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2006.05.08

アメリカ経済の進むべき道

1980年代 アメリカ経済は行き詰まっていました。
70年代のスタグフレーションがますます深刻になり、世に言う「双子の赤字」です。
この問題解決に対してアメリカはサプライサイドの市場メカニズムを重視。
その理論は供給力を強化することで経済成長を達成できるというもので、この後「強いアメリカ」、いわゆるレーガノミックスと言われる一連の政策です。
つまり「新自由主義」に基づく経済政策です。

アメリカが再生するためには貿易に勝ち、海外に市場を求めていくことです。
その目的のためにアメリカは各国の経済改革と国際経済体制再編を優位に進めようと今まで以上に積極的に関与していきます。
二国間交渉、多国間交渉というお馴染みの言葉です。
経済自由化とグローバル化。
アメリカに富が集中するために4つの政策を柱におきます。
1アメリカが優位になる特許制。
これによりアメリカ企業に知的所有権の独占が保障される。
2輸出拡大政策
貿易の自由化と投資の自由化をセットにして貿易相手国の市場開放を要求。
3金融制度の自由化と金融市場のグローバル化。
国際通貨のドルの地位を強化。
4軍事技術の開発。
その技術的蓄積を民間に開放、また民間の先端技術を軍事目的で利用。

こうしてアメリカン・グロバリゼーションは1995年の世界貿易機関WTOを発足させる成果を生み、国際的にも大きな権限を集めることになりました。
WTOについてはその前身のGATTとともにいずれ考察していきたいと思いますが、
今回は紹介にとどまります。
90年代の飛躍的な成長発展は「ニュー・エコノミー」と呼ばれた好景気を長期にわたり実現させるなど一定の評価を得たのも事実でした。
しかし、この繁栄の裏には巨額の貿易赤字があり、その状況は年々深刻化しています。
そして、何よりも大きな問題はアメリカン・グロバリゼーションに対する批判が世界中で広まっていると言う現実です。
昨日閉会を迎えた欧州社会フォーラムでも「新自由主義反対」のスローガンの下に10万人が主催地のアテネでデモ行進をしたというニュースを今朝、見ました。
さて、順風満帆に見えた経済も行き詰まりを見せる中、アメリカが次にでたのは「政治」でした。
それは勿論「ネオコン」と称される新保守主義の考え方を持つ勢力の台頭です。
圧倒的な軍事力を背景に、経済的な新自由主義と政治的な介入主義の結合により、
アメリカは今や「帝国主義」と言っても過言ではない道へと歩み始めています。
ついてくる者と反抗する者、
敵か味方か、
アメリカはもはや世界を自分中心の見方で二分化しつつあります。
「修正」的方向を画策する穏健派も国内にはいるのですが、
残念ながら2001年の9/11はブッシュ政権を更に「帝国主義」化する方向へと導きました。

アメリカは今、混迷しています。
イラク戦争の事態の収拾。
アメリカ経済の脆弱。
グロバリゼーションの弱体化。
アメリカの金融不安。
これらの問題を抱えたまま、更にその突破を図るために80年代に行ったような政策は、もはや意味をなしません。
アメリカが生き残る道は、
自国の繁栄だけを突き進むことではなく、国際社会の中で、強調、宥和、対話路線を推し進めていくことしか選択の道はないと、私は思います。

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コメント

「アメリカは今、混迷しています。」
 確かにアメリカは所謂「双子の赤字」を抱えてにっちもさっちもいかなくなってます。
 お陰で今、大きく円高に振れ出しました。一日に2円以上も円高になるとは相当なものです。
 この上、イランへ攻勢を掛けるようだと、益々混迷を深めるでしょう。

投稿: hitoriyogari | 2006.05.08 16:21

hitoriyogari さん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
連休前に『第三のビール」の方にもコメントを頂きながら、
出掛ける間際で失礼を致しました。
連休は如何お過ごしでしたか?
コーラス発表近くでお忙しかったのでしょうか。

さてさて、アメリカ経済の行き詰まり、日本にも大きく影響を及ぼすものと思います、、、
ため息ですね。ふっ〜〜〜
本当に力で打開しよう、突破しようとする政策は、もうやめて欲しい。
いずれ大きなしっぺ返しがくるのでしょうね、、、
どうなることやら。
これからも、しっかり注目です。
では、、、また。
季節柄、ご自愛下さい。

投稿: せとともこ | 2006.05.10 13:45

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