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2006.03.08

沖縄密約 その2

2002年6月28日の毎日新聞に詳しく沖縄密約が書いてあります。
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沖縄返還:米公文書「密約」明記 日本が400万ドル肩代わり  
 沖縄返還(72年5月)をめぐる交渉で、米国が本来支払うべき土地の復元補償費400万ドルを日本が肩代わりすることになった問題を「日米間の密約」と明記した米政府の公文書を、毎日新聞は27日、米国立公文書館で入手した。文書は、日本政府が米政府に密約の存在を否定するよう求めていたことも明記している。米側は「我々は密約を認めることを回避するために最善を尽くす」と結論づけ、密約をめぐる日米間の口裏合わせの実態も浮き彫りになった。

 公文書は「外務省密約事件」直後の72年6月のキッシンジャー大統領補佐官来日に際し、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)が、キッシンジャー氏に日本の政治情勢を説明し、日本で密約問題が話題になった場合の応答資料として作成した。米公文書館が保管し、秘密指定が解除されたニクソン政権関連の公文書の一部で、「密約」は「confidentiality」または「classifiedunderstanding」と表記。文書は復元補償費400万ドルについて日本が返還に伴って米国側に支払う3億1600万ドルに上乗せしたと説明、「日本政府が神経をとがらせているのは400万ドルという数字と、この問題に関する日米間の密約が公にならないようにすることだ」と指摘した。

 日本政府の立場を「いかなる密約の存在も、米政府へのいかなる資金提供も否定し、我々(米政府)に報道機関の追及には同じように対応するように求めている」と紹介している。米議会や米国内の報道機関の追及を受けた場合は「密約の存在を認めざるを得ないかもしれない」としつつも、「当面はいかなる形でも400万ドルという数字を公にしないことで日本政府と合意した」と明示している。

 外務省密約事件にも触れて「公電を漏えいした外務省の既婚女性事務官と、公電の内容を暴露した毎日新聞記者との個人的関係が発覚すると、野党は追及をやめてしまった」と分析している。

 沖縄返還協定は第4条で、米軍が占領中に損害を与えた沖縄県民の土地に関する復元補償費400万ドルは米側が自発的に支払うと規定され、第7条では対米支払い3億2000万ドルには含まないことになっていた。

真実を言うべき
 沖縄返還問題にくわしい我部政明・琉球大教授の話 日本が400万ドルの肩代わりを米側に秘密にしてほしいと依頼していたことと、それに対して米政府がOKしたうえで努力する立場を示していたことが新しい事実で、興味深い。両国間に400万ドルの肩代わりを秘密にしようという了解が存在していたことが明確になった。ただ、400万ドルは沖縄県民が受け取っており、国民にとっては不利益ではない。そろそろ日本政府は本当のことを言ってもいいはずだ。他にも密約があり、いろんなところに飛び火することを恐れているのではないか。

「密約一切ない」福田官房長官(?)
 福田康夫官房長官は27日の記者会見で、米政府の公文書について「二十何年前に話題になり、(政府は)国会などで繰り返し答弁してきたが、原状回復の費用を日本側が負担するという密約は一切ない」と述べ、従来の政府見解を繰り返した。さらに「どういう公文書かをよく調べて返事をする。しかし、わが国の事実関係としてはそういうことはしていない」と語った。

 外務省密約事件
 沖縄返還交渉で日米間に米側が負担すべき400万ドルを日本側が肩代わりする密約があり、毎日新聞政治部の西山太吉記者が71年5、6月、これを前提としたやり取りを含む極秘電信文3通を入手、一部を報道した。電信文コピーを受け取った社会党の横路孝弘議員が72年3月の衆院予算委員会で政府を追及した。

 外務省がコピーの流出ルートを調査し、同省女性事務官が親しい関係にあった西山記者に渡していたことが分かった。警視庁は同年4月、西山記者と事務官を国家公務員法違反容疑で逮捕し、東京地検が起訴した。

 東京地裁は74年1月、元事務官を有罪(控訴せず確定)とし、西山被告は「取材行為は正当」と無罪を言い渡した。西山被告について東京高裁は76年7月、1審判決を破棄し、「被告の行為はそそのかしにあたる」と懲役4月、執行猶予1年の有罪判決。最高裁は78年6月、「正当な取材活動の範囲を逸脱している」と上告を棄却し、西山元記者の有罪が確定した。
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さらに毎日新聞は続く。

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沖縄返還:米公文書の要旨
 米国家安全保障局(NSA)が72年にキッシンジャー大統領補佐官(当時)にあてた沖縄返還にかかわる日米両政府間の密約についての文書(日本語訳)の要旨は次の通り。

 【沖縄返還 大混乱】
 5月15日の返還式典で、琉球諸島の日本への施政権返還という沖縄県民と日本国民の長年の悲願がかない、第二次世界大戦後の日米間の最後の大きな懸案が解決した。しかし、返還は在沖米軍と約100万人の沖縄県民の間に現在存在する問題を解決するものではない。これらの問題には長年にわたるものもあれば、日米の施政返還協定作成交渉の直接の結果として生まれたものもある。

 主な問題は、米政府に対する沖縄住民の賠償請求、核兵器撤去の声明、那覇空軍基地からの米軍機の撤去、VOA(Voice of America)中継基地問題の四つである。

 日本の指導者たちは、それらのいくつかをあなたに提起するかもしれない。特に最初の三つの問題は、過去半年間、佐藤政権に対する野党の攻撃材料だったからだ。

 【米政府に対する復元補償請求】
 1 背景
 日本政府は返還交渉の中で、50年7月以前に米軍によって損傷を受け、61年7月以降に返された沖縄の土地の復元補償をすべきだと主張した。米政府は、61年以前に返した土地の所有者にはすでに補償したとして拒否した。米議会には65年、これ以上の補償金支出は求めないと説明した。

 しかし、日本政府は、もし米国が自発的支払いとして処理するなら、未解決の賠償請求(推定400万ドル以下)について日本側が提供することを申し出た。この金額は、返還に伴い米側に支払うことに合意した3億1600万ドルに追加された。

 日本政府が神経をとがらせているのは、400万ドルという数字と、この問題に対する日米間の密約が公にならないようにすることだ。公になれば、米政府の支払うべきものを日本政府が肩代わりしていると、野党が追及するからだ。

 しかし、密約は3月に外務省の公電が漏えいしたことで暴露された。漏えい問題は、国会と日本の報道機関で「知る権利」をめぐる論争を引き起こしたが、公電を漏えいした外務省の既婚の女性事務官と、公電の内容を暴露した毎日新聞記者の個人的関係が発覚すると野党は追及をやめてしまった。

 2 日本の立場
 この問題に対する日本政府の姿勢は、米政府とのいかなる密約の存在も、米政府へのいかなる資金提供もきっぱりと否定することである。日本政府は、我々(米政府)に報道機関の追及には同じように対応するように求めている。

 3 米国が取るべき立場
 我々は、返還交渉の中で、日本政府がこの問題で弱い立場にあることを理解し、我々の側の情報漏えいがないよう最大限の努力をすることを日本政府に約束してきた。我々は、上院の公聴会で、補償の処理が密約事項であると説明しているが、この問題が議会や報道機関の追及を受けることになれば、補償額が400万ドルを超えないと認めざるを得ないかもしれない。同時にこの問題で密約が存在することも認めざるを得ないかもしれない。

 我々は、少なくとも当面は、いかなる形でも400万ドルという数字を公にしないということで日本政府と合意している。

 我々が公にしているのは、返還協定の下、50年以前に損害を受け61年以降に返された土地の原状回復補償の自発的支払いを含め、何らかの補償をすることで合意していることだ。我々は、この補償の支払いは日本政府から受け取った3億2000万ドルから充てるのが適当と考えている。自発的支払いの補償額を推測するのは適当ではない。

 【論点】
 もし日本政府が400万ドルについて全面否定するよう求めてきたら、以下を指摘すればいい。

・少なくとも当面は、400万ドルの数字は明らかにしない。3億2000万ドルが自発的支払いの補償を含めた返還に伴う諸経費に十分であると言うにとどめる。

・報道機関がこの問題を本格追及し始めたら、補償問題の密約の存在を否定し続けるという日本の姿勢と同じ立場を取ることはできなくなるかもしれない。しかし、密約を認めることを回避するために最善を尽くす。

・結論として我々は、返還協定では秘密合意は存在しないが、協定条項の交渉では非公式合意もありうる、とのロジャーズ国務長官の公聴会での発言に従うよう努力する。

・あなたは、日本ではこの問題について公式発言するのは避けるべきだ。

[毎日新聞6月28日] ( 2002-06-28-03:01 )

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