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2006.04.23

チェルノブイリから20年

チェルノブイリ原子力発電所事故からもうすぐ20年が経ちます。
1986年4月26日、1時23分(モスクワ時間)のこと。
4号炉が爆発。
〜〜〜〜〜〜〜〜
当時、爆発した4号炉は休止中であった。原子炉が止まった際に備えた実験を行っていたところ、制御不能に陥り、炉心が融解、爆発したとされる。爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に大量に(推定10t前後)放出された。
(上記wikipediaより)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
このときまき散らされた放射性物資は広島型原爆の300〜500発分。
その被害は数百万人。
そして20年経ったいまもなお住民は後遺症で苦しんでいます。
私もこの爆発のことは良く覚えています。
私は当時は東京にいたのですが、実家は日本海側にあるので、
心配していました。
事故後初めての雨には「放射能の雨」ではと心配したものです。
当然、気象庁は成分検査をしっかりやって「大丈夫」と報道したのですが、
やっぱり、気分的には「雨にあたらないでおこう」と思いました。
それは誰もが同じだったようで、放射能に利くという、ヨード卵がバカ売れ。
漢字一文字「○」の文字のラベルが貼られたヨード卵がスーパーにはいっぱい置かれていました。
さて、当時世界中の人々が原発について改めてその危険性を論じ始めた頃、
日本ではどうだったか???
世界との比較で改めて考えてみました。

スリーマイル島(アメリカ、1979年)とチェルノブイリの二大原発事故の教訓をうけて世界は「安全神話」への疑問を発しました。
スリーマイル島の事故調査委員会の報告書では、
「原子力発電所は十分安全だという考えが、いつか確たる信念として根をおろすに至ったという事実がある。…こうした態度を改め、原子力は本来危険をはらんでいる、と口に出していう態度に変えなければならない」と強調。
チェルノブイリ事故後は世界の諸国は「原発は危険なもの」という立場に立ちました。
そして「原子力の安全に関する条約」(1996年発効)を結び、
原子力の推進機関と規制機関を効果的に分離することを各国に義務づけました。推進する側の安全確保だけでは十分な安全確保には至らず、独立した規制機関が必要なことを強調。

日本でも原子力安全委員会があります。
しかし諮問機関であり、認可の権限も補助的なもので、体制も確立していなく、安全確保に十分な機関とはなっていませんでした。

1991年関西電力美浜原発事故
1995年高速増殖炉「もんじゅ」火災事故
1997年東海村再処理工場爆発火災
1999年核燃料工場JCOで臨界事故
2004年美浜原発配管破裂事故
など多くの事故が過去にあり、その教訓も曖昧なまま、青森県六ケ所村の再処理工場の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す試運転の開始。
さらにプルサーマル計画も進められているとのこと。
これについては以前の記事もご覧ください。

エネルギー問題を抱えているのは世界中どこの国も同じです。
多くの国は原子力エネルギーから自然のエネルギーを見直そうとしている今、
日本にあっても、もう一度エネルギー問題を安全と言う視点に立って考え直す時期ではないかと私は思います。

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コメント

はじめまして。ちょうど原発の文章を書いたところだったので、トラックバックさせて頂きました。参考になれば幸いです。ではでは。

投稿: Dora | 2006.04.23 16:44

こんにちは。チェルノブイリから20年経った同じ時に、極端に言えばわざわざそれを再現するような処理施設が稼動するのって、面白い偶然というか何と言うか。。。なんで日本でもっと騒いでないのか不思議です。新聞の一面に毎日でかでかと載っててよさそうなのに。カナダでも全然聞きません。青森の人たちって、早く集団移住したほうがいいと思うんですけど。チェルノブイリの周辺は今も立ち入り禁止です。お年寄りとかは村に戻っている人もいて、政府は黙認してますが、若い人は絶対だめです。

坂本龍一さんのサイトにいろいろ説明してあるので、私もそれで最近初めてしりました。一応毎日朝日新聞のサイトを見ていたので、それまで知らなかったことにびっくりしました。
http://blog.sitesakamoto.com/

投稿: 葉子 | 2006.04.24 02:12

Doraさん。
葉子さん。
こんばんは。
コメントありがとうございました。
日本の報道は、御存知のように、二大政党一辺倒です。
その影で隠れて本当に怖いことが行われ様としているのに、と思うとマスコミの責任の重さ、罪を感じざる負えません。

Doraさん。
トラックバックありがとうございました。
とても丁寧な記事の内容。
良く読ませていただきました。
殆どの人がこの実態、これから起こるであろう事態をしらない、というか知らされていないと考えると、
Doraさんの様な方が熱心に書かれているブログの大切さを思います。
私もこの問題これからも拘っていきますので、どうぞこまたご意見、アドバイス宜しくお願いいたします。


葉子さん。
そうですか、、、カナダもそうですか。
うううう〜〜〜〜んんんですね。
日本はもう国民を「総白痴化」に導き、煽るようなのマスコミの報道が一段と増してきました。
なんだか世の中、あやしくなってくるのでしょうか?
いずれにしても今、生きている私たちの責任を感じます。
これからもお互いに情報交換していきましょうね。
貴女のブログ紹介させていただこうと思いながら、次から次の悪法で、まだ出来ませんが、いずれ必ず。
じゃ、、、またね

投稿: せとともこ | 2006.04.24 20:13

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