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2006.11.24

雇用の行方

完全失業者は政府統計では最悪を脱却しています。
2002年、359万人から2005年は294万人。
失業率の方も5.4%から4.4%に低下。
これは来年2007年の団塊世代の定年退職に備え企業が新規学卒者採用を増やしていることが原因の一つです。
しかし、若年者の完全失業率は高止まりです。
その離職原因・理由は「会社、事業所の倒産、閉鎖」「人員整理」「雇用契約満了」など非自発的理由よりは「よりよい条件の仕事を探す」と言う本人の自発的意志によるものが他の年代より大きいのは肯けます。
いわゆる「七五三現象」と言われるものです。
「職業意識が弱く少しの困難すら願滿することが出来ない若者」と言う前提で若者を判断。そしてそんな若者を雇用するための対策として職業意識の喚起やインターンシップの強化を図ろうとしています。
しかしそれが正しい解決策だろうか???
実際数字として見るならば、新規学卒者の正社員としての採用は年々減少。
大学・大学院卒の正社員比率は1992年は88.6%。
2002年は66.7%。
非正規雇用、細切れ的雇用の増加。
このような雇用形態から引き出されて来る物は、当然将来への不安になります。
若者達は先が見えない状況に閉じ込められたまま、一方では生活のため働きすぎに陥ります。そして社会問題となっているワーキングプアへと事態は進みます。
非正規雇用は若者たちの責任だろうか???
いや、違うと私は思います。
「労働経済白書」の2006年版でも企業の雇用方針に要因があり、その転換の必要性を示しています。
グローバル経済化による国際競争の激化。
そのためコスト切り下げ、リストラ推進。そこから必要なとき必要な技能をもつ人材を雇用する体制が強化。
こうした循環の中に組み込まれていったのが多くの若年労働者です。
さらにこの企業をバックアップしたのは政府の「規制緩和」政策があったことは言うまでもありません。
さらに政府はホワイトカラーエグゼンプションをホワイトカラー全般に適用する法案を今、通そうとしています。
厚生労働省は、労働者を長時間働かせたうえに残業代を一円も払わなくても済む新しい労働時間制度の具体案を、十日開かれた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の労働条件分科会に提示したのです。 具体案では、「自由度の高い働き方にふさわしい制度」が必要だとして、ホワイトカラーへの「労働時間の適用を除外する」と規定。
対象となるのは、
(1)労働時間で成果を適切に評価できない
(2)重要な権限・責任を相当程度伴う地位にある
(3)業務遂行の手段や時間配分の決定に使用者が具体的指示をしない
(4)相当程度高い年収
というものです。   
この制度が導入されれば労働者は何時間でも働かせられ、一円の残業代も払われません。それどころか成果主義賃金とあいまって、「成果」をあげるため労働時間に関係なく働くことを余儀なくされます。
この法案は労働者である私たちには一つも旨みはありません。
ひたすら企業の企業による企業のための法案です。
こんな法案が通れば、果たして労働者は「働く意欲」が起きるだろうか?
決められた時間内で決められたことしかやらない。
創意工夫のかけらも見いだせない。
労働意欲の低下した労働者を抱え込む企業が果たして生存に勝ちの凝れるのだろうか???
長いスタンスに立ったとき、この法案は企業にとっても己の首をしめるようなものだと思います。
今、政府がやろうとしていることは本当は何なのか?
どんな国作りをしたいのか、錯綜とした政策に翻弄されながら私たち労働者は(或いは経営者も)迷路へと追いやられているように思えてなりません。
本当にこの国をどんな国にしたいのだろうか???
安倍さんは。

なおこれに関しては今話題のブログ秘書課、村野瀬 玲奈さんが名簿を作っています。
意見、要望などは名簿の議員さんなどへ送るとよろしいのではと思いますので、ご活用ください。

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