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2005.06.24

ダウニング街メモ

イギリス政府の機密文書が証明するイラク侵略という巨大な犯罪別名ダウニング街メモが5月1日、英サンデータイムズ紙で報道されて約一ヶ月半が経ちました。
この間、)天木直人さんのホームページや、あちこちのブログでも 静かに情報は流れています。
(「ダウニング街(ストリート)メモ」あるいは「イラク戦争は仕組まれていた」などの言葉で検索して下さい。)

今までも内部からの告発や証言はあったそうですが、いつの間にか闇に葬られていたそうです。
ところが、今回のメモはすでに本物であることは英政府が確認しています。

〜〜〜イラクをめぐる世界の情勢に関心を持ち、信頼できる資料や論説・証言を調べた人ならだれでも、イラク侵略が不法行為であることを「知っていた」けれど、どれほど説得力ある論証を重ねても犯罪を証明することはできなかった。しかし、今回リークされた秘密メモは、イラク侵略という巨大な犯罪をアメリカとイギリスが共謀して犯したことの確かな証拠となる。〜〜〜〜
と、上記のサイト管理者の安濃一樹氏は述べ、そのメモの中味を書き連ねていきます。
以下引用。
ーーーーーー
メモは、2002年7月23日に首相官邸で開かれた会議の内容を要約したものだ。会議に招かれたのは首相の側近と外交・情報・軍事・法律を担当する閣僚だけで、他の大臣たちは会議があることも知らされていなかった。
メモの核心となるのは、MI6(アメリカのCIAに相当する)のディアラブ長官による次の発言である。

──アメリカ政権の態度が明らかに変わってきた。武力行使はもはや当然だと見なされている。攻撃を正当化するために、テロリズムと大量破壊兵器を同時に[サダム政権と]結びつける。しかし、政策に合わせて情報を作り上げ、事実をねじまげているだけだ──

ブッシュ政権がイラク侵略を正当化するために、サダム政権とアルカイダの関係や大量破壊兵器の脅威を利用すること、そしてそれがすべてウソであることをイギリス政府は(そして、おそらく世界の数多くの政府も)知っていた。ストロー外相は、イラクを侵略する「理由が薄弱だ」として、次のように説明している。

──サダムは近隣諸国の脅威とはなっていないし、大量破壊兵器を開発するイラクの能力はリビア・北朝鮮・イランよりも劣る──

その上でストローは、武器査察団を受け入れるかどうか、サダムに最後通告を出すよう国連に働きかけるべきだと対策を提案し、サダムが拒絶すれば攻撃する理由となることを示唆した。つまり、国連のイラクに対する通告は、戦争を回避するためではなく、イラク侵略を正当化するために仕組まれたものだった。

それで法的な根拠がえられるのだろうか。ゴールドスミス法務長官の次の証言に注目しよう。

──イラクの政権交代がいかに望ましく思えても、それだけでは軍事攻撃の法的な根拠とはならない──

イギリス人が好む乾いたユーモアだが、長官が意味したことは、ブレア首相も会議に顔をそろえた面々もよく承知していたに違いない。侵略戦争は国際法に反する。もっとも厳しく裁かれる大罪である。ニュルンベルク裁判の判決文には次のように記されている。

──戦争は本質的に邪悪なものである。その影響は、交戦国の間にだけに留まらず全世界に及ぶ。よって、侵略戦争を遂行することは、単なる国際犯罪ではなく、究極の国際犯罪となる。あらゆる犯罪を引き起こす侵略戦争は、すべての悪を内包するという点で、他の戦争犯罪と隔絶している──

これを「平和に対する犯罪」と呼び、「人道に対する犯罪」と並ぶ大罪と規定している。ニュルンベルク裁判と東京裁判で、「平和に対する犯罪」を問われた戦犯は全員が絞首刑を宣告された。

アメリカは、自国の利益のために国際法の精神を踏みにじり、国際刑事裁判所(02年4月に効力発生)の権威も認めていない。しかし、ヨーロッパの諸国は国際法を尊重している。イギリスも例外ではなかった。だがゴールドスミス卿は、不法行為を憂慮しながらも、攻撃を正当化するために何らかの法的根拠を用意する役目を引き受けている。

会議の前に参加者に渡された報告書(これも秘密メモと同時にリークされた)によると、会議に先立つ4月にクロフォードへ招かれたブレアは、ブッシュとの会談でアメリカの計画に協力することを約束していた。イラクを侵略して占領する正当な理由がないことを心配する前に、外務省やMI6の報告を聞く前に、参戦することを約束していた。もちろん、この約束は内閣に計って決めたものではない。労働党の議員たちも知らなかった。イギリス市民に対しては、「イラク攻撃については何も決まっていない」と繰り返していた。

会議はイギリスが軍事攻撃に加わることを前提としている。だから、ブレアは次のように言い切った。

──政治状況が整えば、国民はイラクの政権交代を支持するだろう。そこで、重大な問題がふたつある。まず、この軍事作戦が成功するかどうか。そして、作戦を支障なく進めるために、政府がどのような政治戦略を立てるべきか──

「政治状況が整えば」とは曖昧な表現だが、リークされた別の文書を見ると、イギリス首相はアメリカ大統領に戦争の条件をもっとわかりやすく説明している。

──諸国の協力をえて連合軍を組織すること。そして、世論を作り上げること──
ーーーーーーー

英文は 
http://japana.org/peace/japana/secret_documents.html
でご覧ください。

また天木さんは、日本外交が、こうもアメリカべったりで、いいのか。そのうちハシゴを外されるのでは?と危惧され、使い捨てられるのではと述べています。
まさに、、、(^^;


<陸自車両通行中、道路脇で爆発 イラク・サマワというニュースが昨日流れました。
幸いにして自衛隊の皆さんは無事でした。ご家族の方もさぞやご心配なさったことと思います。
イラク戦争の現実については日々新たな被害の報告がなされています。
今も多くの普通の人々が戦火の中で命をかけて生活をしています。
流さなくてもよかった血が流れ、
失わなくてもよかった尊い命が奪われていったのか、、、

今、私たちに出来ることは何か???
一刻も早いイラクの安寧を保障するためには、
「武力は必要ない」ということの確認と実行ではないかと思います。
アメリカ国内でも兵士帰還を望む声が、日々大きくなっています。
日本でも自衛隊の皆さんが無事で、一刻も早く帰ってこられる事を祈っています。
そして、イラクの国の再建には、国連がしっかりと指導していくしか方法はないと思うのですが。
いずれにしても、
いずれにしても、
これ以上、犠牲者が増えることのないことを願ってやみません。

なお、この記事と同時に、以前書いた何故 私がイラク戦争は間違いだったのでは、と思うかも、ご覧ください。

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コメント

 最後のブレアの言葉にあった、「世論を作り上げること」ってのは、世論が力をもつ民主主義社会で権力者がよくやる世論操作。権力者にしかできない一種の力技ですね。 憲法改正の賛否など、世論調査結果の推移などを見ていると悲しくなってきます。

 世論調査で圧倒的に反対が多くても、「粘り強く理解を得る努力をしていきたい」かなんか言って、既成事実を積み上げ、気がつけばポイント・オブ・ノーリターンを過ぎている。国民にはあきらめと現状追認の気分が生まれ、世論調査の結果もそれを反映し始める。

投稿: Rough Tone | 2005.06.24 15:37

Rough Toneさん。
こんにちは。
コメント、トラックバック有り難うございます。
こちらで全部書かせていただく失礼をお詫びして、、、

ウルグ・ベク のエントリー素敵でした。
とても貴方らしい きめの細かい行き届いた文と、
ロマン溢れるダイナミックな世界に、思わず私も中世のチムール帝国に入っていきました。
私はこの頃バルカン半島に興味があって、塩野さんの「コンスタンティノープルの陥落」などを読んでいます。
今まであまり歴史は知らなかったのですが、勉強すると面白いですね、、、、
昔の人々の息づかいが聞こえてくるようです。
また、色々教えて下さいね。

さてさて、
イラク。
まぁ、こんなメモが出てきました。
この大うそに巻き込まれ亡くなった人々のことを思うと声もありません。
そして、今何を為すべきか、、、
深く自分に問う事が、今の時代を生きている者の責任なのではと、思います。
再びこの様な誤りがないようにと祈りながら、、、

これから、季節が変わりやすく気温も高くなったり低かったり。
身体の壊しやすい時期故、どうぞご自愛ください。
では、また。

投稿: せとともこ | 2005.06.24 15:55

 次の波を考えると、他国の事に拘わってはいられないのです。巨額の派遣費を出して兵を危険にさらして、自国の財政はどうなっているというのですか。呆れて物も言えません。こんな呑気な事をやっていられるのは、今年、来年くらいのもの、もう増税案などその兆候は現れて来ていますが、2007年頃はさてさてどうなっている事やら、ご愁傷様。

投稿: hitoriyogari | 2005.06.24 16:46

hitoriyogariさん。
こんにちは。
コメント有り難うございます。
本当に仰るとおりですよね。
海外派兵に多額の税金を払って国民には負担を強いて(^^;
hitoriyogariさんの辛口エッセーにも書かれていたように大きな波がザッブンコとやってきて、ほとんどが飲みこまれるのでしょうか?
助かるのは高台にいる金持ちばかりかぁ、、、
あああ〜〜〜〜
まぁ、そうはいわずポジティブシンキング、、、でいきますか。はぁ。
と、いうわけで、またこれからもいろいろお教えくださいね。
そろそろ七夕。
何を祈ろうか???
では、またね。

投稿: せとともこ | 2005.06.26 15:49

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http://ts.way-nifty.com/makura/2005/06/post_5c86.htmlへのTBです。  ニュールンベルグ判決を引用しつつ、それを否定した不思議な論理構成だ。ナチス・ドイツは人道犯罪と平和に対する罪で裁かれたが、ドイツがその国家犯罪を開始して時点で、国際法はその犯罪を明確に規定していたわけではない。いわゆる事後法の疑問は、いまだに残るのだが、それを否定しては連合国の懲罰戦争の論理は成立たない。  戦後、この疑問を解消する目的で国連憲章に自衛権や集団安保...... [続きを読む]

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