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2006.02.14

神話を読みとく

一般に私たちが「日本の神話」と言うとき、
真っ先に思うのは古事記であり、日本書紀です。
漠然と一体になっていて、その違いが明らかでないまま、
「神話」と位置づけられた記紀。
しかし、
この二つは共通な部分もさる事ながら、
大きな違いが沢山あります。
古事記と日本書紀はどう違うかと言うサイトを見ると、記紀の違いがよく分かりますので、興味のある方は是非ご覧ください。
神野志隆光さんの
古事記と日本書紀では、
この二つは全く違った物語から成り立っていると述べられています。
神野志氏は「古事記と日本書紀」の最後の章、〜〜近代国家における”古事記””日本書紀”〜〜で次のように言う。
「アマテラス、スサノオ、オオクニヌシを三機能と言うようなもので構造化できないことはスサノオが追放され、アマテラスとあいまって支配者的機能をになうことにはならないのは明らかである。
構造論のように見えて、実は記紀のそれぞれに即して読むことは回避したまま、記紀の神話的物語をようそうに分解し、その要素を三機能にあうように再構成してしまったものである。まさに作り出された三機能体形である。それは新しい神話作りだと言うべきである。”日本神話”の現代的ファッションなのである」と。
そしてさらに続ける。
「”日本神話”のパラダイムはなお生きている。、、、、」
この後は神野志氏の”神話”との関わり方が述べられています。
本当に記紀、そのものの「声なき声」を読み説く作業を後にして、
その時々の時代の要請に応えたのが「神話」である、と著者は言う。
そして、古事記伝の作者、本居宣長を一本の縦糸にして、
宣長に始まり、宣長に終わって、現代の私たちに改めて、
「神話とは何か?」を問いかけます。
なんのはからいもなく、「神話」そのものを読みとるように、と書き綴った宣長の精神を今に伝えています。
時の権力者によって縦横に書き換えられる、
解釈されることのない素の書物を読み取ることが大切です。
私たちが生きている21世紀。
科学は人類を月まで飛ばし、さらに遠く涯を求めて飛んでいく今日、
私たちは明日だけを見ているだろうか?
答えはノーです。
私たちはいつでも先祖を感じ、
脈々と続いてきた歴史の中で生きています。
この土地に遥か昔に立ったであろう古代の人々に熱く思いを寄せます。
神話は生きている、今もなお、、、
だからこそ、
そうだからこそ、
私たちは、「神話」を正しく理解することの大切さを思うのです。
「あるがまま」に書物を受け入れる、学ぶことが必要です。
その時々の人々によって解釈が加えられることなく、
「古事記」を読む。
「日本書紀」を繙く。
そして、赤き血燃えていた古代の人々の思いを「そのまま知る」こと、
さらに、古事記から日本書紀への変容がなぜ、どのような思惑で行われたか?
などなどを一切の偏見なしに「学問」として理解する態度こそが、
今生きている私たちの指針になることではと考えます。
それぞれの立場で、
それぞれの意見がある皇室典範。
そして、いずれの立場の人からもその主張の根拠となる「万世一系」。
しかし、私たちはこのような言葉はよく聞くが、
その真の意味を知っているだろうか?
感情として、
受け入れる、排除するというのは、お互いの立場として正しくはありません。

こうした時期だからこそ、
まずは、ただひたすらに「古事記」「日本書紀」を読むことが必要なのか、
と思っている私です。
まずは、その一歩から踏み出すことで、
覆い隠されていた何か、
見えなかった何かが明らかになるかもしれない。
いずれにしても、
いずれにしても、
遠い私たちの祖先に敬意を表しながら、
古事記、そのものを「音」として読み、
「心」を知りたい、と思うのです。

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コメント

TBありがとうございます。

投稿: かぜ | 2006.02.14 20:05

 エジプト神話もそうなんですが、神話を語る上では時の権力者を無視しては話せないものなんですよねぇ。まことにロマンの無いことですけれど。
 僕の聞いた話では、世界でも珍しい女性太陽神である日本神話の「アマテラス」。彼女、元々は男性の神さまだったとか。それが編纂された当時の思想(おそらくは女性天皇の神格化だろうとか言われてます)によって女性に変わっちゃったらしいです。

 僕も原文じゃないけれど読みました。
 感想は、物語が最初に持っていたナマの感情が、はたしてどれだけ残っているのかなって感じでしたね。読んでるとどうしても「政治のにおい」を感じちゃうんですよ。だってオオクニヌシ(童話「因幡の白兎」で兎を助けたイケメン兄ちゃんね)なんて支配された国の元王族そのままな感じでむちゃくちゃかわいそうですからね。思わず応援しちゃいました。

 んま、これも読んだからこそ感想が言えるわけで。
 一般的な解説に身をゆだね、それで満足してたらダメですよね。
 世の中で「常識」と言われていることが、自分で調べてみたらまったく逆に思える、ってこともたくさんありますから。まずは自分が知らないと話になりません。

 知らないといえば。
 国会中継をとか見てて思うのですが、世の中には自分は知らないくせにナンダカンダと議論する先生方の多いこと(笑)。

投稿: ろぷ | 2006.02.20 07:14

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受信: 2006.02.19 18:22

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