一流とは
「目から鱗」のブログと言うのがあります。
私にとって、その一つに数学屋のメガネの秀さんのブログがあります。
ここでは、「仮説実験授業」や「論理的な文の書き方」「誤読」などなど興味ある内容が鏤められていて私はいつも勉強させていただいています。
そんな中で先日、「一流の学者と二流の学者をどこで区別するか」と言うエントリーがありました。
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一流と二流の差は、対象の本質という難しさを明確に表現することによって単純化しているのか、元々対象に属している単純な部分を、単純なそのままに表現して単純化しているかが違うのではないだろうか。
(数学屋のメガネより)
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そして秀さんが思われる一流の人たちが書かれています。
なるほど、、、
実に単純で明解です。
「真実は美しく単純」と言うことでしょうか???
私は先日、「ソプラノリサイタル」に行ってきました。
コーラスの先生の師と言うことで大先生です。
年齢は70歳を出ているのに、その張りのある声、堂々とした雰囲気、
伝わる波長は本物でした。
ものすごく高い音を何の苦もなくラクラクと歌うのです。
顔色一つ変えずに。
出している声は小い。
しかし会場中に響くのです。
張りがあり、まろやかで温かな歌が胸に直撃!!!
素敵でした。
「鍛えるとはあんなことなのか、、、」と思いました。
歌う以外の時でも一瞬、一瞬にも気を配り、神経を使って、
ご自分を「楽器」にしているそうです。
いつもボツ〜〜〜としていて、寝転がっている私には絶対無理です。
ねぇ。
ああ、、、自分のダミ声が恨めしい〜〜〜
修行していないから当然かぁーーー
さて、今日は今日で太極拳に行きました。
その時も先生が、ご自分の先生のお話をして下さいました。
「凄いお年なのに、ここまで足をらくらくと上げるのよ、、しかも上げる度に音がピシピシと聞こえるの。もうゴッツイ体しているのだけれど、すごく柔らかくて、しなやか。
気をいっぱい出しているってこんなことだとわかるの。
ご一緒しただけで、良い気持になれる凄い先生なんだよ。
でも、凄く鍛えていらっしゃるの。ご自分は。
丹田、丹田といつもどこでも丹田を心しているんだよね、、、、」
とかとかお話下さいました。
なるほど。
一流とはこうしたものか、と思った私です。
鍛えて、鍛えて、鍛えて、
その結果は、
「けれんみがない」というか自然体というか、、、
しかし、その奥は深い。
深いからこそ「単純に明らか」。
なかなか極めることは出来そうにもありませんが、思いだけはそんな自分でありたい。
真実はわかりやすく美しいことをもう一度胸に抱きながら、、、
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コメント
エントリーで取り上げていただきありがとうございます。僕は、一流性の問題は、まず技術の問題ではないかと思っています。
僕のオヤジは海軍の軍楽隊でトランペットを学び、戦後まもなくジャズから入って音楽家になった人間でした。オヤジは、いわゆる有名な音楽家ではありませんが、その技術は一流のものだったと尊敬しています。
オヤジは、本番では一度もミスをしたことがないというのが自慢のプロ意識の強い人間でした。
僕が一流だと思って尊敬している人たちは、その道の専門家として優れた技術の持ち主たちだと思っています。それなりに自分の方法論というものを持っています。だからこそ弁証法的な思考をそこに見ることが出来るのだと思います。
そして、その上に志が高いのですから、「超一流」と呼んでもいい人たちばかりではないかと思っています。
優れた技術を持っていないと、難しいところをうまくこなせず、どうしても単純で易しいものに流れてしまうのではないかと思います。それでもそれなりに魅力を発揮する才能の持ち主もいますが、魅力だけでは一流とは呼びたくないなという感じがします。やはり技術的な裏付けが欲しいものです。
投稿: 秀 | 2006.04.11 23:39
秀さん。
コメント頂けて嬉しく思っています。
実は昨夜、かなりしつこくトラックバック送ったのですが、届きませんでした。
コメント残そうと思ったのですが、時間も遅くなったので失礼していました。
さてさて、秀さんのお父様。
そうだったのですか!!!
素敵。
ちょっとばかり「クラブ進駐軍」の映画を思い出しました。
本当に仰る通りだと思います。
技術というものは、人に伝えることはできない、まさにプロの真骨頂です。
以前、血液の重さを測っていたことがあるのですが、
手に持っただけで100グラムがわかりました。
それしかできなかった私ですが、確かに一流の○○と言われる人は、その技術は「神業」でした。
そこには勿論、本人の鍛錬、研鑚、努力があることは言うまでもありません。
私たちは、そうした人々への尊敬、敬意を込めて限りない絶賛と一流という冠を贈るのでしょうね。
天才と一流とは明らかに違います。
いずれにしても、一流と言われる方々のその努力の先に、
私たちがいると思いながら、ひたすらに生きていきたい、と願っている私です。
素敵なお父様のお話、ありがとうございました。
どうぞ、お父様お大切に!!!
投稿: せとともこ | 2006.04.12 16:10
一流って、私もやっぱり技術の修練に基づくと思います。私の姉がピアニストだったのですが、若いけど発表会などでは際立っていました。その背景はやっぱり何もかもさておいて打ち込んで練習していたことにあったと思います。自分のしていることを愛していればこそ、納得がいくまで何十回も何百回も同じことを繰り返して練習します。
もちろん、技術だけみたらある程度上手な人はみんな技巧が上手です。だからみんな一応準一流なのでしょうけど、音楽を聴いていてもなぜか感じる生命力のあるなしが準一流と一流の差を作るのかな、と思います。魂がこもっているっていうか。。。
私は絵描きです。独学でガラス絵を描いています。商売にしているわけではなく、私にとっては趣味とも違うのですが、ほとんど売らず、めったに見せず、注文も大抵はお断りします。こんなことじゃいけない、ビジネスにしろ、と後押しをされることもありますが、やっぱり気持ちがのらないのです。
私は自分で描きたいから描いているのですが、売るためにそれほどエネルギーを注がないようにして描くと、すごく後味が悪かったから、もうしたくないのです。ずっといろいろ考えるのですが、本当の自己満足のために全力を尽くす、というのかなあ、姉がしていたように私も練習に練習を重ねようと思います。
そういうことを考えていてブログにも書いてたときにこの記事を読んだのです。私の個人のサイトはこちらです。お暇なときにでもどうぞ。
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=ammolitering
投稿: 葉子 | 2006.04.16 02:49
葉子さん。
おはようございます。
コメントありがとうございました。
早速伺っていたのですが、実は私はサッカーファンで贔屓の広島が最下位。
と言うことで落ち込んでいたのです。
お返事遅くなってゴメンナサイ。
さてさて、それはともかく、
葉子さんのサイト。
実に貴女らしい。
繊細で丁寧でそれでいて大胆。
ガラス細工と向き合う貴女。
一つひとつの工程がいずれ出来上がったときの出来栄えに跳ね返ってくることの怖さと真剣さが、とても伝わりました。
本当に、ほんとうに、、、
全ての事に通じると改めて思いました。
貴女のサイト、彗星とともに今度紹介させてくださいね(^.^)
満天とまではいかないが、キラリと輝く惑星を見ながら、
貴女の事思ったりしています。
では、、、またね。
投稿: せとともこ | 2006.04.18 08:28