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2006.08.14

教育における市場化

第13回出生動向基本調査の結婚と出産に関する全国調査・夫婦調査の結果概要が国立社会保障・人口問題研究所からこの6月に出ました。詳しくは上記サイトをご覧ください。
さて、当然のことながら出生児数の低下が注目されます。
前回の2002年には2.23でしたが、今回は2,09と大幅に低下。
人口を維持できる合計特殊出生率は2.08であることを考えると、益々事態は深刻です。
その理由は「子育てにお金がかかる」で65.9%.
次が「高齢で生むのがいや」。
「心理的、肉体的負担に耐えられない」。と続きます。

また同じ6月。
政府は新しい少子化対策についてを決定。
それによれば、子育て負担軽減に関しては児童手当て制度に乳幼児加算、就学前教育に対する保護者負担軽減、奨学金充実などが盛り込まれましたが現実からは遠いと言うのが実感でもあります。
例えば、ここでは就学前教育について若干調べました。
働く女性の数が増えたことで今では保育所にかよう子どもの数が以前よりも多くなっています。
そこで需要に応じて増えたきたものに認可外保育施設があります。
グレース・インターナショナル・ラーニング・センターのようなすべて英語による保育を実施する施設などがドンドン出来つつあります。保育所と言う児童福祉施設と程遠い保育所の急増が意味することは、
やはり親の所得格差が教育に、しかも就学前から現れて来ているという現実です。
幼保一元化 「認定こども園」法案提出へと言う法案が文科省から提出されました。
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幼稚園でも保育所でもない第三の施設を新たに設けるというより、

①就学前児童への総合的な幼児教育・保育
②地域における子育て支援
の提供施設として、都道府県による認定制度を設ける方向で検討される。親の就労の有無にかかわらず、就学前の児童すべてを対象としている。
 現在、全国35か所でモデル事業を行なっており、

①幼保連携型(幼稚園と保育所が連携し一体的な運営を行なっているもの)
②幼稚園型(幼稚園が機能を拡充させているもの)
③保育所型(保育所が機能を拡充させているもの)
④地方裁量型(幼稚園・保育所のいずれの認可もないが、地域の教育・保育施設としての機能を果たすもの)
(上記法案より)
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この法案だけを見てもよく分からないのですが、
現実に何がどの様に変わるかと綿密に分析するならば、
・保育料がバラバラになる
・選考が市町村単位から施設単位になる
・保育料の滞納が退所に繋がる
・私立保育所が市町村から切り離される
・公的保障の外で保育される子どもが増える
などの問題が明らかになりました。
つまり、スイミングや英会話などのオプションをつける子、そうでない子との保育の中身が違ってくる。
それに対応できない子は置いてけぼりを食うという仕組みが出来上がるわけです。

その焦点は、以下の5つであることをおさらいします。
・保育料
・入所に当たり利用者が直接保育所に申し込む
・設置運営主体の規制緩和
・市場化により株式システムが導入される懸念
・新しい「法律改正」への足がかり
などです。

次に小学校、中学校、高等学校の変化も見ていましょう。
小学校が変わる、というのでは典型として京都の同志社大付属小学校と立命館大付属小学校が今年4月、鳴り物入りで開設しました。
テレビでも何回も特集が組まれていました。
英語を重視、広々とした教室にめぐまれた施設。何よりも凄いのは給食がホテル直営であることなど、話題に欠きませんでした。
年間授業料同志社87万円。
立命館100万円。
また構造改革特区では民間企業が中学を設置できます。
岡山県の朝日塾中学が第1号。
またトヨタが設置した海陽学園。
いずれも授業料は高額です。

教育、保育の現場にも市場原理が入り込み、保護者は子どもたちの教育、保護の主体者から消費者へと変貌を遂げるわけです。
こんな政府の法案をまのあたりにして、
若い人たちが安心して子育てできる未来を設計することは困難だと言っても言いすぎではありません。
子育ては勿論お金だけであ張りません。地域との関わりや家族との関係も不可分ではあります。
が、
一般的な問題として、やはり教育の現場に「構造改革」が入り込むことは良質な教育の提供とは程遠いということをしっかり確認する必要があります。
教育における市場化は先に見た通り保育の現場で露骨に繰り広げられていることが分かります。

次代の子どもたちのために教育の現場で、市場化の原理が蔓延しないように、
しっかりと少子化対策と連動して見ていく必要があります。

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