« 宇宙基本法 | トップページ | 移植医療 »

2006.05.10

体感治安

体感治安が悪くなってきているのは現実です。
実際、テレビをつければ、ニュースは毎日が「殺人事件」。
どこかで、誰かが殺されている、、、
そんな不安な世の中になったのか、とため息の一つ、二つ、三つと出てきます。

今朝、朝の番組でみのさんが珍しく共謀罪を取り上げていました。
昨日の参考人質疑の模様をパラッと紹介。
そして、最後の締めは以下の内容でした。
「連日、我々は凶悪な事件を報道している。
本当に日本では安全に生活できなくなった気がする。
昔は壁に耳あり、障子に目あり、だったが、今はトナリハナニヲスルヒトゾになっている。
それではいけない。」
と、言うことでした。
それを補完するように岸井さん。
「本当に、そうです。
はやく国際的基準を作り、国内に関してはそれからでも、、、」

????????
私は首をかしげたまま、しばらくは元に戻りません。
まず、みのさん。
お仕事柄、凶悪事件報道の連日で確かに「日本は治安が悪くなった」と思われているかもしれませんが、実は「犯罪白書」によれば近年犯罪、しかも殺人などは減っていることは、本当は御存知なのだと思います、少なくとも岸井さんは知っているはずでしょう?
あなたの輝しい論説委員としての履歴をしてすれば。

「安全神話崩壊のパラドックス—治安の法社会学 」によれば、
〜〜“近年、凶悪犯罪が急増し、日本の治安は急激に悪化している”と、多くの日本人が思い込んでいる。実際、刑法犯の認知件数は戦後の最多記録を7年連続で更新している。
一方、警察による検挙率はここ数年低下が著しい(平成15年度版『犯罪白書』による)。
しかし、これは「統計のトリック」による見かけ上のものにすぎず、日本の治安は悪化していない。
統計資料の徹底分析から、
「最近五年での認知件数の急増は、実は統計の取り方の変化などが原因で実数の急増ではない」こと、検挙率の急落も、余罪追及を減らしたことなどによる見かけ上のものにすぎないのだ。〜〜
と言うのです。
これは平成15年版の白書でしたが、17年版も実は同じことが言えます。

では何故?
何故、国民を不安に陥れるような統計分析を流布するのでしょうか?
この疑問に対して、著者は、
かつての日本社会では、夜間の外出、危険な場所への外出を控えれば、基本的に安全だった。
しかし、一般人が深夜も気軽に出歩く生活が定着し、危険な場所などなくなったいま、犯罪が起きる非日常世界と起きない日常世界の「境界」は崩壊し、「至る所、いつでも、薄く広く危険がある」状況が生まれた。それが不安につながっているのだと……。
言います。
つまり一般市民の私たちの生活の場の拡大が「犯罪」に出くわす確立を高くしている、あるいは不安が高まっているというのです。
そう言えば、渋谷の女子高校生監禁と言う事件が何年前かに起きたとき、低年齢の子どもたちの歓楽街遊びと言うことがマスコミで随分とり上がられました。
著者は、結論として、
「安全神話崩壊」後の日本社会と司法制度のあるべき姿について、真摯な考察を重ねていく。治安維持を警察にのみ頼るのではなく、かつての地域社会が豊かにもっていた“住民を守る力”の再生こそが肝要、と言うのです。
つまり、このところ書いている「刑事立法」強化の路線ではなく、地域社会の健全な底力の発揮こそが大切と言うことです。
そう言う意味ではみのさんの「お互いが知り合い」と言うことは必要なのですが、
そこから「共謀罪」を無批判に誘導していくような方法は私には首肯できません。

また、岸井さんの主張。
うううう====んん。
本当にあなたは「論説委員」?
この発言に関しては後日書きます。

いずれにしても、
私たちは作られた「体感治安」をそのまま信じてはいけない、ということでしょうか。
マスコミによる不安扇情が、共謀罪の道を開くことへの懸念を感じた朝の番組でした。

|

« 宇宙基本法 | トップページ | 移植医療 »

コメント

>体感治安が悪くなってきているのは現実です。
実際、テレビをつければ、ニュースは毎日が「殺人事件」。
どこかで、誰かが殺されている、、、

毎朝テレビのスイッチを入れたり、新聞を開くのが怖いような思いです。

悪政が人の心を荒廃させ、些細なことでも事件が起きています。

そして、けしからんと言って法規制を厳しくして来ます。 いわゆるマッチ・ポンプの手法で今の政治は進められていると思います。

その極限にあるのが、共謀罪で国民を脅すことではないでしょうか。 人の心を凍らせ、がんじがらめにします。

この恐ろしさに気付いた一人として、まず声をあげ、まだ知らないでいる周囲の人たちにも知らせ、話し合うように努めております。

生死は表裏一体でると言われておりますが、今程それが身にしみる日々は無かったように感じられる昨今です。

襲い掛かって来る者たち。 それに抗する人たち。
両者を明確に認識し得るようにも努めたいと思っております。
 

投稿: hamham | 2006.05.10 23:49

hamham さん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。

宇宙基本法の方にもいただいてありがとうございます。
失礼ながら、こちらで纏めてお返事差し上げりますので、よろしくお願いいたします。
三菱電機は「社の方針」を理由に同衛星を受注したことも認めないで、「秘密保全」をいいことに、勝手な判断で拡大しているそうです。
いずれにしても利権優先は間違いないですね。

体感治安にしても「作られた」不安の中で私たちは煽られているのでしょうか?
>生死は表裏一体でると言われておりますが、今程それが身にしみる日々は無かったように感じられる昨今です。
襲い掛かって来る者たち。 それに抗する人たち。
両者を明確に認識し得るようにも努めたいと思っております。

本当にそうだと思います。
そして何よりも怖いのは「知らされない」ことです。
ある日、突然、やってくるような気がしてなりません。
「警戒を怠るな」と叫んだフーチクの言葉が今、鮮やかによみがえります。
本当にほんとうに、ホントウニ、
見ていかなければならない時を向かえているようです。
これからもお互い、体に気をつけて頑張っていきましょうね。
よろしくお願いいたします。
季節柄、お体、くれぐれもお大事に!!!
 

投稿: せとともこ | 2006.05.12 18:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/15797/10007109

この記事へのトラックバック一覧です: 体感治安:

» 冗談で逮捕されるよ共謀罪 [とりあえず]
川柳をほめられたのでまた川柳 になってしまった(笑)。  さて、法務省のサイトに、ご懸念について、という文章があったので、せっかくだからちょっと紹介する。 法案で新設する「組織的な犯罪の共謀罪」については,種々の御懸念が示されているところですが,中には誤解に基づくものもあるように思われます。そこで,この罪の内容について,正確に御理解いただくため,主な御懸念について御説明します。  まあもちろん、法務省としては「濫用するから待ってな」とは書かないわけで、当然こういう書き出しになるだろう。... [続きを読む]

受信: 2006.05.10 22:24

» 民主党にやる気なし? [南城悪口三昧]
津村啓介が法務委員会で参考人に対して質問を行うのを聞いたが、イライラがつのっただけである。 出かけて行って、ケツを蹴飛ばしてやろうかと思った。 藤本哲也参考人の意見に対して、まったく反論も出来ず質問の迫力もないまま終ってしまった。 「私は性善説を信じているから、そんなことは起こり得ない」などという理屈にもならない意見に、どうして反論できないのか。 藤本哲也は、犯罪学博士の称号を持ち、学会、法務省などで多数の肩書を持つ刑事政策の学者である。 何故、こういう専門家に対して、素人を質問...... [続きを読む]

受信: 2006.05.10 23:49

» リベラルと保守について [時事放談22 By半平太]
(おそらく)10代から20代の若者を中心に、ネットの世界で「バトン」なるものが流行している。質問項目を作り、数名に回すという単純な仕組みである。むろんその答えをめぐって論争がおきるわけではない。ただ「他の人はどう考えているのだろう」、という素朴な興味がこの流行のもとになっているのだろう。例えばこうである。 【現在恋人は?】 【元彼/元カノは何人?】 【告白はする方?される方?】 【初恋はいつ?】 【浮気/不倫っ�... [続きを読む]

受信: 2006.05.11 11:21

» 日本ジャーナリスト会議のトピックス [闘うリベラルのチャンネル]
共謀罪反対へ、市民の熱意〜多彩な言論を展開するブログを見る〜  「日本ジャーナリスト会議」・・・名前はしばしば聞くのだが、実はよく知らない(失礼)。共謀罪に反対・危惧を表明するブログを上記欄にて取... [続きを読む]

受信: 2006.05.13 10:05

» 少年犯罪の動向 [alice-2008の日記]
最近は少年による殺人事件とゲーム脳を結びつけることが大はやりらしい。 「地下生活者の手遊び」というブログの最近のエントリで紹介されていたデータを見ると、事実は、少年の凶悪事件の件数は、戦後を通じてみると減っている。そしてその犯罪の質も、近年悪化しているな... [続きを読む]

受信: 2008.06.25 14:38

« 宇宙基本法 | トップページ | 移植医療 »