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2006.01.25

死んだ男の残したものは

♪死んだ男の残したものは

死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった

死んだ女の残したものは
しおれた花とひとりの子ども
他には何も残さなかった
着もの一枚残さなかった

死んだ子どもの残したものは
ねじれた脚と乾いた涙
他には何も残さなかった
思い出ひとつ残さなかった

死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった

死んだかれらの残したものは
生きてるわたし生きてるあなた
他には誰も残っていない
他には誰も残っていない


死んだ歴史の残したものは
輝く今日とまた来る明日
他には何も残っていない
他には何も残っていない


谷川俊太郎作詞・武満徹作曲

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
U.S. Army raises maximum age for enlistmentによれば、アメリカでは新兵の数が圧倒的に不足しているそうです。

「新兵募集が陸軍の負担の尺度ではない」と述べるのは、国防総省で記者会見したハービー陸軍長官。
前会計年度は8万人の新兵募集目標に対して7万3000人どまり。
本年度はこれまでのところ目標をなんとか上回りそうなもの1999年以来の低い水準。
そこで一計を投じたのが再入隊。
最高4万ドルの「入隊ボーナス」や初めての住宅購入時の頭金補助。
また除隊兵も増加。
「二〇〇〇年以来、国防総省は兵員の給与を23%増額。
再入隊ボーナス引き上げ。
軍の健康保険はほぼ無料。
基地内の住宅は改修。
基地外に住む場合も資金援助。


苦肉の策が功を奏して、
今、再入隊や除隊兵も増加しているようですが、
しかし、この厚遇もいつまで続くか懸念されています。

そりゃ、そうですよね、、、
命を張って戦場に赴く兵士のことを思えば、
若者たちが簡単に志願するとは考えることはできません。
我が身に引き当てるなら、
そもそも戦争ってなんだろう、、、と疑問に思い、躊躇するのはごく自然な人の情です。

なんの罪もない人々が、突然、死に追いやられる。
男は、
女は、
子どもは、
何一つ残すことなく死んでしまった。
そして、戦をした兵士たちは何を残したか?
それは、
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった、、、

さらに、さらに残った私たちがするべきことは何か???
谷川さんのドキッとする題名の詩。
「死んだ男の残したものは」
を改めて読みながら、この記事を書きました。
しんしんと怖さが伝わります。
静かに人の死を悼み、
そして、激しく告発しているこの詩を読み直すと、
改めて、
あらためて、
人間の尊厳を思うのです。
人は、
生まれたからには、
人として、誇り高く生きる権利を持っているものと私は信じています。

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コメント

>しんしんと怖さが伝わります。
私もビシバシ怖さが伝わってきました。

私のブログで、一部、ご紹介させていただきました。いつも拝見させていただいていて、合点の行くことばかりですが、特に心に響いたので。

投稿: レッツら | 2006.01.26 22:09

レッツらさん。
こんにちは。

リンク、有り難うございました。
とても嬉しく拝見をいたしました。

谷川さんにしてはすごく怖いこの詩。
ちょっと戸惑いながらも載せました。
今、平和が危ないと叫んでいる私は、
「戦の当事者」にはなりたくないと常に思っています。
殺すことも殺されることも、ノーです。
そして、それは私だけでなく、
全ての人にも当事者になってもらいたくない、
してはならない。
と、強く思っています。

これからもお互いに、書き続けていきましょうね!!!
改めて、
よろしく!!!

投稿: せとともこ | 2006.01.27 11:26

瀬戸様。

べつの記事にTBとコメントをつけたTANNです。

瀬戸様の他の記事がどんなだろうと思って、覗かせていただきましたら、『死んだ男の残したものは』という記事がありましたので、気になりました。

瀬戸様が掲載された詩と同じだろうと思いますが、高石ともやさんが歌っていて、昔(多分20年以上まえ)に生で聞いた記憶があります。 気になったので、Amazonで何かのCDに入っているかなと思い、探してみたら『坊や大きくならないで  高石友也』に入っていました。 残念ながら、Amazonでは売り切れになっていましたが。

半分懐かしく、半分重く感じてコメントさせて頂いた次第です。

投稿: TANN | 2006.01.31 21:26

TANN さん。
こんばんは。
コメント有り難うございました。

そうですか、、、、
高石ともやさんですか。
私も「坊や大きくならないで 」は聴いたことがあります。
深い味わいがあります。


「死んだ男の残したものは」
の曲は、合唱曲で、今練習しようかと相談しているところです。
たまたま、
米軍の記事を読んで、なんとなくあの詩が頭に浮かびました。
仰るように、
>半分懐かしく、半分重く

ですね、、、
戦争の実態を直視することは辛い。
しかし、見ていかなければと思います。
これからも、また色々お教え下さいね。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2006.02.01 21:07

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