ルサンチマン対策
=ルサンチマン [仏 ressentiment]=
哲学用語です。一般的には次のように解釈されています。
〜被支配者あるいは弱者が、支配者や強者への憎悪やねたみを内心にため込んでいること。〜
さて、
またしても、
胸を突くような事件が起きました。
ロシア・北オセチア共和国ベスランで、1日から学校が占拠されていた事件の
最悪の幕切れには、
しばらくは、頭が真っ白。
なんと言っていいのか、、、
言葉を失いました。
絶対に許すことが出来ない犯人たちの行動。
絶対に理解し、共感することができない思想、信条。
テレビに映し出された泣き叫ぶ子どもたちに、親たち。
そして愛する者を失った母親、、、
辛い。
許せない。
この先、
彼らが背負っていくものの大きさを思うと、さらに胸が押しつぶされるようです。
失った者たちは、その喪失感の大きさを埋めるものはないだろう。
助かった者たちは、心に空いた大きな穴をどうやったら埋めることが出来るのだろうか???
思えばおもうほど
犯人たちの罪は大きく深く許し難い。
さて、
このとても許し難い犯人たちは、
どの様な背景で「生み出された」のでしょうか?
チェチェンをめぐる絶望の三角関係の中で、田中宇さんは、チェチェン問題を詳しく解説してくださっています。
チェチェンにイスラム原理主義が根付いていった背景がよくわかります。
そして、
さらなる裏には何が隠されているか?
黒幕は誰か?
答えはもちろん
ヘゲモニーの再編を狙っているアメリカの大国主義だと思います。
アメリカは、とにかく
世界を自分の思い通りに動かしたい。
どこにでも出かけ、
力で抑圧することに、なんの躊躇もない。
したがって、そこには人々のルサンチマン、つまり支配者への憎悪や憎しみが生まれる。
反米感情が高まってくる。
そのために、さらに
アメリカは「ルサンチマン対策」をもっと強硬にしなければならない。
先日の共和党大会でブッシュ大統領は、
「テロに対して座して待つのではなく先制攻撃を行う」と演説。
これが、アメリカの「ルサンチマン対策」である。
問題の解決は、
まだまだ遠い気がしてなりません。
この先、
どれだけの犠牲者を出さねば、アメリカは、罪の大きさをわからないのでしょうか???
また、
日本が今、しなければならないことは、
そんなアメリカに「待った」をかけることであると、
日本の為政者が
分かるのはいつのことなのでしょうか????
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コメント
北オセチアでの学校占拠事件、あまりの結末に胸が潰れる思いで、しばらくニュースを見る気がしませんでした。
「卑怯なことをしない」という行動規範は、もう世界から失われていくのでしょうか。弱いものが抵抗手段としてさらに弱いものを犠牲にする・・・なんともやり切れません。せめて、わしは、小説書くことで人間の美しいところを称揚して行こうと思っているのですが・・・
さっき地震が起きたとき、寝ている息子を守ろうと必死になって起きたような行動が、人間の本質だと信じたいです。(それきり寝れなくなってしまったのですが・苦笑)
投稿: 龍3 | 2004.09.06 02:01
龍3 さん。
こんにちは。
書き込み有り難うございます。
昨夜の地震、すごかったですねぇ、、、
私もしばらくは寝ることが出来ませんでした。
坊ちゃん、怖がりませんでしたか???
でも、龍3 さんが慌てて飛び起きて、我が子をかばう姿、目に浮かびます。
親って、本当にそうですよね、、、
今、世界中で起きている胸のつぶれるような痛ましい事件。とりわけ子どもたちが犠牲になることは、絶対許せませんよね。
貴方の優しい小説、今、ちょっと不安にもなってきたあらすじ。どうなるか???楽しみですが、
また、拝見させていただきます。
ではまた。
お元気で。
投稿: せとともこ | 2004.09.06 11:21