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2006.06.23

自衛隊撤退の意味 再考

陸上自衛隊撤退のニュースが出てから、私は随分、考えました。
総理の意向は次のようなものです。
「イラク・ムサンナ県の治安権限の移譲もあり、陸自を撤収したい。今後、空自、ODA(政府開発援助)などで協力していきたい」。
また空自については、
・バグダッドへの拡大を安全確保なども検討しつつ、「今後考えていきたい」「検討していきたい」。(これに先立ちラムズフェルド米国防長官と額賀福志郎防衛庁長官の会談あり。アメリカは空自の輸送活動をバグダッドに拡大するよう要請。これに額賀福志郎防衛庁長官は「ニーズに応じて考えていきたい」と答えている)。
・次にアサドへの拡大を安全確保なども検討しつつ、今後考えていきたい」「検討していきたい」。(米海兵隊のニュースによると、バグダッド西方のアサド空軍基地を空自隊員が調査し、「命令が下ればここに飛ぶ準備が整っている」「活動範囲が拡大していくだろう」と答えている。)
・今後、人と機材を増やす可能性としてC130輸送機の三機態勢についても「検討していきたい」。
・空自撤退の条件については「いまはいえない」
とのこと。

イラク派兵は何を意味し、これから何を予想させるかと言う事についてです。
考察を深めていく手掛かりとして、次の点について述べます。
・「イラク復興」支援が何故自衛隊だったのか。
・イラクの現状は今、どのようか。
・今後、我が国はどのような道を選択すべきか。

まず・「イラク復興」支援が何故自衛隊だったのか。
人道支援なら民間・ボランティアでもいいのではないか。寧ろその方がいいのではないかと思うところですが、、、それは、最終的にはアメリカの要望がちらつきつつも表向きは
非戦闘地域とはいえ、戦闘地域だから軍隊ではないが自衛隊だったのでしょう。
以前の記事でも書きましたが国民の多くの不安をよそに2003年7月26日 「自衛隊派兵のためのイラク特措法」が成立。翌年1月19日 陸自先遣隊、サマワ入り(本隊は2月8日に到着)。
今までに、全国各地の師団・旅団からなる「イラク復興支援群」(約500人)と、陸自幕僚監部が選抜した「業務支援隊」(約100人)で構成。これまでに約5500人が派兵されました。 海上・航空自衛隊を合わせた派兵人数は約7600人です。

表向きの理由は、「人道復興支援」。
テレビでもよく自衛隊の隊員がイラクの人々に水を給水している「ありがたい」映像が流れました。
さらに医療支援、学校建設・道路補修などの公共工事を行ってきました。
しかし、外務省がODA(政府開発援助)で6基の浄水装置を提供し、陸自の十数倍の供給が可能になったため、昨年2月に既に打ち切りに追い込まれていました。
次に力を入れたのが公共工事。
しかし、実際に陸自が建設を行うのではなく、イラク人を雇用し、作業を監督するだけでした。このため、サマワでは、「自衛隊がどこで何をやっているのか分からない」という声が相次いでいたのが現状です。

次に二番目の問題。
現実にはイラクは今、どの様な状況でしょう。
戦争開始から3年3カ月。
これまでに戦争で10万人以上ともいわれる民間人が命を落としました。
現在でもイラクの混迷は連日伝わってきます。
米民間調査機関は、戦争勃発から昨年末までに国外に逃れた避難民は約90万人に達したと報告。
この混迷は世界各国のイラク派兵軍隊を撤退させ、遂に、サマワのオランダ軍とオーストラリア軍も撤退。
日本の陸自も撤退を余儀なくされました。 

そして、最後に今後、日本はどうすべきかという問題です。
航空自衛隊は残ります。空自は19日現在で330回、約472トンを空輸。
これは大部分は陸自関連の人員・物資でした。しかし今、陸自が撤退すれば、イラクでの自衛隊の活動は米軍支援に特化することになります。
その活動範囲をイラク全土の24空港に拡大したことは、既に知るところです。輸送先を戦闘が続いているバグダッドや北部地域にまで広げることを決めました。拡大される空自の輸送支援は、米軍・多国籍軍の戦争継続を支える要となります。

何回も書いていますが
「イラク戦争は誤り」でした。
ブッシュ大統領は、フセイン政権が「大量殺人兵器で平和を脅かす無法な政権」だといって攻撃をはじめました。
が、大量破壊兵器を発見しようと大規模な調査を行いましたが見つけることはできず、それどころか攻撃の理由そのものが嘘であったことが明るみになりました。
そして遂に大統領自らその誤りを認めました。
その間、38カ国だった軍隊派遣国の多くがアメリカのうそに反発し相次いで撤退。
24カ国にまで減っています。

イラク戦争はベトナム戦争とも並び称されますが、
結局、武力は解決にはならないのです。
ここまでグチャグチャになったイラクではありますが、
その復興のためにはアメリカ主導ではなく、
国際社会の合意で進むしかないように考えます。
イラク独自の宗教の問題を含め、
イラク人の手による復興の支援を行うことを一番に考えた場合、
答えは自ずと出ると思います。
つまり日本は空自も撤退。
米軍もあるいは多国籍軍も速やかに撤退することは理の当然です。
独裁者であるフセインは、倒れた。
後はイラク人に任せるしかない。
と思います。
いずれにしても、
いずれにしても、
これ以上、どの国からも、どの様な人々も戦禍で死ぬことがありませんように!!!

この問題、これからも拘ります。

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コメント

>陸自が撤退すれば、イラクでの自衛隊の活動は米軍支援に特化することになります。

イラク特措法で規定されている、安全確保支援活動のみにほぼ特化されるということになりますね。

これで益々、自衛隊は米軍の一部となると思います。憲法九条が自民党案のように改悪され、自衛軍が創設されたら、自衛軍(自衛隊)は海外で銃撃戦をやれる事になります。

米軍は今イラクで掃討作戦をして、無辜の市民を虐殺しております。それに空自が一翼を担っております。我々の血税も使われております。日本国民の一人として罪深い己に気付きました。

 

投稿: hamham | 2006.06.25 23:23

陸自の撤退を、軍事的な面から見ることもできそうです。つまり・・・。
このまま空自によるイラクへの介入が深化すれば、日本が武装勢力の標的になる日は近づく。陸自をサマワに駐屯させたままだと、基地は激しい攻撃に晒されて銃撃戦に引きずりこまれる。
そうなってからの撤退には予想外の犠牲が伴うでしょうし、といって救援の兵力を送る能力はいまのところ自衛隊には(政治的にも)ない。
空陸自衛隊の犠牲が事実になった場合、国内と国際への影響はどうシミュレートできるでしょうか。
1.日本国内に、にわかに交戦機運が高まって、そのムードを背景に憲法が「改正」され、ぞくぞくと空陸自衛隊(自衛軍)がイラクに派遣される。この場合、アジア各国からの強い反発が予想できる。
2.日本国内に一気に反戦ムードが高まって、それをきっかけに憲法の「改正」、ひいては日米関係まで見直しが始まる可能性がある。
以上2つとも、いまの日本にとっては好ましい傾向とはいえない。
と、考えたのでは?

投稿: わど | 2006.06.26 06:16

hamhamさん。
わどさん。
コメントありがとうございます。
お二人のコメントへのお返事は、内容が重複すると思いますので、ご一緒にさせてください。

本当に、イラクの状況を考えると胸が詰まります。
連日、民間人も含めて犠牲者が出ています。
テロの関しても出口がみつかりません。
今日もニュースでロシアと米軍の犠牲者が出たことを報道していました。
日本の陸自撤退も徐々に始まった模様。
とにかく無事に帰られることを祈っています。
と、同時に、再び日本の自衛隊の皆さんが海外に赴くことがあってはならないし、そんな事態が起きないことを願っているばかりです。
私に出来ることは「書く」ことです。
これしか出来ませんが、これからも見て、書いていきたいと思います。
また生産的なご意見をお聞かせください。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2006.06.26 15:42

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受信: 2006.06.24 10:41

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