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2006.01.28

ハマス

パレスチナ評議会選挙で第一党となったイスラム原理主義組織ハマス
イスラエルをはじめとして国際社会から警戒の声があがっています。
何故?
理由は、
組織の綱領に“イスラエル抹殺”を掲げ、長く自爆テロを含む武装抵抗路線を進めてきたことにあります。
創始者のヤシン氏がイスラエル軍に殺害されたこともあり、ますます中東和平は混迷の一途をたどりました。
ハマスと言えば自爆テロのイメージがあり、
国際社会から警戒を持って見られていた組織ですが、
実は国内的には多くの人々の心を捉える地道な活動を行っていたのです。
ちょっと長いですが、上記のサイトを引用。
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パレスチナ解放運動を「世俗」、つまり民族主義の立場からアプローチする代表がアラファト議長なら、イスラムという「宗教」からアプローチする代表がハマスのヤシン師だったのですね。ハマスは、PLO(パレスチナ解放機構)とは直接の関係はありません。独自にできた組織です。

 くわしくいうと、エジプトで始まったイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」(ムスリム=イスラム教徒)でガザ地区(現在のパレスチナ暫定自治区、下地図参照)のリーダーだったのがヤシン師です。ガザ地区は、今はパレスチナ自治区とされていますが、1967年の第3次中東戦争でイスラエルに占領されるまで、エジプトの領土だったのですね。イスラム原理主義とは、「イスラム教の教えに忠実な生活・政治・社会をめざそう」とする考え方です。

 4次にわたる中東戦争におけるアラブ諸国の敗北、そしてイスラエルのレバノン侵攻などによって固定化されつつあったイスラエルのパレスチナ支配に対し、1987年、パレスチナ人の民衆蜂起的、自然発生的な抵抗運動「インティファーダ」が始まったときに、政治部門としてハマスが独立し、ヤシン師が指導者となったのですね。

 つまり、1960年代以降、イスラム教とは関係なく民族主義的なところから解放運動をはじめたPLOと違い、ハマスはイスラム教の原点に帰ろうという原理主義運動から生まれ、イスラム教にもとづいた活動をしようとはじめたのですね。パレスチナ解放、という目的は一緒なものの、PLOは世俗的(非宗教的)に、ハマスは宗教的に、活動をしてきた組織なわけです。

 ハマスはモスク(イスラム寺院)を拠点に活動を行い、教育や医療などの社会福祉運動を展開して人びとから支持されてきました。と、同時にテロ活動も行うようになり、数々の自爆テロをイスラエルで展開し、イスラエル人に対する抵抗活動を行ってきたのでした。

 そして1990年代以降、冷戦が終結し、社会主義勢力からの援助が途絶え、どうしようもなくなってイスラエルとの和平への道を模索しはじめたPLOにかわって、ハマスが対イスラエルの抵抗運動の矢面にたつようになり、多くの人びとの支持を受けるようになってきたのですね。

 イスラエルと和平の道を選んだPLOに対し、ハマスはイスラエル国家そのものを否定します。和平もありえない。ありえるのはイスラエルを消滅させ、そこにパレスチナ国家を建設すること。こういった主張が、イスラエルの過酷な支配に対し絶望に瀕しているパレスチナ民衆に、大きなインパクトを与えてきたのです。
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イスラエルを支持しているアメリカとの対立から、
ハマスはテロ集団のように思われていますが、
その活動はパレスチナ民衆とともにある一面も見なければなりません。
この十年間自治政府を担当してきたファタハが敗北し、ハマスが躍進したのは何故か?
背景には、パレスチナ人を覆う極めて深刻な閉塞状況への不満がありました。
国民の生活苦があげられます。
イスラエルによる軍事占領と弾圧、暴力の応酬のなかでインフラは破壊され、ガザでは住民の過半数が失業し、7割が貧困ライン以下の生活を強いられています。
一方、自治政府を運営してきたファタハのなかに生まれた官僚主義や腐敗がうまれてきました。

人々にとって大切なことは何か?
それは安全で平和で、
そして日々の暮らしに困らない生活の保障です。
貧困対策や医療事業を展開し、特にガザ地区には病院、孤児院、幼稚園、小学校、大学などがあり、対イスラエル闘争での死亡者の家族らを支援してきたハマスに多くのパレスチナの人々の信頼が寄せられたのは当然です。
ハマス自身も変わりました。
10年前の評議会選挙はボイコットしましたが、
今回は参加。
その理由は「社会にまん延する腐敗を終わらせるため」ということで、
イスラエルへの反発以外にも、ファタハの汚職体質を厳しく追及するためでした。
今回の選挙結果が意味することは重大です。
欧州連合も、この結果には衝撃しながらも、一面では評価しています。
テロを排除し、イスラエルとの共存を強く望み、パレスチナへの経済援助を継続すると宣言。
一方アメリカはいまだ頑なに認めようとはしていません。
イスラエルと米ブッシュ政権は何をしてきたか?
この間、和平交渉再開の必要性をのべながら、過激派組織の武装解除をはかったのは誰か。
イスラエル軍は占領地で凶暴な軍事作戦を展開。さらに、ヨルダン川西岸の大規模入植地を維持・強化し、パレスチナ人の土地と財産を奪う分離壁の建設を急ぐなど反和平の動きを強め、米政府もこれを黙認してきた事は誰もが知ることです。

そしてイスラエル軍と入植者は昨年夏にガザ地区から撤退しましたが、住民は幸せになったか?
住民の移動の自由確保ではわずかな進展しかなく、経済は最悪のまま。
ガザ地区北部には「緩衝地帯」を設置し「再占領への一歩」と呼ばれるような状況さえ作ったことを以前ここで書きました。

アメリカ政府の今後の出方に注目しながらも、
パレスチナの人々とイスラエルの人々が本当に共存共栄していくことが出来ることを祈っています。
今後の動きから目が離せません。

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