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2006.08.25

ぎらりと光るダイヤのような日

ぎらりと光るダイヤのような日


短い生涯
とてもとても短い生涯
六十年か七十年の

お百姓はどれほど田植えをするのだろう
コックはパイをどれ位焼くのだろう
教師は同じことをどれ位しゃべるのだろう

子供たちは地球の住人になるために
文法や算数や魚の生態なんかを
しこたまつめこまれる

それから品種の改良や
りふじんな権力との闘いや
不正な裁判の攻撃や
泣きたいような雑用や
ばかな戦争の後始末をして
研究や精進や結婚などがあって

小さな赤ん坊が生まれたりすると
考えたりもっと違った自分になりたい
欲望などはもはや贅沢品になってしまう

世界に別れを告げる日に
ひとは一生をふりかえって
じぶんが本当に生きた日が
あまりにすくなかったことに驚くだろう

指折り数えるほどしかない
その日々の中の一つには
恋人との最初の一瞥の
するどい閃光などもまじっているだろう

本当に生きた日は人によって
たしかに違う
ぎらりと光るダイヤのような日は
銃殺の朝であったり
アトリエの夜であったり
果樹園のまひるであったり
未明のスクラムであったりするのだ

茨木のり子(見えない配達夫より)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「いまどきの夏休みの宿題」…えっウソ!! そんなバカな……と言う記事をdr.stoneflyさんからトラックバック頂きました。
早速、拝見。
記事の内容を見て考え込みました。
コメントを、とも思ったのですが、私自身の仕事とも関係があるので改めて稿をたてました。
なお、意見、感想に関してはdr.stoneflyさんの記事の展開にそっていきます。

・「詩の書き直し」「絵の書き直し」について。
私の意見は「とんでもないこと」です。
空が桜色になるなんて表現。すっごく美しい。
読んでいるだけで、満開の桜と桜に埋め尽くされた青い空のけぶったさが表現されていて、
なんと瑞々しい感性だろうと思います。
この担任は金子みすずさんの「みんなちがって みんないい」をどの様に教えるのかとても興味あります。
絵に関しても、あまりの凄さに笑ってしまいました。
思うに、この先生がたは「真面目」なのでしょうね。
子どもたちの感性を伸ばすとか、学ぶ喜びを教えるとか、そんな回りくどいことより、目に見える成果が大切と思っているのでしょう。
成果を贈ることで子どもたちに自信をつけさせることができるとも思っているのかもしれません(かなり好意的に解釈して)

・コンクール
そうですね。子どもたちより親の方が必死です。
コンクールではありませんが、各種の検定が今、大はやり。
算盤検定、漢字検定、作文検定、算数検定、、、
こうした検定に合格することで「箔」がつきます。
いつの間にか、子どもをおいて、保護者の方が子どもたちの検定に東奔西走という光景も珍しくありません。


・二極化への不安。
親たちが情報に流され、教師が成果主義に明け暮れる原因は、やはり「二極化」への不安と思われます。
日々流れる情報は保護者を塾に走らせるに十分なものです。
保護者は教師に不満を持ち、信用はしていません。
教師は教師で保護者のことを宇宙人と思い「相談」する話し相手とは思っていません。
本来、手を取るべき保護者と教師の分断がますます深くなってきているようです。

・解決
お互いが信頼するということが個々のケースでは一番の解決です。
決して不信感を持たないこと。
例えば先の「詩」の問題。
詩を通して自然界を正確に観察・描写することを意図していたのだな、、、とか考えるといいのではないでしょうか。
また一般的な問題としては教育基本法を初めとして教育全般への深い洞察を
もつことでしょうか。

いずれにしても、教育とはすぐに結論が出るものではありません。長い目でゆっくり見ていくことは
教師、保護者双方に大切なことだと改めて考えさせていただきました。
ぎらりと光るダイヤのような日は少なく、
日常は何気ないものです。それがまたいい、、、

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コメント

 思わず戦時中か?と思ってしまいました。
 以前、なにかの本で水の音をキャララ(だったかな?)と表現したら「水の音はサラサラだ」と否定されてしまったそうで(戦時中の話だそうです)。
 そういえば、自分も小学生のときに読書感想文を何回も手直しされたなぁ~。おかげで全国入選したけど、後で、この文章全部先生が書いたもののような気がする....と思った次第。先生は熱心な方で、それについては疑問をもったことはありませんが。

投稿: トルコライス | 2006.08.25 21:21

おはようございます。
拙エントリーを取り上げていただき、記事にしていただいたことに感謝します。
ワタシの稚拙な記事も、せとさんの丁寧な意見、感想を書いて頂いたことで「生きた」気がします。本当に感謝です。何度も読み返しました。
ワタシは、この記事のもとになった話を聞き、親にも教師にも、余裕のなさを感じてしまいます。もっと素に戻って「本来の姿」、たとえば小学生それぞれが持っているそれぞれの感性、感性を表現出来ない個性もまた、「常識」はずれた発想を耳にする驚き、etc,そんな、それぞれを寛容に見ていることができないのかなぁ、と思います。まさに「みんなちがって みんないい」ですね。
ここでは、親、教師、ですが、多くの人が少しでも「ほんとのこと」を考えれたらすこしは変わっていくような気もするのですが……。
TB、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: dr.stonefly | 2006.08.26 11:39

詩や絵の書き直しですか。ぞっとしますね。でも、私が子供の頃も似たようなものだったと思います。国語のテストなんか、主人公はどう感じたか、なんて問題が平気で出ていて、「こう感じたと思います」と書くとバツを貰ったりしてました。ああ感じるのが正しい、こう表現するのが正しい、というプレッシャーをかけて子供が周囲の顔色を伺うようにしむけるのは、決して今に始まったことではありませんが、それがひどくなっているのだとしたら何だかほんとに戦時中のイメージが湧いてきます。

そういえば、靖国神社に若い人たちが集まって「首相の参拝がなぜいけないのか」と主張した、という記事がどこかにありました。国のために亡くなった人を国の代表者が弔うのは当然、という意見は分かるけど、物事には他にもたくさんの側面があるのにそこらへんを考えようとしない単純な国粋主義者が増えているのであれば、教育の管理化と合わせて余計に不気味だな、と思いました。

投稿: 葉子 | 2006.08.26 12:44

瀬戸さま はじめまして。
茨木さんの詩、いいですね。
詩人は両性具有なんでしょうね・・・意味不明でした(笑)
良い詩には理屈じゃない説得力がありますから・・・すごく嬉しくなるんです(^^)
またおじゃまします。
ではでは。

投稿: こば☆ふみ | 2006.08.26 14:55

トルコライスさん。
dr.stonefly さん。
葉子さん。
こば☆ふみ さん。
こんばんは。
コメントありがとうございました。


トルコライスさん。
そうですね、、、戦時中とまではいかなくても、可成厳しい締め付けはあるようです。
子どもたちにも、教師にも。
真面目で熱心な先生ほど疑問をもたずに「よかれ」と思って子どもたちを管理していくため、保護者の方も「いいせんせい」と評価することが多いです。
特に子どもたちがクラブを始めるともっと熱くなります、、、
さてさて。
結果が出ないとブーイングが来ることを知っている指導者もなかなか試練に耐えているのではと思うのですよ。
つまり「いずこもおなじ」です。
サッカーも、、、ねぇ。
では、、、また。


dr.stonefly さん。
トラックバックありがとうございました。
コメントを差し上げようと思いながら此方で勝手に記事にさせていただき失礼を致しました。
しかし、dr.stonefly さんの記事は本当に考え込みました。
現実には学年が上がるほどもっとシビアになってくると思います。
その最たるものは「全国学力テスト」です。
えげつないですよ、、、
これに関してはまた書きたいと思っています。その折はご意見など頂けたら嬉しく思います。
どうぞ、これからも宜しくお願いいたします。


葉子さん。
本当に、不気味です。
だんだん思想が統一されてくる不安を感じます。
ジワジワと音もなくやってくるので本当に不気味です。
声を出せる間に、なんとか出し、
書くことが出来る間に少しでも書くことが出来たらと思うこの頃です。
この先、どうなっていくのでしょう、、、
それはさておき、秋には此方に帰ってこられるとか。
準備でお忙しいとは思いますがお元気でね。
では、、、また。

こば☆ふみ さん。
初めまして。
コメント、嬉しく拝見いたしました。

いいですよね、、、
じつにいい。茨木さん。
最初に茨木さんの詩に出会ったのは倚りかからずです。
もう、頭から足先までズドンでした。
本当に仰るように理屈じゃない説得力があります。
目指していきたいものです。
なお、これからも宜しくお願いいたします。
では。

投稿: せとともこ | 2006.08.27 18:48

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