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2006.07.26

裁かれる日本の福祉

書かなければと思っていた記事、その3は承諾殺人:認知症の母殺害の息子に温情判決 京都地裁と言う記事。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 認知症の母親(当時86歳)の介護で生活苦に陥り、相談の上で殺害したとして承諾殺人などの罪に問われた京都市伏見区の無職、片桐康晴被告(54)の判決が21日、京都地裁であった。東尾龍一裁判官は「結果は重大だが、経緯や献身的介護に感謝した母親の心情に思いをはせ、刑の執行を猶予する」などとして懲役2年6月、執行猶予3年(求刑懲役3年)を言い渡した。その一方で、「裁かれているのは日本の介護制度や行政。とりわけ生活保護の相談窓口の対応が問われている言っても過言ではない」と指摘した。
(上記ニュースより)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
家に帰りたがる母。
その母に向かい被告は言う。
「あかんねんで、もう生きられへんねんで」。
母は言う。
「そうか。あかんか。お前と一緒やで。」
今年2月1日のこと。

私はこの記事を涙なしには読むことが出来ませんでした。
今、タイプを打ちながらも涙が出てくるのです、、、
86才の母。
54才の息子。
この二人の胸のうちは如何ばかりであったろうか、、、

そして、この裁判で注目すべきは東尾龍一裁判官の異例の指摘。
「裁かれているのは日本の介護制度や行政。とりわけ生活保護の相談窓口の対応が問われている言っても過言ではない」。

そんな矢先の24日。
生活保護申請を二度却下された秋田市の男性(37)秋田市福祉事務所前の駐車場で自殺。
これに対して秋田生活と健康を守る会と「秋田生存権裁判を支える会」が25日、記者会見。
保護を適用していれば命が失われずにすんだとして、抗議声明を発表しました。
(1)福祉棟の目の前を選び、練炭と七輪を用意し車に目張りしていた
(2)駐車を注意されない日曜日しかないと友人に話していた
(3)同じ友人に「おれみたいな人間はいっぱいいる。おれの犠牲で福祉が良くなってほしい」と話していた、などから、覚悟の抗議自殺とのこと。
そして、
抗議声明は、同市福祉事務所の対応が男性の命を奪ったとして「犠牲者を生まない福祉行政への改善」を求めています。
また支える会は声明で、「老齢加算廃止など福祉切り捨ての路線の中に今回の事件がある」とし、市民の立場に立った保護行政を求めました。
生活保護の受給者は96年の88万7000人から、2005年の148万4000人に急増。
格差は確実に広がっています。
しかも多くの国民が貧困の方向へと移りつつあるのは先の記事に書いた通り。
にもかかわらず、政府は冷たい。
実に情け無用とばかりに切り捨てる。
『一二三号通知』にもとづく『適正化』行政。
1980年代来の国・厚労省による申請拒否と保護打ち切りをすすめ、さらに新たな『手引』をつくるなど締め付けが強化されている現実。調査と指導・指示による生活保護からの排除をいっそう強める内容です。
しかも同省は5月、戦後初めて「全国福祉事務所長会議」を開き、社会・援護局長はメ社会保障が最大の歳出になっている。社会保障の分野で改革の手がついていないのが生活保護だと切り下げに向けて檄を飛ばすという凄まじさです。
生活保護。
一体、誰が生活保護に追いやったのだろう???
そもそもの責任はどこにあるのだろうか???
そして、
この様な悲劇が再び起きないためにどうすればよいか???
いずれにしても政府が本腰で福祉にあたることを望むばかりです。
最後にもう一度、東尾龍一裁判官言葉の確認。
「裁かれているのは日本の介護制度や行政。とりわけ生活保護の相談窓口の対応が問われている言っても過言ではない」。
裁かれているのは「日本の福祉」です。

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コメント

 「生活保護」の問題は今後の福祉行政にとって、複雑でゆゆしき課題です。
 生活保護費がわれわれ「年金生活者」より上回っているのも問題ですが、それはさておき、こんごニーとの人たちが将来、年金もない生活保護者となったとき、当然福祉行政は破綻するでしょう。
 このことをようく考えないと、格差の問題と相まって怖いことになりそうです。

投稿: hitoriyogari | 2006.07.26 16:31

hitoriyogariさん。
こんにちは。
本当に、福祉部門がどんどん、ドンドンと苛められています。
高齢者の医療もそうです。
障害者もそう。
子どもたちもそうです。
働き盛りの人は、これまた過労です。
クタクタでスカスカの丸見えの雑巾のような国民だらけの国がそのうち出来るのでしょうね。
困ったことです。
本当に、、、
もっと、もっと声を大きくしていかねばと思います。
またアドバイス宜しくお願いいたしますね。
では、、、

投稿: せとともこ | 2006.07.26 17:23

生活保護を受けるには資産があるともらえないようです。問題は生活保護と言うのは政府が国民の生活を守る為の制度なのにそれをどんどん破壊して言っているのが現実と思うのです。
もちろん結婚しているのに偽装離婚して生活保護受けている輩もかなりいるみたいです
問題はそれらを排除して本来の所にいき渡るべきなのに華やかでないから最初から深い考察もなく見た目のよさで決定してしまう。それが今国民の生活を圧迫していると思うのです
医療。障害者。年金すべてそうです。
財政再建って本当かなと私最近よく思います
欧米と日本と計算の仕方もかなり違うと聞いた事もありますし・・・

投稿: のり | 2006.07.26 23:45

生活保護を受けられないという相談を時々受けます。

例えば、私が住んでいる町はものすごく田舎なので車は必須。
ヘルニアの治療のため通院に軽自動車を使っている、という理由で生活保護を断られた、と。

癲癇の持病を持つ子どもと2人、月6万で生活しているそうです。医療制度の改悪で月々の医療費が倍増し、月6万のうち1万円以上が医療費で消えるそうです。
車を手放せば生活保護でおそらく月17万程度はもらえるはず。だけど、1時間に1本あるかないかのバスと電車を乗り継いではとても通院できない、と。

おそらく相談に当たった人間の「資質」の問題もあると思われるのですが(私だったら特例を認めさせるよう少なくとも努力はしたでしょう)「車持ってる?話にならないね」的な対応が行政のマニュアルだということです。

ちなみに、この辺りでは、女性が正社員で働いても手取り17万稼げる企業はほとんどありません。
だから、一度生活保護を受けると自活しようとしなくなるそうです。

地域の物価などに合わせて、もう少し補助額を引き下げ、生活保護を受けられる人を増やしていくのが筋かと思います。

投稿: 水葉 | 2006.07.27 00:17

こんにちは。

私の住んでいる国でも事情は同じです。むしろ、問題は日本より進んでいるんじゃないかと思います。悪い方に進んでます。

私はスラムのそばに住んでいるので、万年生活保護の人たちをたくさん見ます。彼らがお酒を飲んで騒いでいたりすると、「あのお酒代やガンガン鳴らしてるステレオ代も私の税金だな」と思って嫌な気がします。麻薬をやりすぎて夜中に救急車で運ばれていると、「ふむ、あの麻薬代も救急車代も出してあげたのね」と思います。

また、決してど田舎でもないのに低所得者住宅に大きな駐車場があり、カーステレオの付いた新車がとまっていたりすると、「うーん、なんでだろう」と思います。また、彼らの多くが明らかに移民であることも謎です。生活保護の申請を拒否されて、住むところも追い出されて凍死している自国民もいるのに、どうも理解できません。ある知人などは、外国人ですが、妻がいなくて幼い娘がいたからだと思いますが、生活保護を何年も受けながら彫刻などやっていて、車どころかボートも持っていました。名義隠しをしていたようですが、よっぽど通報してやろうかと思いました。彼はさらにタバコや大麻やお酒も連日たしなんでいました。

ケースバイケースとはいえ、こうやって悪用する人がたくさんいるから係りの人も疑い深くなるのでしょう。見極めが難しいですね。

投稿: 葉子 | 2006.07.27 07:39

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