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2004.09.16

ストレスを受け止める仕事

連日、テレビで放送されている、栃木の幼児誘拐・殺害事件。
本当に、痛ましい。
胸がつかえます。
何回見ても、涙が出ます。
爽やかな、聡明そうな顔をした二人の兄弟の写真が出る度に、
「どうして、、、」と悔やまれます。
テレビで見ている私でさえ、そうだから、
親、親戚、関係者の方の無念は如何ばかりかと、思います。
いまだ見つからないお兄ちゃん。
どこかに、生きていて、、、
という願いを捨てきれません。
また、すでに亡くなった弟君。
冥福を祈ります。
安らかに、眠ってください。


さて、
この事件、いろんな局で特集、解説がなされています。
全ての意見は、
大人の犠牲になった幼い命
と、言うことでした。
私も、全くそうだと思います。
今回の事件、
子どもたちを取り巻く全ての大人たちに問題がありました。
識者は、
「どこかで、この事態を止められなかったものか、、、」
と、言います。
止められず、全てのハードルを越えて、事件に至ったわけですから、
「止められなかった」のです。
残念です。
では、なぜ止められなかったか、、、という話になると、
親や、警察や、児童相談所の責任の有無を検証することになります。
私は、
全部に責任があると思います。
今までにない、児童虐待の数に、
行政は、10月1日から法律を作り、
虐待防止に、力を注ぐということです。
この、法律が、少しでも、未然の防止、ハードルになってくれることを願うばかりです。

さて、
私は、今日は「人の悩みを聞く仕事」について、ちょっと書こうと思います。
いわゆるカウンセラーという範疇に属する人たちのことです。
職場としては、
学校や、職場、病院、また今回のような児童相談所、
あるいは家庭裁判所の調停官などです。
カウンセラーになるには、
専門の勉強、つまり心理学を勉強するわけですが、
しかし、現実の複雑で、多様な問題の一つひとつを解決するには、
机上の論理では追いつかないのも現状でしょう。
人のストレスを受け止めるということは、
相当のエネルギーがいる作業です。
私は、仕事柄、子どもの親、とくにお母さんと接することが多いですのですが、
「子を思う親の気持ち」というのは、共通です。
「這えば立て、立てば歩めの親心」です。
親って、本当に「欲」なのです。
我が子が、こんなことが出来た!!!
じゃ、次は、あんなことに挑戦。
と、限りなく続く親たちの欲。
「せんせい、うちの子。
勉強出来なくてもいいんです。元気でさえいれば、、、」
私の所に、初めて来られるお母さんは大抵、そういいます。
嘘です。
ガンガン、勉強をさせたいのです(^^;
そして、当然、なにかあると私の所にとんで来ます。
ほとんどは、「もっと成績をあげろ」ですが、、、
そこで、
私は、お母さんや、子どもと面談なんかして、
双方の話を聞き、
二人を励ましたり、諭したりとするのですが、
これは、もう凄いエネルギーがいります。
親子が帰ったらクタクタ。
部屋には、親子が残していったストレスが、あっちにもこっちにも、、、
みんな、私の方に向かってやってきます〜〜〜

タ・ス・ケ・テ〜〜〜〜〜〜〜

人の悩みを聞くということは、
相手の悩み、ストレスを背負う、受け取るということです。
専門の教育を受けていない私には、とても無理。
そこで専門の友人たちに聞いてみました。
「どうするの?」と、私
「うん、流すの。」と、友人。
そうか、、、流すのか。
「本当はジレンマ感じるけれど、次から次だもん。
流さなきゃ、やっていられない。」
とのこと。
そうだよなぁ〜〜〜
いくら専門の勉強をしたカウンセラーでも生身の人間。
私のように、ポツリ、ポツリと悩みがやってくるわけでなく、
毎日、まいにち、山ほどの相談。
しかも、経済的理由も含めた深刻な相談。
その一つひとつを、丁寧に解決したいと思っても、
後からあとからの相談に埋没していくのが実際では、ないでしょうか???
児相の友人も、
家裁の友人も、言います。
「離婚」が増え、
「児童虐待」が年々増えているということ。
本意ではなくても、
アフターケアが出来ないと。
また、この事件が起きる前から、
児相は、
「もっと職員の数を増やしてくれ、、、」
「専門のカウンセラーをもっと増員して」
と、訴えてもいたようですが、、、

今回の事件も、
大人のきめ細かい対応がなかったことへの批難は、数々あります。
また、法律もできるという。
しかし、
人を監視、縛る法律の前に、
子どもたちを守る「受け皿」の充実。
つまり保育所、託児所、学童保育等。
また児相の職員増員。
さらに、こうした大人たちの悩みを聞き、解決の道筋を示す手だてがあったら、
と、思うのです。
こうして見てくると、
つい書きたくなるんですよね、、、
アメリカへの思いやり予算の前に、
自国のこどもたちへの思いやり予算をつけてくれ〜〜〜〜と。

栃木の痛ましい事件は、
犯人の異常性はともかくとして、
特殊なことではないような気がします。
子どもも、そして大人も、
社会全体で守りあっていきたいものです、、、

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コメント

せとさん。
あらゆる受け皿たりませんね。
施設に限らず、遊ぶところ、溜まり場、ふといけるところ
見守る大人、関わる大人、たとえ施設があっても、こんどはそこにふさわしい心ある大人。。。
いたとしても価値観が一緒の大人ばかり。
つまりせとさんが闘ってる大人ですよ。(笑)

受け止めることをやりだすと
こっちが病気になりますね。なりかけてます
いや、なってるかももう。でも、なかなか
流せない。プロじゃないんだなーー。
そういえば感想文をめぐる親子、学校の
狙ったようなドタバタがあり、近々書きます。
また、みて下さい。面白いよーー

投稿: ぶんぶん | 2004.09.16 13:55

ぶんぶんさん。
こんにちは。

ぶんぶんさんも、ストレス溜めていらっしゃるでしょうね。わかります。
「流す」って言われても、そう簡単じゃないですよね、、、
何しろ、目の前に悩んでいる子どもたちがいるのだから。
ぶんぶんさんの「ドタバタ奮闘記」
楽しみにしていますよ、、、
出来たらお知らせくださいね。
では、
夏の疲れが出る頃。
お体大切に!!!

投稿: せとともこ | 2004.09.17 13:14

せとさま
「学童保育」で検索して、ここのページを拝見しました。
昨日、福島で学童保育指導員の研修会があり、保護者ですが参加しました。指導員に求められるものは、大変大きく(専門性も人間性も)なっています。一方、そういう仕事が、大切にされない現実もいっそうひどくなっています。
気力だけで乗り切ることはできませんね。仲間をつくって励ましあいながら、自分の思い・願いに自信を持ち続けることが大切です。
せとさんのこういうページも、いいなアと感じました。

お隣りの、ページ「般若心経のはなし」も「なるほど」と読ませていただきました。水上さんの本、買ってみます。

投稿: hanaki | 2004.09.20 21:43

hanakiさん。
こんにちは。
コメント嬉しく拝見をいたしました。

今、子どもたちのおかれている立場、環境には、
心痛めている方は多いと思います。
が、
なかなか、きめ細かい対応が出来ない現実に、ぶつかると、
時として「先が見えない」不安にかられます。
hanakiさんが、参加なさった「学童保育」の研修会なども、きっと凄い意義のあることですね。
仲間がいるという連帯感って、大切ですよね、、、

hanakiさんのサイト、拝見をいたしました。
どうぞ、頑張ってください。
お体 お大切に。

投稿: せとともこ | 2004.09.21 11:15

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