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2006.05.07

新自由主義と教育基本法 その2

子どもたちにとって自分の将来や人生にイメージを持ちにくい時代になっています。
社会的問題でもあり、ごく私的な個人の問題でもあるこの現状を考えるにあたり、
今日は「教育」の果たした役割という面から見ていきます。
(この4月13日に書いた新自由主義と教育基本法をさらに深めて書きました。)

1960年代、教育の大衆化が始まりました。
戦争、戦後体験を持たず、「高度成長期」に学齢期を過した世代にとっていわゆる「学歴」信奉こそが幸せ路線であると考えるに至ったことはなんら不思議ではありません。
その世代はやがて親になり次世代が学校に行く90年代は「バブル崩壊」の時と重なります。
階層秩序の再編下は子育て、教育を直撃しました。
それまでは「学校での競争に勝つことが、その後の人生の序列」を決定するということが当たり前に受け止められ、勉強は目的ではなく手段でした。
しかし、バブル崩壊は日本型の雇用形態を覆しました。
終身雇用は崩れ新規学卒一括採用の方式は少なくなり、「一応大学は出たけれど、、、」
就職はない、という若者が溢れるようになりました。
この背景には世界的なメガ・コンペティション(大競争)があります。
国として生き残るために企業は国際競争に勝ち抜く必要がある。
そのためには「日本型雇用」の解体、取替可能な「労働力」を求め、
「自由化」と『自己責任」を基調に新しい競争システムが理論イデオロギーとして採用されました。
「新自由主義」です。
学校教育でも積極的にこの思想は取り入れられました。
公教育削減、競争に参加できる能力と金力のある者だけに与えられた「勝ち組枠」。
単純な学歴志向は減少しました。が相対的に更に激しい競争時代の到来でもありました。
一般には学力の二極化と言われます。
ひたすら学力信奉する側とそうでない側との矛盾をはらみながら社会は
「いじめ」「不登校」「犯罪の低年齢化」と種々の問題を抱えていきます。
的確に指導する力を持たないまま予防的に「少年法」の改正などを試みましたが、効果が期待できるハズもありませんでした。
そもそも教育を商品の一つのように扱ってきた新自由主義の論理こそが問題であるにも拘わらず、目先の罰則を重くすることは、なんの解決にもなりません。
社会それ自体も「劣悪な教育環境への疑問と極端な二極化への警鐘」を鳴らし始めている今、新自由主義論者は時代の流れに逆行するがごとく教育基本法を書き換えようとしています。

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コメント

>そもそも教育を商品の一つのように扱ってきた新自由主義の論理こそが問題であるにも拘わらず、

子ども達は未来の主権者です。 親、学校、社会の豊かな愛情によって、その人間性、人格が完成出来得るように育てられなければなりません。

若し、一部の世の大人達が子ども達を大人の道具、金儲けの道具、商品・・・のように見なし、そのように取り扱うなら、そこには教育の荒廃が生じるだけです。

社会の退廃が進み、深まります。

投稿: hamham | 2006.05.08 12:02

hamhamさん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
連休は如何お過ごしでしたか?
私は家族とともに実家に帰りました。
ほんのちょっと親孝行の真似ができたならと思っています。

さて、「子ども達は未来の主権者です。」
本当に良い事を仰る。
その通りだと思います。
多分、いつの時代でもそうだったのかもしれませんが、
弱き者が犠牲になる社会には輝しい未来は待ってはいない、、、と知りつつ、
「これくらいならまだ大丈夫」「これくらいならガマンできる」と思っているうちに「のっぴきならない」状態になってしまうのでしょうね。
今、守るべき者は守らねば、、、と強く思っています。
これからも、書いて行きたいと思っていますので、どうぞご意見、アドバイスなどお付き合い下さいね。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2006.05.08 14:21

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