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2005.05.26

作られた美談

プロジェクトX 高校にNHKが謝罪 「番組自体は続ける」というニュースについて昨日(5/25日)、コーラスの仲間と話題にしていました。
と、いうのも問題の放送があった翌日(11日)仲間の一人が、この放送を見て感激したと私たちに話してくれたのです。
私たちのコーラスは、ストレス解消のために細々と練習しています。
今更コンクールに出るとか、そういうのでなく、楽しみながら健康のためというお気楽なコーラスです。
指導してくださる先生は今もオペラをなさっていて、私たちに「歌」よりヴォーイストレーニングやストレッチなどを教えてくださいます。
日常の延長に「舞台」があることを意識して日々研鑚している先生からは、歌以上のものを指導していただいて、とても有意義な一時を過ごします。
その折、出た話題が大阪府立淀川工業高校のコーラス部の話。
(私は見ていなかったのですが、見ていた方が詳しく説明して下さいました)
「すごいよね〜〜〜〜」
「歌ってやっぱり力があるね〜〜〜〜」
「先生の熱意って、伝わるね〜〜〜〜」
とかとか、お決まりの絶賛を述べて、その場は終わりました。
しかし、上述の放送番組の謝罪を知って、ちょっとがっかり。
美談は作られていたのか、、、、と。
確かに事の成り行きを見ると、大阪府立淀川工業高校に対して、失礼な表現があったようですね。
多分、感動を際立たせたかったのでしょうが、、、
今回、制作責任のNHKが謝罪したことで、傷ついた多くの関係者の名誉が回復。誇りと敬意を取り戻すことが出来たことは、本当に良かったと思います。
ところで、この問題は、ひとり大阪府立淀川工業高校だけの問題では無いと私は思うのです。感動の押しつけをはかり、安い涙を誘うとしたことには罪があるし、制作側の責任は問われるべきです。
ただ、「何を求めているか」という視聴者の心理に対して一石を投じたのでは?と私は思いました。

ひょっとしたら私たちは「時代の寵児」を求めているのかもしれません。
涙が出るくらい感動する実話を探しているのかもしれません。
閉塞していて、先が見えにくい今、
英雄やカリスマを待っているのかもしれない。
その思いが、「プロジェクトX」という番組にちょうど乗かかっていったのかもしれない、、、
と、思いました。
フィクションとノンフィクション。
バーチャルとリアル。
ネットと実生活。
そのG線上をあっちに行ったり、こっちに来たり。
力があるけれど曖昧なこの境界線を、確かに歩くためには、相当の知恵がいると改めて思います。
情報の氾濫に私たちは呑まれ、巻き込まれている。
また、その情報をリードしているのも私たちであるという現実。
厳粛に受け止めなければなりません。
しかし、
しかし、
なんの、なんの、「楽しむこと」が一番です。
情報の曖昧さを楽しみながら、自分を見失わない事こそが求められています。
それは、ひとえに「ド〜〜〜ンと受け止めて酸いも甘いも楽しむ」という懐の深さです。

私自身は、今回の問題は関係者の方々の名誉が回復されたことを前提にして考えると、
「この話はイイ話だった」と思っています。
作られた美談でも、「明日」への希望に繋がっているから、、、

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コメント

瀬戸さん
タイトルに関してご意見ありがとうございました。もう少し時間をかけて作りたいと思っています。
教育つながりで教科書問題のエントリーをTBします。
教育を政治の力でゆがめることをやめようと言うのが、戦後教育の出発点のはずですが、、、

投稿: kouhei | 2005.05.27 18:15

伝えたいことを伝えるために、美談にすることも必要なのかもと思います、と言うことでトラックバックさせていただきました。でも、美談にするために、美談を際立たせるために、傷つく人が出てはいけませんよね。

投稿: ウエダ | 2005.05.30 04:46

kouhei さん。
ウエダさん。
コメント、トラックバック有り難うございます。

kouhei さん。
教科書問題、重いですね、、、
私も事の成り行きにハラハラしどうしです。
この頃政治家もかなりきな臭いことをバンバン言っていますね(^^;
本当にこの国はどうなっていくのか???
不安です。
また、教科書問題考えてみます。
その折は、教えてください。


ウエダさん。
相変わらず、ブログで書かれていることは、ユニークで楽しくて、本質を突いていると思いました、、、
拝見しながら、物語も「時代の子」であると、つくづく感じました。
そのことを認識しながら、受取手も送る側も「いいもの」をつくる努力をしなければならないのでしょうね、、、
私たち自身が問われていると思います。
まだまだ考えることは山積ですね。

また、ウイットに富んだ記事、拝見することを楽しみにしています。
では。

投稿: せとともこ | 2005.05.30 15:57

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