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2006.04.04

共謀罪

共謀罪がゾンビのように生きかえる気配が濃くなっています。
後半国会にむけて、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案として提出、継続審議中。
共謀罪とは、
日本の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律6条の2が規定する組織的な犯罪の共謀罪の略称です。
これを新設する法案は、2005年8月8日、多くの反対や衆議院解散により廃案となりました。
しかし、9/11で自民党が圧勝した中、再び息を吹き返した悪法の一つです(障害者自立支援法案は、残念ながら通過、この4月から施行という目にあっています)。
法務省の組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&Aを読むと、それは一見私たちには無関係のように思えます。
チョット長いのですが引用。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
A  「組織的な犯罪の共謀罪」には,法律の明文上,以下のような厳格な要件が付されており,例えば,暴力団による組織的な殺傷事犯,いわゆる振り込め詐欺のような組織的詐欺事犯,暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀等,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰することとされていますので,国民の一般的な社会生活上の行為が共謀罪に当たることはありません。
 すなわち,新設する「組織的な犯罪の共謀罪」では,第一に,対象犯罪が,死刑,無期又は長期4年以上の懲役又は禁錮に当たる重大な犯罪に限定されています(したがって,例えば,殺人罪,強盗罪,監禁罪等の共謀は対象になりますが,暴行罪,脅迫罪等については,共謀罪は成立しません)。
 第二に,「組織的な犯罪の共謀罪」には,
①  団体の活動として犯罪実行のための組織により行う犯罪(暴力団による組織的な殺傷事犯,振り込め詐欺のような組織的詐欺事犯など)
又は
②  団体の不正権益の獲得・維持・拡大の目的で行う犯罪(暴力団の縄張り獲得のための殺傷事犯など)
を共謀した場合に限り処罰するという厳格な組織性の要件(注)が課されています(したがって,例えば,団体の活動や縄張りとは無関係に,個人的に同僚や友人と犯罪実行を合意しても,共謀罪は成立しません。また,犯罪実行部隊のような「犯罪行為を実行するための組織」を持つことのない市民団体や会社等の団体に属する人が共謀したとしても,共謀罪は成立しません。)
 第三に,そもそも「共謀」とは,特定の犯罪を実行しようという具体的・現実的な合意がなされることをいいます(したがって,単に漠然とした相談や居酒屋で意気投合した程度では,共謀罪は成立しません)。

(注 )組織的犯罪処罰法における組織的な殺人等の加重処罰の場合と同じ要件であり,実際の組織的犯罪処罰法の組織的な殺人等の適用事例も,①暴力団構成員等による組織的な殺傷事犯,賭博事犯,②悪徳商法のような「詐欺会社」による組織的詐欺事犯及び③暴力団の縄張り獲得,維持のための業務妨害,恐喝事犯等に限られています。
(上記サイトより)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こうして見ると、まるで私たちの生活を守り暴力や犯罪から保護してくれるように思います。
この一体どこが危ないのか?
どこを反対すればいいのか???
と、思います。


共謀罪の怖いところはズバリ、
「思い」「意思」「心」「思想」などが処罰の対象になりうるということです。
これが今までの刑法にはなかった点です。
現行の日本の刑法では、何らかの被害が発生したときに限りそれをもたらした行為を処罰するのが原則です。
未遂罪、つまり被害発生の危険は生じたが、被害発生には至らなかった場合には、刑法にとくに規定がある場合に限り処罰されます。
ところが「共謀罪」は「共謀」が成立しただけで処罰をするというものです。
被害の発生も、その差し迫った危険の発生も必要ではありません。
ただ心の中で思ったこと、考えたこと、あるいは話したことを処罰するということです。

政府が提出した法案は、
四年以上の懲役・禁固の刑が定められているすべての犯罪を対象にしました。
対象は600を超え、
その中にはなんと消費税法違反など、「越境性」があるとはいえない犯罪も多数含まれます。
事実上、刑法上の重罪すべてについて共謀の罪を新設することになります。
そもそもこの土台になった国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約からも大きく逸脱しています。

初め提出したときの案はあまりに「恐怖政治」を連想させるものだったので、
今回の与党修正案はほんのちょっと譲歩。
適用を組織犯罪団体に限定し、共謀だけでなく「犯罪の実行に資する行為」を要件にするというもの。
しかし、
組織犯罪団体に限定というが、
その定義は曖昧。
二人よれば団体と言われれば、何も言えなくなる。

政府は、共謀罪の対象は組織的犯罪集団に限定され、一般市民団体や普通の会社、労働組合は対象にならないと弁解しています。
ところが実際の国会審議で、法務省は以下のように言います。
「最初は正当な団体として発足しても、途中から組織的犯罪集団と認定される場合もある」と答えました。
では「組織的犯罪集団」に変質したかどうかを決めるのは誰か?
答えは警察です。
結局、警察の恣意(しい)的な判断で乱用されることに、なんの歯止めもありません。

犯罪を予防するというのは確かに望ましい。
しかし、この共謀罪は「思っただけ」「考えただけ」で罪になるのですから。
総理のお好きな「心の問題」に踏み込むことにもなるわけです。
そして最も悲しいことは、
盗聴の拡大、協力者、スパイの使用、自首すれば刑を減免して密告を奨励するというような国民が国民を監視する社会が生まれるということです。
人を信じることが出来ない社会。
いつもオドオドしている社会。
誰かに監視されている社会。
そんな社会への一里塚がこの「共謀罪」です。
決して認めることができない法律です。
しっかり反対の声をあげていかなければと思います。
それも緊急に。

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 共謀罪に反対するNGO・NPO共同アピールへの賛同がいろんなところで呼びかけられています。私たちのやっている、岐阜県民ネットワークも賛同しました。  だって、最もターゲットにされそう(笑)。でも、あなたも危ないんですよ。 なぜなら、対象は「一般企業も、マスコミも、市民グループも、宗教団体も、町内会も対象となり得る」、人数は「二人以上」というのだから。  それは新聞記事を読んでみれば分かります。  ※賛同... [続きを読む]

受信: 2006.04.15 19:56

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