« セクハラ問題 | トップページ | 何故 急ぐ共謀罪。 »

2006.05.18

分岐点

今、日本は分岐点に立っています。
「戦争か平和か」の二つの道しるべの真ん中に迷いながら足踏みしています。
戦後、日本はナショナリズムを警戒し「国家全般」に対しての根強い不信感がありました。
「再びあやまちはおかしません」という強い反省の思いの前には、復古主義的保守層も、
退却を余儀なくされていました。
そして戦後の国民意識は「企業」への帰属意識に吸収されていったのです。
ナショナリズム不在で日本は大きく経済成長を遂げていきました。
ところが、90年代に新しい転機が訪れました。
背景にはアメリカの冷戦終結と世界市場拡大を目指す「新自由主義」があることは論を待ちません.
ここでも何回も書きました)
(アメリカは自国の新戦略の為に日本に軍事の分担増を露骨に求めてきました.
当初は軍国主義復活を懸念する日本人の意識は未だ根強いため,それを回避する政策として,グローバリズムの論理が展開されました.
つまり[国際貢献][国際責任]です.
しかし,21世紀に入ると,
新自由主義経済と軍事大国化が目に見えて顕著になってきました.
その理由の一つに社会の不安があります。
戦後,日本を支えてきた企業社会は企業経営の変化に伴い[日本型]は崩壊.
後には企業から追われた中高年と若い非正規社員.
また農産物自由化により農村の破壊,大店法廃止により地場産業の衰退等,日本社会を支えていた柱が揺らぎ始めました.
一方,国外の状況は北朝鮮のミサイルに拉致問題,中国の経済成長と軍事力の増大などナショナリズムを煽るに十分な材料がそろい出たと言うことです.
この中で次第にナショナリズムのイデオロギーが戦後社会の個人主義,自由主義の結果であるという批判を主張する説がでてきます.
[私民社会]や[大衆社会][文明病]などの言葉が飛び交い,アメリカ型のグローバリゼーションが批判の矢面に立ちます.
そして日本の伝統と家族や共同体の紐帯再建,公への献身が叫ばれます.
日本の衰退と反「戦後]が結びつけられている点が今の日本型ナショナリズムと言えます.
しかし,現在にあって台頭してきたナショナリズムもその矛盾を抱え込んでいます.
新自由主義改革路線により社会を解体,再編を試みたものの,ナショナリズムの基盤になる中間層が最早,新自由主義により破壊され,担い手がいないと言うこと.
またイデオロギーとしてもグローバル化を目指している経済界,支配層と相容れないなどです.
現に靖国参拝はアメリカ高官からも批判され,経済界からも苦言を呈されています.

ナショナリズム自体も揺れ動き,矛盾を抱えながら一点突破、全面展開を図ろうとしていることが分かります.
では,私たちは何を見るべきか.
それは、日本社会が直面している問題の原因は何かを明らかにすることです。
決して戦後個人主義ではないと言うこと、
新自由主義による日本社会(経済)の破壊であった事をもう一度確認する必要があるのではないでしょうか.
階層間格差,貧困化の真犯人は[新自由主義]である.
と考えます.
昨日の小泉さんと小沢さんの党首討論。
小沢さんは「ホリエモン、オジャマモンを生み出したのは教育」だと言われましたが、
それは違うと私は思います。
彼らは「規制緩和」の申し子です。
さらに、そこから導かれる結論は,決して[憲法改悪]でも[教基法改正]でもありません.
日本が再び戦禍にまみえることのないように,
私たちは分岐点に立って,歩むべき道を間違えることのないようにと強く思いながら、願いながら書いています.
多くの人々と連帯をはかりながら、、、
「分岐点、みんなで通れば怖くない」!!!

|

« セクハラ問題 | トップページ | 何故 急ぐ共謀罪。 »

コメント

>日本が再び戦禍にまみえることのないように,

 まさしくその通りですね。
 っていうか最初っから最後まで庶民の願いはそこですもんね。

 ただ。
 突然他国に攻められた時を考えたら。
 自国を戦禍から守ろうと思ったら、やっぱり武器を持って戦うしかないんじゃないかな。とか思っちゃいます。じゃないと好き勝手に蹂躙されちゃうわけだしね。愛する人も殺されちゃう。
「アメリカ軍がいるから大丈夫」という人もいるけれど、軍隊ってのは国益にならない限りは絶対に動かないですからね。

 うーむ。
 この問題は一方からだけ見ていては解決しない難しいものですね。


 僕には、戦後個人主義そのものが終戦直後にGHQが教育に介入したところから始まっているように思えてならないですよねぇ。そこから遠回りにアメリカの目障りにならない国民を育てていく。最後には日本国民がアメリカの良いように骨抜きにされている気がします。
 骨抜きの人間が集まって、はたしてどれだけの国家が作れるでしょう?
 この国は、「正義」や「道義」ではなく「アメリカ」を第一に動いているんじゃないかな? 僕にはそんなふうに見えます。
 んま僕の妄想かもしれませんが。
(妄想であってほしいけどね)

投稿: ろぷ | 2006.05.18 13:08

 瀬戸先生のおはなしは、経済問題と外交問題と国内問題と国際問題を、見境もなく列挙して、ご自分の妄想に結論を接合したような、賛成するにしても、反対するにしても、どこから手をつけたらいいのかわからないような議論ですね。
 まぁ、わかりやすいところから質問を差し上げるとすれば、日本のナショナリズムは戦争に直結しているようですが、他国のそれは安全無害なんでしょうかね?

投稿: 罵愚 | 2006.05.18 13:52

おっしゃる通りだと思います。古い社会なら、大家族や地域、戦後の日本では終身雇用制を中心とする会社が人をある程度包んできました。だから犯罪も少なかった。でも、いまは格差が広がり、経済的にも精神的にもはじき出された人を多く生み出してしまいます。
 それを吸収するのが愛国心と軍隊、それが新自由主義の末路ですが、そういう悪い意味でのアメリカ型社会になってきているのかもしれません。いつの時代も、一番悪い国と組んでしまう日本が悲しいですね。がんばりましょう。

投稿: luxemburg | 2006.05.18 18:57

示唆に富むコメントありがとうございました。
この問題、本当に難しい。
複雑なレイヤーで成り立ち、因と果は見えにくい現状の中で、
限りなくシェープアップして今回は書きました。
(言葉足らずや定義をもっとしっかり書かねばと思ったのですが、、、)

実は、この記事はかなり考えたのです。
「ナショナリズム」
「帝国主義論」
ずっと考え続け、本も片っ端から読みました。
アメリカが今 経済で行き詰まりをみせていることは以前のエントリーで書いたとおりです。
今度はヨーロッパについても書くことを予定しています。
そしてアジア諸国と日本との関係。
いかにあるべきか、、、
これらについても経済とのかかわり、
政治の果たす役割。
さらなる考察を加えていきたいと思っています。
ご意見、参考になりました。

投稿: せとともこ | 2006.05.18 19:01

こんばんわ。記事を興味深く拝見しました。
価値観が混沌としてしまい、自分を見つけるのが難しい世の中になってしまっていますね。そんな社会の中で、一方の軸になっているのが新自由主義であり、その新自由主義主義によって社会が閉塞感を増しているのは間違いないでしょう。問題はその対立軸がハッキリしないことでしょう。この対立軸についてはいろいろと意見があるでしょうが、私が漠然と感じているのは、この対立軸となるのは「環境問題」ではないか、ということです。
新自由主義vs環境問題では問題の焦点がボケてしまうようで、そのあたりは私自身もっと考察を進めなければならないのですが、新自由主義を行き過ぎた個人主義と捉えるとき、その対立軸は人間社会にとどまらず人間を含めた自然というとこまで視野を広げないと真の問題解決はない、そう思えて仕方がありません。

投稿: 愚樵 | 2006.05.18 19:57

愚樵 さん。
こんにちは。
コメントありがとうございました。
共謀罪、今日はとりあえず採決はなかったようですが、
まだまだ警戒を緩めてはいけないと思ったものです。

さて、頂いたコメントについてですが、
私も愚樵 さんが仰るように環境問題については興味があります。
このところの気象状況もそうですが、「地球は活動期」に入っていると思います。
そうしたとき、持続可能な社会を考えると、環境問題を抜きにしては考えることが出来ません。
環境民主主義と言う言葉がオーフス条約以降でてきたのでしょうか?
手続きの問題として、配分の問題として、責任の問題として考える必要を感じます。
愚樵 さんのエントリー楽しみにしています。
実は毎日伺っているのですが、トラックバックできないで、本当に残念に思っています、、、
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2006.05.19 17:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15797/10124367

この記事へのトラックバック一覧です: 分岐点:

» ブロードバンド長屋----愛国心床屋政談 [とりあえず]
八 「ご隠居、何だか今度教育基本法ってえやつで愛国心が定められそうなんですって?」 ご隠居 「そうなんだ、いやなご時世になったもんだよ」 熊 「え、国を愛しちゃいけないんですかい」 ご隠居 「熊さん、あんた頭悪いか性格悪いかネット右翼のどれかだね」 八 「ご隠居、こいつネット右翼だから頭悪くて性格悪いんすよ」 ご隠居 「なるほど」熊 「ちょっと、感心しないでくださいよ。なにが問題なんっすか」 八 「熊さん、だから、ご隠居は『愛しちゃ悪い』とは一言も言ってないのさ、それを話の腰を折るためだ... [続きを読む]

受信: 2006.05.18 18:51

» アカい毒を吐き続ける「瀬戸智子」 [★★反日ブログ監視所★★]
2006.05.18 分岐点 http://ts.way-nifty.com/makura/2006/05/post_4cc4.html よくもこれだけ反日記事を垂れ流し続けられるものだと感心して見物していたが、今回も腐臭漂う噴飯物の記事をエントリーして [続きを読む]

受信: 2006.05.18 19:03

» 愛国心を盛り込まずとも、理想の教育 [お玉おばさんでもわかる政治のお話]
昨日の記事は書いてる時点から「突っ込みどころ満載」という自覚があり、アップ直後から「こんな記事書いてよかったのか・・」と久々に思いました。そうですね、高遠さんの記事以来でしょうか・・・お玉がこれほど稚拙な文章でもこのブログを運営していけてるのは、もちろ....... [続きを読む]

受信: 2006.05.18 20:45

» ■「掘り下げたかった教育論争」 教育基本法に「愛国心」書いてABCで評価するの? [読売新聞の社説はどうなの・・・3(2006年度版)]
5月18日付・読売社説 [党首討論]「掘り下げたかった教育論争」 (抜粋)政府が提出した教育基本法改正案の審議が始まったばかりだ。民主党は対案として近く「日本国教育基本法案」を提出する。教育は国家百年の計だ。小沢氏が党首討論で取り上げたのは、自民党との「対立軸」を鮮明にする格好のテーマと考えたからだろう。  小沢氏は、家庭内での殺人事件や、耐震強度偽装、ライブドアなどの事件に言及しながら、「心が荒廃した、すさんだ社会」への政治の対応を主張した。  首相は、「衣食は満ちているが、礼節を失っている」と... [続きを読む]

受信: 2006.05.19 01:32

» アイスブレイク [愚樵空論]
一昨年の秋に、とある講座を受けたことがある。今日はその講座のことについて書いてみたい。講座の名称と目的は後で書きます。 自己紹介 その講座には20人足らずの人が集まっていただろうか。まずは型通り講師の自己紹介があり、その日の講座の内容と目的についての講師の... [続きを読む]

受信: 2006.05.19 04:32

» 檄!同志諸君、鉢巻猫ちゃんバナーをはりまくって共謀罪を廃案に追い込もう。(笑) [雑談日記(徒然なるままに、。)]
 ロキさん、長いこと猫ちゃんお借りして申し訳ありませんでした。昨日、鉢巻猫ちゃん [続きを読む]

受信: 2006.05.19 09:03

» 緊急連絡、videonews.comで「誰のための共謀罪か(再放送):海渡雄一氏(弁護士)」が無料放送になってます。 [雑談日記(徒然なるままに、。)]
誰のための共謀罪か(再放送)【5月18日付けエントリーです】 (略) 郵政国会な [続きを読む]

受信: 2006.05.19 11:04

« セクハラ問題 | トップページ | 何故 急ぐ共謀罪。 »