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2005.06.13

従軍慰安婦

官房長官、従軍慰安婦問題「反省変わらず」ということで、今問題になっている
従軍慰安婦。
以前は私も随分、この問題に関しては小説を読んだりいろんな論評を読んで考えていました。
しかし、次第に別のことに関心がいき、遠ざかっていったのです。
NHKと安倍さんの時も、いろんな方のご意見を聞きながらも身近に考えるることは無かったのです。
が、
が、
今回の中山さんの発言はちょっと見過ごせません。
内容と立場と、両方を考えて、、、
「従軍慰安婦という言葉が無かったから、そんな存在はありえない」という旨。
そんなすぐに論破されることを言わない下さい。
あなたは文部科学省の大臣なのだから、、、
言葉があったかどうかではなく、事実はなんであったか、、ではないでしょうか?
言葉の定義は、あとからついてくることは歴史では当たり前です。
「初めに言葉ありき」の方が問題だぁ〜〜〜

と、いうわけで今日は「従軍慰安婦」についてちょっと書きます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いわゆる従軍慰安婦問題について
という外務省の文章からもあきらかなように、
この問題が表面化したのは、1990年。
そして、1991年、韓国女性3人が日本政府にたいして、謝罪と個人補償を求める訴訟をおこしたことで、決定的な問題となり、今に続いています。

上野千鶴子さんは、「ナショナリズムとジェンダー」の中で慰安婦問題を次のように述べています。
〜〜〜〜〜
従軍慰安婦は歴史的事実として知られていた。
しかも多くの兵士たちがその経験を少しの恥の意識も無く記録に残していた。
だが、ほんの最近になるまで、それを「犯罪」として問題化する人がいなかった。
事実はそこにあったが目に見えなかったのである。
つまり歴史にとって存在しなかったも同然である。
(第2章、従軍慰安婦問題をめぐって  p100より)
〜〜〜〜〜〜
そして、なぜこの問題が明らかにされなかったかということを、「性」の問題は恥であり公然と明かすものではないという被害者たちの沈黙の上に加害者たちの犯罪意識の希薄があると述べています。
また、この問題に関しては、なにも日本だけが抱えるものではない。
(古代から世界中の女性は戦争によって、一番大きな性の被害を蒙ってきた)
「慰安婦問題」が突きつける問いは、たんに戦争犯罪ではない。
戦争そのものが犯罪である。
そして罪であることを認識することを強調しています。

一方、自由主義史観の人達が、どの様に言っているかは永井和先生のホームページに詳しく述べられていますので参考にしてください。
上坂冬子さんは、
「何も慰安婦だけが戦争被害者ではなく、もっと悲惨な人は大勢いる。
元慰安婦と名乗る彼女たちが、本当にその後の人生を幸せでいければいいが、そうでない現実を考えると、たんに恥だけが残ったのではないか」という趣旨で慰安婦問題を述べています。

では、私自身の意見はどうか?
と、聞かれるならば、以下のように通一遍のことしか言えない歯がゆさを感じながら、、、
======
「民族や階級を超えて横たわる性の問題は、何も慰安婦だけではない。
現在でも形を変えて、多くの場面で性暴力に晒されている多くの女性がいる。
また、古来より歴史の正史としては登らなかった数多くの事実がある。
ここに、慰安婦と言う言葉がなかった、とか、そんな実証が無いというのは、ごまかしで、(当の本人が本気で、そのような実態が無かったと信じているとは到底思えないが、、、)
それは現実にあった事実であると思う。
そして、過去の問題でなく現在や未来に引き継がれている問題でもある。
いずれが加害者、被害者とか、
どちらが悲惨かと定量化することに問題を限局しないでほしい。
女性にとっても、男性にとってもかかる関係が存在しない社会とはどんなものか?
お互いが敬意と愛情に満ちた社会を後世に贈るためには何を為すべきか?
歴史を語る場合、事実を述べる場合、誰が、どの立場で語るものなのか?
そこを出発点にして、考えていくことが大切ではと、とみに思う。」と。
==========

歴史は語るものによっていろんな事実や正義があると思います。
性、民族、階級を超えて普遍ということは過去にはありませんでした。
未来はどうかは未だわかりませんが、、、
しかし大切なことは、そこから何を学び、未来にどのように活かすかではと考えます。

これに関しては、またいろいろ書いていきたいと思いますが、まずはここまで。

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コメント

 ご無沙汰しております。久々に書き込みいたします。

 たしかに、そのときにその言葉があるかどうかかは、重要ではないですね。
戦国時代の戦いも、後々、XXの戦いというふうに名付けたんでしょうし。
その事実があったかどうかが問題点だと思います。
ただ、従軍慰安婦に何かをするというのは別問題だと思います。
まあ、これ以上はご迷惑になるかもしれないので、書きません。

 どちらにしても、彼のような発言をする人間が文部大臣なのが嘆かわしい。

投稿: sushi | 2005.06.22 10:12

sushi さん。
お久しぶりです。
お元気ですか?
その後、研究は如何ですか???
頑張っていらっしゃる事と思います。
いつまで、そちらにいらっしゃるのでしょうか。
多分、今の日本より住みやすいのでは、と思います(^^;
この頃、こっちは騒々しくなりましたよ(^^;
もう御存知かもしれませんが、サラリーマンの所得控除の廃止や消費税。
また、諸外国との関係など、なかなか慌ただしい国になりました。
国立大学も法人化されて、大学関係者はかなり厳しい研究環境におかれています。夫も科研費集めでヒーコラ言っています(^^;
教育環境も混迷を深めています。
が、そうは言っても逞しく生き抜いていかなければ(^.^)(^.^)(^.^)
お互い、頑張っていきましょうね。
また、研究のことなどお聞かせください。
私も sushi さんのところ、伺いますね。
では、お体大切になさってください。
またね〜〜〜

投稿: せとともこ | 2005.06.22 17:03

 遅レスなので、気が付かれないかもと思いつつコメント。
 お金の面はかなり大変そうに感じます。正直消費税などは増税してもかまわないと思うのですが(ケベックは15%なので)、支出は垂れ流しで、収入を多くするという手法はカナダだと国民のコンセンサスを得にくいと思うのですが、日本人はもんもんとしながらも不思議と納得してますね。

 教育環境は、、、何がしたいのかといった感じですね。まあ、数%のエリートを作って後は愚民にという欧米の方式を取ろうとしているのはわかるのですが、日本人はそれではうまくいかない気がします。
みんながいい教育を受けてこそ、日本のためになると思うんですけどね。

 住みやすいのはどちらでしょうね。
地下鉄やバスも酒屋(こっちは公営)も数ヶ月単位のスト。(ただし、ラッシュ時は臨時便あり。酒屋も数件だけ開店しています。)
道路はガタガタで、治安がいいところはいいけど、悪いところはいつもマリファナのにおい。
消費税は15%だし、所得税は、、、よく知らないなあ。
USに反発しながらも、USの需要を当てにしないといけない国。
日本もカナダも同じですよ。

投稿: sushi | 2005.07.02 07:56

sushi さん。
こんばんは。
日本は今日から始まりました。Jリーグ。
広島は1−1で柏と引き分けでした(^^;
また、心配で、気をもむ時期が始まります。

さて、遅くなりましたが、コメント、トラックバック有り難うございます。
カナダの様子、そうですか、、、
まぁ、いろんな問題をどこも抱えているのですね。
それから、頂いたトラバ、面白かったです。
この問題はまた考えてみます。
では、とりあえず今日はここまで。
何回も書きますが、お体大切に。
じゃ、、、
See you

投稿: せとともこ | 2005.07.02 21:42

 初めまして。
 関連記事を投稿したので、検索からきました。
 
従軍慰安婦問題について意図的と思えるブログが多かった中で、立ち寄りました(笑)

 中庸のスタンスを示されたと見ました。次が期待されます。

 トラックバックします。

投稿: てらまち | 2005.07.03 19:53

てらまちさん。
初めまして。
トラックバック、コメント有り難うございました。
早速、ブログを拝見を致しました。
議員さんでいらっしゃるのですね。
議会の取り組みや、故郷のあれこれがきめ細かく紹介されていて、素人である私にもわかりやすく読ませていただきました。
野菜の写真たちがかわいく、暖炉が嬉しい(^.^)

さて、従軍慰安婦、あるいはそれに伴うあれこれが、だんだんきな臭くなって来ましたね。
戦後60年、私たちの先輩たちが築いてきたものが、ガラガラと音をたてている気がしてなりません。
再び悲劇が繰り返さないように、
次代に平和を渡したいと思うことしきりです。

これからも、また議会でご活躍ください。
また、いろいろお教え下さい。
では、また。

投稿: せとともこ | 2005.07.04 13:53

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