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2007.01.11

夫婦別姓論議

稲田朋美さんの夫婦別姓法制化がちょっとした物議を醸しています。
元記事をご覧になっている方も多いと思いますが、
まず稲田さんの趣旨を簡単に要約します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫婦別姓の賛否は「法が理想とする家族像をどのようなものとすべきかという価値観の違いによる」。
現行の家族法が予定する家族とは「同じ姓、そして法的手続きにより夫婦となったものと、その間にできた子供」である。
夫婦別姓に反対する理由は、
・夫婦別姓は家族としてのきずなや一体感を弱める。
→法律婚と事実婚の違いを表面的になくす。→一夫一婦制の婚姻制度を破壊する→現行の婚姻制度そのものが崩壊する。→これは法が理想とする家族像の破壊である。
・別姓をのぞむ声に対しての対処としては、通称使用の拡大で解決すればよい。
・夫婦別姓推進論者はジェンダーフリー推進論者が多い→彼らは根本的に伝統的な家族の姿に価値を見いだしていない。→夫婦別姓を推進している人は「すべての人に別姓を強いるものではない」というが、例外のために原則論を曲げることが問題なのである。
・「氏名は人格権」という主張→自分勝手に姓を登録できることに行き着く。
・子供が親の姓に拘束される→「人格権」の侵害とは思わない。
・「多様な価値観」を突き詰めいく→同性婚、一夫多妻、何でもありの婚姻制度を是とする。→例外を法的に保護すれば、法の理想を犠牲にすることになってしまう。
最後に法制審について。
夫婦別姓が法制化されていないのは、まさに選良としての政治家の判断によるものだ。最終的な採否は国民の代表である政治家が行うのが民主主義だ。
(上記特集より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さてこうした稲田さんの主張を大きく分けると二つの特徴が見られ、そのいずれもがやがて「国家」に吸収されていくものです。
ではその二つとは何か?
現行家族法の歪曲化と「法の下」に国民を拘束していく思想です。
稲田さん自身がテーゼとして〜〜夫婦別姓の賛否は「法が理想とする家族像をどのようなものとすべきかという価値観の違いによる」〜〜と述べています。
つまり夫婦別姓の賛否は、それぞれの価値観に由来するものなのです。
法が理想とする家族像に対しては100人いれば100人の理想があるのです。それでいいのです。
従って以下、稲田さんが述べていることは、すべて彼女の価値観にもとずく「意見」なのです。
それに対して賛成の人も反対の人もそれぞれいらっしゃることでしょう。
それでいいのです。価値観の相違だから。
私個人に言及すれば稲田さんとは対極になるかなと思っています。
私は夫婦別姓が言われているような家族の崩壊やあるいは一つの例外から法の理想が崩れるとは思っていません。
またジェンダー推進論者が根本的に伝統的家族に価値を見いだしていないという箇所も疑問を抱きます。
寡聞にしていまだ知らない私に対して、具体的に提示していただけると有り難い。
いずれにしても稲田さんの主張は「理想とする家族法」を根本から覆すおそれのある夫婦別姓問題は容認できない、というものです。
理想とする家族、、、かぁ。
いいですね〜〜〜〜
理想とする家族。みなさんの理想像はどんなものでしょうか?
頼りがいのある夫に優しい妻。賢い子どもたち。
一年中花が咲き乱れる庭にレースのカーテンがそよそよとゆれる出窓。
出窓に何を飾ろう?ドレスデンの人形がいいか、古伊万里がいいか〜〜〜
いいですね、、、、単に理想という誰でもそれぞれが自由に語ることが出来る事を書きつらねているのです。
さて理想の家族。夢はドンドン膨らみます。
が、
こんな庶民の理想を保障するのは政治ではなかろうか、、、と考えるのは「選良」ならぬ庶民の私だからか?
稲田さんにあっては理想の家族とは「伝統的な家族」らしい。
彼女は法律の重みをよくご存じだから近代法がどの様に制定されたか十分ご存じと拝察。
伝統的家族がいわゆる家父長制に逆戻りするなんてはずはない。
ならば通い婚にまで遡る、、、
いやいや、それでは一夫一婦制が崩れる、、、
うううう〜〜〜〜ん。
竪穴住居に住んで大家族で身をよせあっていた「あの時代」か。
でもあの時代は乱婚のはず。
じゃ、いつなんじゃ〜〜〜
伝統を重じる一夫一婦制の理想の家族は?

こんな稲田さんの最大にして最悪は最後の締めくくりです。
「夫婦別姓が法制化されていないのは、まさに選良としての政治家の判断によるものだ。最終的な採否は国民の代表である政治家が行うのが民主主義だ。」
うううう〜〜〜〜ん。
民主主義とは何か?
稲田さんにもう一度訊ねたい。
「最終的な採否は国民の代表である政治家が行うのが民主主義だ。」
確かに最終的に法制化するためには国会での承認が必要です。
しかし、
政治家の採決が国民の意志の反映でないことは今までの政治が語っています。
そもそもの民主主義の理念から遠く離れた選良達によって。

稲田さん。
国は大切です。
しかし最も大切なのは国民です。しかも「ひとりひとり」の国民です。
ひとりひとりの国民の言うを聞くのは勿論無理です。
だからこそ法律は緩やかに穏やかなものなのです。
人を縛るための法律はいらない!
人を守るためにこそ法律はある!!!

なお当該の問題について後日、別の角度からも斬っていくつもりです。

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コメント

こんばんは。オランダには登録パートナーというのがあって、結婚に準ずる制度ですが、男と男がパートナーになって、養子をとって、家庭と同じような扱いを受けることもできるそうです。
 私は女性の方が好きだからそういう制度があっても利用しませんが、自分がどういう生活単位を作るかというもっとも個人的な事柄、家族観などはまさに人格権のコアの部分といえると思います。それに国家が干渉しない。徹底した個人の尊重、価値相対主義、自由主義がうらやましいですね。そういう世界では価値観の問題といいながら、国家的価値観をごりごりに押しつけてくる国会議員なんて当選しないのでしょうね。この人たちが言った何を恐れてこんなにビクビクしているのか、という観点から記事を書いている途中でこちらのエントリーを見つけました。書き上がったらトラックバックさせてください。

投稿: luxemburg | 2007.01.11 23:13

議論のパターンとしては離婚の権利をめぐる異論と同じで、まったく新味がありませんね。離婚の権利を認めることが、すべての家族に離婚を勧めることではないのは明らかなのですが。
ただこういう人達の意識としては、秋田の事件のような子殺し、虐待が増加する背景として、「理想的な家族」という規範の崩壊があるという彼らなりの危機意識があるのでしょう。そうすると、次は離婚の権利を制限すべきという方向に議論が進む可能性もありますね。
それはそうと、「理想的な家族」といえばやっぱり皇室でしょう。優しいおじいちゃん、おばあちゃんにお互いをいたわりあう夫婦、かわいらしい子ども達。もちろんそういう役割を担わされていることが、雅子さんの精神的な不調の最大の原因なのでしょうが。

投稿: かつ | 2007.01.14 01:29

luxemburgさん。
かつさん。
おはようございます。
コメント有り難うございます。


luxemburgさん。
そうですね。
オランダのように優れて近代法が敷衍している国にとって、今話題になっているような「国家と個人」と言う問題は前近代的なのでしょうか。
私はかねてから思っているのですが、
「自己と他」とのかかわり方が私たちは未熟なのではなかろうかと。
自由とか民主主義とか曖昧な概念で麗しく描かれている絵。
しかし、それは自分で描いたものではなく西欧からの、あるいは東洋からの渡来もの。
日本人は「取り入れる能力」は優れているから、一応のかたちはできるが消化不良なのか、
と思うことしきり。
今、数学屋の秀さんやかつさんに刺激され宮台や丸山、また戸坂を読んでいます。
が、消化仕切れない自分がここにいます、、、、
ふっ〜〜〜〜とためいき。
またいつか書きたいと思っていますので、そのおりはご意見おきかせください。
では、、、


かつさん。
コメントやトラックバックいつもありがとうございます。
かつさんのブログや秀さんの所に書かれていたコメントを拝見しながら考え込みました。
実は私は武谷三男のファンでした。
高校のとき「科学入門」と言う本を読んで目からウロコ。(畳の上にキラキラと光っている自分のウロコを目にしました)

その後、武谷が湯川秀樹の理論的支柱であることをしり、むべなるかなと思ったものです。
武谷の本はだれかにさしあげて今は手元にないのですが、かつさんに刺激されて戸坂潤をもういちど読んでいます。
またこの感想を書こうと思っていますが、
ニセ科学も書きたいので、いつになることやら、、、
それから秀さんの「成熟社会」にたいしても異論があるので書きたいのですが、、、、
と、いうことで書きたいことだらけで書けない自分をつい許している私ですがこれからもよろしくお願いいたします。では、、、また。

投稿: せとともこ | 2007.01.15 11:56

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