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2005.11.18

フランス暴動 同化と統合

フランスでは、ついに非常事態宣言が出されました。
17日付けのニュースでは「平時に戻る」ということでしたが、本当にそうであることを願っています。
さて、そんな中、
<仏暴動>サルコジ仏内相 人気を盛り返す?というニュースがありました。
はぁ〜〜〜
根本的な解決は何一つみない「力での制圧」が、次への不幸な出来事の引き金にならないことを祈っています。

以前、フランス暴動について書いた時は、
なぁんとなく書いたのですが、
問題がかなり深刻になってきたようなので、
ちょっと私なりに考えてみようと思いました。
そこで、
蘊蓄の深いサイトやブログ、またニュースをいろいろネットサァフィン。
改めて、社会が抱える問題の大きさ、深さを知りました。

外国人、移民を受け入れるとはどう言うことか。
文化の違いをどの様に同化、消化していくのか。
差別や偏見を超えて、新しい社会を生み出すことは可能なのか。

いわゆる「郊外」問題が社会的、政治的な問題として浮かび上がったのは、すでに70年代後半。
石油ショック後の景気低迷で失業問題が悪化し始めてからのことです。
景気が悪くなると、まず一番目に切られる層が移民です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

既にフランスでは19世紀後半から出生率が低下し始め、第一世界大戦以降、人口が著しく減少。
第二次世界大戦後の「栄光の30年」と呼ばれた経済成長期(1945〜75年)には、安価な労働力が必要とされ、スペインやポルトガル、マグレブ(特にアルジェリア)から大量の移民が集まった。彼らの多くは炭坑や自動車工場の労働者として働き、フランスの経済成長を支えてきた。
しかし、オイルショック後の74年、当時のジスカール・デスタン政権は突然、国境の閉鎖と、就労を目的とする移民の受け入れ停止を決定する。その背景には、オイルショックによる経済不況だけでなく、低賃金で過酷な労働条件の職種が外国人労働者の職場として固定化したり、劣悪な環境の住宅や居住地域が形成されたり、さらには自らの権利に目覚めた外国人労働者たちによるストライキ等の労働争議が発生し始めるなど、新たに生まれた社会・経済・政治的問題が存在するとされる。
移民の多くが、職を失い、郊外の低家賃住宅に追いやられました。
海外労働状況より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そして、
「治安重点市街区域」(ZUS)という名の地区が全国に751カ所。
多くがパリやマルセイユなど大都市の郊外に集中していることから「郊外問題」と言われ出したのです。
「統合による同化」を建前としてきたフランス。
「同化」は、政教分離をはじめフランス革命以来の共和制原則を受け入れフランス人になりきること.
「統合」は文化的差異を認め合いながら共生社会をつくりあげることを意味します。
しかし、現実には破綻した経済の前に建前はあさっりと切り捨てられたのでしょうか?
人種差別の問題。
宗教の問題。
フランスの世俗主義はフランス革命以来のカトリックと共和派のたたかいを通じて
「国家と宗教の絶対的分離」として確立。
イスラムでは聖俗分離の観念そのものが存在せず、
また社会的な通年である結婚の形態、一夫一婦制についても違うようです。
「暴動と一夫多妻は無関係」・仏政府報道官
女性の権利についての大きな違いは日本にいる私にでも容易に想像がつきます。
昨年、イスラム女性の象徴であるスカーフを学校で着用することを禁じる法律が成立し、大論議になったのもそのためです。
また個人主義のフランスにあって、
共同体主義のイスラム社会は、フランス社会の異分子だったのでしょうか。

と、いうか社会がうまく回っているときは気がつかなかった齟齬が、
社会、とくに経済がうまく回らなくなった時に、
大きな亀裂として生まれたものだと私は思います。

長い間の歴史の中で、あたかも以前から厳然としてあったように思われる差別や偏見も、
実は新しいものであると私は思います。
そもそも、都合のいいときだけ
安価で大量の労働力として移民を使ったその政策の破綻です。
フランス政府は、
今までの「つけ」を返す必要があると私は思うのですが、、、
いずれにしても、
少子化問題を抱える日本にとっても、これは大きな関心事です。
成り行きをしっかりと見守りたいと思います。

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コメント

せとさん おひさしぶりです。

その後いかがですか。
さて、フランスでもドイツでもイギリスでも”人種”というか”階級”というか、そういったことに絡んだ非常に複雑な問題の”根の深さ”が露呈してきましたが、この問題については”答え”が書かれています…
『信のたわむれ』です! もっとも、これを本当に理解するにはそれなりに非常に深く長い”思想遍歴”が必要になりますが…
以上です、またお伺いします。

投稿: モツニ | 2005.11.19 09:56

モツニさん。
こんにちは。
コメント有り難うございます。

>『信のたわむれ』です!

ああ なぁんて貴方らしい言葉でしょう。
鋭くて賢くてズバリと本質を突くモツニさんらしい。
先日も、我が子とあなたのブログ、読んでいました。
ニーチェを読んでいるみたいで、
なぁんか楽しく拝見いたしました。
あの孤独で、得難き天才。
に、
似た感性のモツニさんのまえで
私はひたすらため息をついています。
いえね。
実は、自分の記事にあなたのブログを紹介させていただこうと思いながら、
どのように書いたらいいのか悩んでいたのです。
あなたの感性、知性、そして狂気。

そんな折、またコメント頂けて嬉しく思っています。
私が私の中で消化、昇華いたしましたら、また書かせて下さい。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2005.11.19 15:59

お返事ありがとう。

早速のお返事ありがとう。
ブログの本当の素晴らしさは”10年”、”20年”と地道に”持続させることです!”。ですから、どうぞ”せとともこ先生”もそのようになさってください。焦らず、媚びらず、力まず、惰性化せず…

投稿: モツニ | 2005.11.20 08:57

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