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2006.02.06

「憲法改正国民投票法案」その2

何故いま?「憲法改正国民投票法案」の続き。

は、法案の内容はどんなものでしょうか。
しっかりと見ていきましょう。

与野党の国会議員約300人で作る 「憲法調査推進議員連盟」(改憲議連)が2001年11月、改憲発議のための「国会法改正案」と、 約60ページもの「憲法改正国民投票法案要綱」を発表。

まず大きな問題は、
〜〜改憲議連の「国会法改正案」は、改憲案を提出するには「衆議院で100人以 上、参議院で50人以上の賛成を要する」(修正動議の提出も同数が必要)〜〜ということで、
改憲案を提出できるのは多数政党のみです。
因みに、
一般の法案提出は20人(参院は10人)、予算をともなう法案は50人(同20人)の賛成が必要。ということで実際の議員構成からみると、改憲案や修正案 を出せるのは自民党と民主党だけです。他の少数政党は改憲案/修正案に対し、議席に応じた時間 だけ質疑し、あとは採決で賛否の投票をするだけです。

さらに問題は 憲法96条
〜〜〜〜〜〜〜
 
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の 2以上の賛成で」国会が発議すると定めています。つまり、衆議院が賛成しても参議院が否決したら改 憲案は廃案になるというのが本来の意味です。
ところが改憲議連の法案では、A議院が採択した改憲案をB議院が 否決しても、B議院の修正案をA議院が否決しても、「両院協議会」を開くことができると言うことにしました。
これは憲法59条違反です。
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第59条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
〜〜〜〜〜〜〜〜
つまり、「法律案」について衆参両院の議決が異なったときは、衆議院が3分の2以上で再議決 して成立させるか、両院協議会を求めることができるとしています。
しかしここで言う法案は改憲案ではありません。もし国会法の手続きを改憲案に適用するなら、両院協議会が3分の 2以上で採択した法案は修正できず、今度は両院の過半数で成立することになり、憲法96条の「総議員 の3分の2以上」という規定からもずれてしまいます。


さらに問題は続く。
〜〜〜〜〜

国民投票は、国会が憲法改正を発議した日から起算して60日以後90日以内において内閣が定める期日に行うものとすること。ただし、国政選挙の期日その他の特定の期日に行う旨の国会の議決がある場合には、当該期日に行うものとすること。

内閣は、少なくとも国民投票の期日の20日(衆議院議員の総選挙の期日に行う場合にあっては12日、参議院議員の通常選挙の期日に行う場合にあっては17日)前に、国民投票の期日及び内閣に送付された憲法改正案を官報で告示しなければならないものとすること。
?
国民投票の期日を憲法改正の発議後何日以内にするか、また、告示をいつまでに行うかは、周知期間をどの程度とるべきかという判断とリンクしている。
国民に憲法改正についての周知を徹底させるためには、十分な期間が必要であるが、あまり、期間が長いと逆に関心が薄れるおそれもある。そこで、本法案では、両方の要請の調和点として上記の日数を設定した。
ちなみに、昭和28年の自治庁案では、発議後35〜90日の間に国民投票を行い、投票期日の25日以前に告示を行うこととなっていた。
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発議から60〜90日で投票という短期決戦 国民投票は、国会発議から「60日以後、90日以 内」または「国政選挙の日や国会が議決した日」に行うということ。
2〜3カ月でどれだけの人が改 憲案の内容を知り、是非を判断できるでしょうか。
日本の根幹をなす憲法を十分な議論、討論、精査する時間もなく結論を出すということです。
これは危ない。
絶対いけない。
そもそも、自民党が現憲法を「十分な議論をせずに作成」したと言うことで「見直し」提案しているのなら、
もっと、もっと議論すべきです。
時間をかけるべきです。

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