラは。
そうして、めでたくお妃になった,その後のシンデレラは、どうなったか???
もちろん、シンデレラの母になったのです。
(やれやれ,,,)
と、話はドンドン進んでいくのです。
小倉さんが、書いているのは、正しいとか、間違いとか、
そういうことでなくて、淡々と現実を描いているのです。
「いや〜〜〜それはねぇ、ちょっと問題在り」とか、
「そんな失礼な!!!」
など異論はいっぱいあると思うのです。
しかし、酒井さんの本がベストセラーになり、多くの既婚、未婚の女性から共感を得たということも現実です。
小倉さんは、あとがきで「女のあがき」を収めた、と書いていますが、
私も同感です。
私は、この本を読みながら、共感と反感を持ちました。
「ムムムッッッ」
とか、くるんですよ。
一方、
「うんうん」
と、肯くところもあります。
そして、小倉さんは、私が反感を覚えるようなところは、
勿論、「反感」が殺到するということを心得ながら、分かっていながら、書いています。
「実態」という名前で、、、
そう出てこられと、私は考えるのです。
「自分では気がつかない潜在的意識の中に、そういうことって在るのかもしれない、、、」
と、一歩も二歩も譲ってしまいます。
普段は、とくに気にしていないことでも、
文字で「人生すごろく」なんて書かれて、縷々述べられると、かなりショックです。
しかし、
小倉さんは、「だからよし」とはしていません。
当然、その解決策として、
男女の真の意味での平等をうたっています。
つまり、本当の意味での平等が実現しない限り、
女たちの人生すごろくはつづき、
その中に「男」はいない、ということです。
これが、女性の最大の報復なのでしょうか???
著者は、男女にとって、不幸なことである、と述べています。
私も同感。
是非、女性、そして男性も読まれることをお薦めします。

さて、まだまだ、真の意味での平等は程遠い感がします。
憲法24条の見直しや、
あるいは、
東京都のジェンダーフリー教育撤廃など、
退行していく男女平等への道。
女の人生すごろくを書き直す日が遠からんことを、祈らずにはおれません。

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