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2004.09.03

浅間嶺にけぶり立つ見つ

落 葉 松
一     からまつの林を過ぎて、
      からまつをしみじみと見き。
      からまつはさびしかりけり。
      たびゆくはさびしかりけり。

二     からまつの林を出でて、
      からまつの林に入りぬ。
      からまつの林に入りて、
      また細く道はつづけり。

三     からまつの林の奥も、
      わが通る道はありけり。
      霧雨のかかる道なり、
      山風のかよふ道なり。

四     からまつの林の道は、
      われのみか、ひともかよひぬ。
      ほそぼそと通ふ道なり。
      さびさびといそぐ道なり。

五     からまつの林を過ぎて、
      ゆゑしらず歩みひそめつ。
      からまつはさびしかりけり。
      からまつとささやきにけり。

六     からまつの林を出でて、
      浅間嶺にけぶり立つ見つ。
      浅間嶺にけぶり立つ見つ。
      からまつのまたそのうへに。

七     からまつの林の雨は、
      さびしけどいよよしづけし。
      かんこ鳥鳴けるのみなる。
      からまつの濡るるのみなる。

八     世の中よ、あはれなりけり。
      常なれどうれしかりけり。
      山川に山がはの音、
      からまつにからまつのかぜ。
===北 原 白 秋  「水墨集」より====

おととい、9月1日、夜8時過ぎ、浅間山が噴火。
長野県、群馬県、福島県などに被害が出ています。
現在は小康状態というものの、今後の活動に不安が募ります。
テレビで映し出された、農家の被害映像には、何とも言葉がありませんでした。
自然の災害とはいえ、、、
本当に胸が痛みます。
台風被害、あるいは地震等もそうですが、
被災地の方々には、政府の厚い復興支援を心から望んでいます。
さて、
私は、浅間山と聞くと、
北原白秋と、
〜暮れ行けば 浅間も見えず
歌哀し 佐久の草笛 歌哀し〜
と詠んだ島崎鴎村を思い浮かべます。
学生時代は、よく一人旅をしました。
信州は「晩秋が一番」となぜか思い込んで、
11月の最後の休みに、信州を訪れることを、繰り返した時期があります。
青く、澄みきった信濃の空が、暮れるのは早い。
薄い青から、次第に青さを増し、ついには深い藍色に支配されていく東の空と、
ピンクから、橙色になり、そして燃えるような赤色になり、そして緑色、青色、続いて東の藍色と溶け込んでいく日の沈む空の模様が、
哀しくて、切なくて、いいのです。
遠くに浅間が見える。
どこからでも見える。
ふと、自分の足元に目をやれば、
深く、濃い秋色が周りの景色を包んでいる。
夕焼けは、晩秋の信州に限る。
と、思っていました。
どこからでも、のぞめる浅間山。
万葉の時代から、歌に詠まれ、人々に愛されているという浅間山。
有史以来、ずっ〜〜〜と、噴煙をあげ、
人々はその姿に、
畏敬と、愛着を感じ、共に生活をしてきたのでしょう。
大いなる自然の力、
ちっぽけな人間。
しかし、
ひとは、知恵を武器に自然に闘いを挑み、
自然を制し、
そして、自然に押しつぶされ、
と、いう闘いの連続だったのでしょうか、、、
そして、これからも、、、
人と自然の闘いと共生はつづく、、、
今日も、浅間は、
けぶりをあげている。
さらなる被害が出ないように祈るとともに、
万全の備えをしていかなければならないでしょう。
地域の方々、政府や関係省庁、
また研究者の方々の,熱い闘いは,まだ終わりを告げないと思いますが、
一日も早く安心できることをお祈りしています。

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