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2005.04.19

アインシュタインのエピソードが意味することは

宇宙創成:「ビッグバン直後は液体」 「気体説」覆すというニュースを見ました。
神の一撃と言われるビッグバンから宇宙は始まったとされているビッグバン理論が一般的です。
そして、今までは直後は、気体であると予想されていたのですが、今回の実験で液体の可能性が高いという説を発表しました。
まだまだ解明されることを待たなければなりませんが、
このニュース、ワクワクします。
そういえば、今日はアインシュタインの命日です。
光のリレーについては、先日もお知らせしました。
生涯最大のヘマと自らが述べている膨張宇宙のエピソードがアインシュタインにはあります。
敬虔なクリスチャンであったアインシュタインは、
「神様が時々刻々変化する宇宙をお作りになるはずが無い」と言い続け、決して宇宙膨張説を認めませんでした。
自らの宇宙方程式と矛盾することを認めつつ、それでも容易に受け入れがたい。
膨張宇宙の謎を最初に解いたヴィレム・ド・ジッターには、「膨張宇宙という考えはイライラする」と手紙を書いて認めようとしませんでした。最終的にアインシュタインを納得させたのはロシアのアレクサンドル・フリードマンです。アインシュタインの方程式の計算間違いを指摘。
この二人の歴史的な論争の末、アインシュタインは「生涯最大のヘマ」と自らの間違いを認めました。
その後、決定的にアインシュタインを肯かせたのはエドウィン・パウエル・ハッブル(望遠鏡で有名)の登場によります。
ただ、アインシュタインの名誉のために言うならば、
当のフリードマンは、アインシュタインと一度も「宇宙項」について議論した事はないそうです。
つまり、エピソードとして残されているだけなのか???
科学者が歴史的事実を軽視する理由ということで、このサイトの管理人は、
「科学史における事実と誤謬」について述べています。
確かに、たしかに、、、
科学は、日々変遷を重ねているのですから、
昨日の真理は、今日は既に過去の遺物になる
新しい事実が書き換えられる、なんてよくあることです。
その折、以前の説は、エピソードや想像が付け加わり、
いつのまにか「科学史」となって伝わっていくという事もあるのでしょうね、、、
なにしろ、科学と言えども人が行っていることだから。
そういう意味では、歴史はさらに顕著にこの性質を有していると思います。
事実を超えた解釈、しかも証明不能なものを多く持っているので百家争鳴。
今、話題の歴史教科書もこの限ではありません。
それぞれの立場で、それぞれの事実、真理があるのでしょう。
そこから普遍妥当な解答を見いだすことは、膨大なエネルギーと時間を必要とする作業です。
ただ忘れてはいけない事は、「歴史を学ぶとは、未来を考える事」であると言う事ではないかと思います。
さて、話を元に戻すなら、このエピソードが真に伝えたいことは、やはり天才のスゴサなのでは、と思います。
こうして見ていくと大天才でも間違える。
間違えても、真理の前に謙虚である。
その姿勢こそが、人をして「天才」と呼ばしめるのではと、つくづく思います。

さて、
あなたも、今晩は、お時間があったらアインシュタインのことを思い出しながら、空を見上げて宇宙を感じて見ませんか???

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コメント

瀬戸さん、こんばんわ、

ごぶさたしております。最近、「べき乗」、「複雑ネットワーク」、「経済物理学」、「同期現象」などにはまっています。サイエンスライターに転職しようかと思うほどです(嘘)。恐ろしいことに、これらの分野の基礎なる部分の重要な理論をアインシュタインが打ちたています。私は正直相対性理論以外あまりよく知りませんでした。しかし、ブラウン運動や相転移、光電子の研究など、いまの複雑系とよばれるような科学書をひもとくと驚くほど何度もアインシュタインに出会います。やはり、すごい人なのだなと遅ればせながら感じています。

投稿: ひでき | 2005.04.19 20:54

<米国ブルックヘブン国立研究所の加速器を使い、金の原子核同士を光速に近いスピードで正面衝突させた。その衝撃で、ビッグバンから100万分の1秒後の温度約2兆度の状態を再現した。

<科学は、日々変遷を重ねているのですから、
昨日の真理は、今日は既に過去の遺物になる
新しい事実が書き換えられる、なんてよくあることです。
その折、以前の説は、エピソードや想像が付け加わり、
いつのまにか「科学史」となって伝わっていくという事もあるのでしょうね、、、
なにしろ、科学と言えども人が行っていることだから。


ここの記述は大切なところだと思います。
ソクラテスは「無知の知」で有名です。
私たちが解っていないところは何なのかをハッキリさせることだと思います。そのことは解っていることをハッキリさせることでもあると思います。

ニュートン力学がアインシュタインの理論によって乗り越えられたと言われます。
わたしはアインシュタインはニュートン力学の適用範囲を定め補完したと言いかえてもいいと思います。
物理学の世界では疑いようのない事実を積み上げ理論をつくります。そして理論により実験をして実証をします。これを繰り返し理論を積み上げてきました。

、、、いけない、時間がなくなりました。
夢のあるエントリーに惹かれます。
しかし「100万分の1秒後」とは想像できません。では

投稿: kouhei | 2005.04.20 01:18

ひできさん。
kouhei さん。
こんばんは。
コメント有り難うございました。

ひできさん。
フランスの紀行記、楽しく拝見をしていました。
コメントをしようと思ったのですが、ちょうど世の中なにやら忙しくて、つい書きそびれました。ここで書く失礼をお詫びしながら、、、
「とても素敵な旅でしたね、、、フランス語レッスン楽しかったです(^.^)」
さて、アインシュタイン、すごいですね、、、
本当に刺激になります。
またサイエンスライターとしてのひできさんのエントリー楽しみにしています。
では、これからもよろしくお願いいたします。

kouhei さん。
>ニュートン力学がアインシュタインの理論によって乗り越えられたと言われます。
わたしはアインシュタインはニュートン力学の適用範囲を定め補完したと言いかえてもいいと思います。
物理学の世界では疑いようのない事実を積み上げ理論をつくります。そして理論により実験をして実証をします。これを繰り返し理論を積み上げてきました。

はい、私もそう思います。
一つひとつの丁寧な積み重ね、間違いであったらすぐに直す柔軟性の上にはじめて科学は成り立つと思います。
これからも、科学論、展開していきましょうね。
楽しみが増えました。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2005.04.20 18:57

 アインシュタインの先達である、マックス・プランクは、科学の進歩は、真理が虚偽に勝つことによって生じたと思っている人が多いけれども、実際には古い考えの人が死んで新しい世代になることによって変わってきたというようなことを言っていますね。
 その点は科学史の発展について書いた「科学革命の構造」でトーマス・クーンも、科学者たちがどうしても自分の学説群(パラダイム)に合わない新事実を何とかして自分のパラダイムで説明しようとする苦労がでています。決して新事実の発見によってスムーズに科学が発展してきたのではないと言うことでしょう。
 ガリレオなども、ギリシャ以来の「円は美しい」という惑星軌道を考えていたそうですから、やはりそれぞれに限界を持っているのでしょうね。
 「学則不固」:瀬戸さんのようにいつも謙虚でいらっしゃる姿は本当に素晴らしいと思います。またときどき読ませていただきます。

投稿: i-demo | 2005.04.20 20:37

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