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2006.06.24

妖精たちの夜

ウィリアム・シェイクスピアの作品、夏の夜の夢の舞台は、今日6月24日です。
夏至祭(Midsummer Day)ともヨハネの誕生を祝う聖ヨハネ祭とも言われるこの日。
キリスト教の世界観では、
一年中で太陽が一番活発になるこの日の夜、妖精たちが乱舞、魔女が飛び交い、死霊や生き霊が出現。
なかなか賑やかな夜になります。
夏のクリスマスとも言われ、五穀豊穣と悪霊退治を願い、夏至の祝い火を焚きます。

と、言うことで今日は「妖精」について書こうと、
本棚の中にある「妖精学入門」をもう一度引っ張り出してきました。
ファンタジーがお好きな方なら、妖精と聞くだけで、ときめきませんか?
私はときめきます。

「妖精」。

あなたの中では「妖精」はどんな姿だろうか?
私の中では、やはりピーターパンのティンカーベルかなぁ。
では、上の本をガイドブックに、ちょっと「妖精」の世界に迷い込んでください。

==妖精はどこからきたか?==
「妖精は単なる空疎な想像上の生き物ではない。その淵源を民間伝承や神話伝統の物語にたどっていくと、過去から長い時間をかけて人間が培ってきた文化や風習、そしてその時のその生活の場となった土地の風土が深く関係していることが自ずと分かって来るからだ。」
と、初めに書かれています。
そしてその起源は6つ。
1、元素・自然の精霊
2、自然の擬人化
3、卑小化した古代の神々
4、先史時代の精霊、土地の霊
5、堕天使
6、死者の魂

1は「地・水・火・風」の精霊です。
名前はお馴染みの「ノーム」「ウンディーネ」「サラマンダー」「シルフ」。
後世の数々のドラマに出てきます。

2、自然の擬人化については、世界各国共通の「もの」を感じます。
日食、月食、災害に対して基本的・科学的知識がいまだ明らかでない時代。
人々は原因不明の「悪」にはドラゴンや魔女を。
恵みや幸には太陽神や穀物神を信じました。
物活論(アニミズム)や汎神論(パンセイズム)です。
これが妖精誕生の起源の一つであろうと推測することは難くありません。

3、卑小化した古代の神々
4、先史時代の精霊、土地の霊
については、ケルト神話やアイルランドに今も残る先史時代の遺跡などから、推察。
妖精が超自然の力を持つようになっていった歴史や言い伝えがあります。

5、堕天使としては、キリスト教と民間信仰とのゆるやかな共存が伺われます。
イエイツは「ケルトの薄明」と言う本の中で次のように述べているそうです。
「人々の想像力は、むしろ幻想的で気まぐれなもの中に住んでいる。そして幻想も気まぐれも、もしそれが善なり悪なりと結びつけられることがあれば、それらの命の息吹であるところの自由さを失ってしまうのだ」と。

6、死者の魂は極めて日本的です。
つまり「霊魂不滅・転生思想」です。
この考えは興味深いものがあります。
ケルトでは、死者の魂は蝶や蛾の姿をとると言われています。
ピクシーはまさにそうです。
死者と妖精の境目ははっきりしていないようです。
妖精はハロウィーン日、「死者の国の「十分の一税」を納め、
その夜、丘で死者と手を取り合って踊ると言い伝えられています。

こうしてみていくと、
人々の死生観というか世界観は、大差ありません。
自然を畏れ、愛しみ、
死を畏れ、転生を信じる。
そして、次に続く者達との共存をはかるための知恵も忘れはしません。

その2へ。

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