相関関係と因果関係
さらにそうじ力は続きます。
今度は「相関関係と因果関係」についてです。
この二つは紛らわしくてうっかりするとゴチャゴチャになって「罠」にはまります。
まず相関関係。
「2つのまたは2つ以上の変量の間で、一方の変量が変化すると、他方もそれに応じて変化する関係」
次に因果関係。
「因果関係とは、ある事象Aが起きることが事象Bの発生に対して影響する関係。」
このように意味だけ書並べると納得。
どこをどのように間違えるの、、、と聞きたくなりますが、
実は生活の中に山ほどあるんです、ゴチャゴチャが。
たとえば
「お酒をのむとお腹がでる」
「ミカンを食べると風邪をひく」
などなど。
これらは統計的数字を取ると相関関係があります。
お酒を飲むとき、普通おつまみも一緒に口にするから体重が増え、したがってお腹がでる。
ミカンは冬の果物だから風邪をひきやすい。
など納得できる理由があります。
しかし、
お酒を飲む→お腹がでる
みかんを食べる→風邪をひく
とはなりません。
因果関係はないのです。
統計から読み取る相関を因果関係にまで理論づけるには、次の手続きが必要です。
すなわち因果関係が成立するには、有意な相関があること、これを密接性といいますが、その密接性を調べます。
また時間性、普遍性、特異性、合理性をすべて満たす必要があります。
この5要件をすべて満たせば因果関係は成立するとはじめて判断するわけです。
全てのサンプルで、どんなときにでも成立。再現可能なとき、
相関関係は因果関係になります。
が、現実に見られる「AならばB」と言う言い方の多くは実は「AのときBになることが多いよ」と言う場合であるのです。
この違いをしっかりと見極めないと、私たちは思わぬ「罠」にはまります。
そうじ力の場合で言うなら、
「掃除をすると気持ちよくなって幸せと言う運を感じることが出来る人が多い」と言う相関はあるかもしれません。
が、「掃除をする→運がよくなる」と言う因果関係はまだ確立していないのです。
あるいは、文部科学省が子どもたちの学力と朝食について調査した統計から
「朝食を食べる→学力がつく」と言う因果関係を導くことはできません。
以前の話になるのですが、
「母親は子どもの排便シグナルを読むことが出来る→二歳までおむつはいらない」
と言う命題について考えたことがあります。
あの折も、この命題の設定を見たとき「水からの伝言」を思い出していたのですが、
今、相関と因果について考えていると、
改めて、上の命題について深く考え込んでしまいます。
いずれにしても、私たちは巷間に流布されている説を、テレビで見たとか、しんぶん雑誌で読んだとか、
あるいは、どこの誰が言ったから大丈夫と言うようにをア・プリオリに信じることなく、
しっかりと見極める確かな目が必要なものだと考えます。
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コメント
瀬戸さん、こんにちは。
また、いやな事件が起きてしまいましたね。はっきりしない時点でいうのもなんですけど、妹を殺した兄の方には息子として親と同じ歯医者にならなければいけないというプレッシャーがあったのじゃないかという感じがします。その点、自由に自分の意思で生きている妹が羨ましく、疎ましかったのかもしれませんね。
妹から「夢がないね」と詰られてかっとしたらしいですが、「夢を持つ」とか「個性を持つ」ということも、なんだか今の若い人には抑圧として働いているように思えます。「夢を持つ」のは悪くはないですけど、今の時点で夢がないから駄目な人間だということにもならない。あれやこれやと、うだうだしながら、ぐじぐじしながら生きていたっていいはずなんですけどね。関係ない話ですみません。
投稿: かつ | 2007.01.05 18:10