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2007.02.20

多喜二の守ったもの

言葉がだんだん優しくなくなっているように思えてなりません。
中川発言が物議を醸しています。
安倍さんの指導力低下、参議院選など自民党の中でのお家事情もさることながら、
やはり「閣僚、官僚のスタッフには首相に対して絶対的な忠誠、自己犠牲の精神が求められる。」という発言は、いずれ国民にまで及ぶものではないかと危惧するものです。
絶対的忠誠を誓い、自己犠牲の精神を求めていこうとしているのでしょうか?
愛国心という名のもとに、、、

今日2月20日は小林多喜二の命日です。
多喜二への思いは、何回も書いていますので、もしお時間がありましたら過去の記事もご覧ください。
さて、今日は小林多喜二を虐殺した特高のその後について。
多喜二虐殺時の主犯格は警視庁特高部長・安倍源基、その配下で、虐殺に直接手を下したのが毛利基特高課長、中川成夫、山県為三両警部らです。
この安倍源基は山口出身ですが現総理とは親戚関係にはないそうです。
安倍は戦後、A級戦犯容疑で拘置されますが、東条英機たちへの処刑が終わると、占領政策の転換で釈放され、その後、新日本協議会を結成、後に叙勲。
毛利は、終戦直後に埼玉県警察部長を退職。東久邇内閣から「功績顕著」として特別表彰。
中川は、高輪警察署長、築地署長と出世し、東京滝野川区長をつとめ、戦後46年に区長をやめた後、東映取締役興行部長となり『警視庁物語』シリーズなどを全国上映。一方、北区で妻に幼稚園を経営させ、これを背景に64年には東京北区教育委員長。
山県は43年に東京府会議員となり、戦後は丸の内署長時代に知りあったビフテキ店開業、74歳で死亡するまでその経営にあたる。

と、言うことで彼らは戦後も日本の政治・経済に裏から表から影響を与え続けたわけです。
まぁ、彼らもまた時代の子ではあったのだろうが、、、

多喜二が身をもって守ったものは、今、私たちに受け継がれ、これから未来にも引き渡せなければと思う気持で、いつも迎える2月20日のこの日。

私は本当は今年はサラッと多喜二を書こうと思ったのだが、
先日来の中川さんの安倍総理への絶対忠誠なんて時代がかった言葉を聞いたら、やっぱり拘らずにはおれない。
なんだか多喜二が書いてくれと言っているような、、、
安倍と言う名に中川と言う名の奇妙な一致が多喜二の強烈な意志を感じます。(全国の安倍さんや中川さんに何言う物ではありませんからどうぞ誤解なきよう)

多喜二が守ったもの。
それは誰でも普通に暮らせる日常そのものなのです。

〜〜冬が近くなると ぼくはそのなつかしい国のことを考えて深い感動に捉えられている
そこには運河と倉庫と税関と桟橋がある
そこでは人は重っ苦しい空の下を どれも背をまげて歩いている どの人をも知っている
赤い断層を処々に見せている階段のように山にせり上がっている街をぼくはどんなに愛しているか分からない〜〜

多喜二が守ったもの。
それは日本の風景とそこに生活する人々。
過去から「今」、そして未来に繋がる普段着のままの生活なのです。

多喜二が遺したもの。
それは勇気と信頼とさりげないあたりまえさです。

今日、小林多喜二74年目の命日。

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コメント

伊藤整が多喜二の後輩に当たりますね。彼の小説に、若いころの多喜二が出ていたように思います(「若い詩人の肖像」でしたっけ)
こないだの西行の話は初耳でしたが、おもしろかったです。。
奥さんの実父のたくらみでいったん殺されたあと、餓鬼になって復活し、それから熊野権現の力で復活するという小栗判官と照手の話、こっちは伊藤比呂美さんの本で読みました。
桜といえば、安吾の「桜の森の満開の下」
これに出てくる盗賊に取り付く美しい女性、これも鬼なのでしょうか。

投稿: かつ | 2007.02.21 01:00

よく物事をご存知ですね。私のポリシーは【いつまでも残したい日本の平和と癒しの音色河内風鈴】です。この理念に基づいて,励んでいます。戦争できる国にしようとしている,安倍内閣には心から怒り心頭です。可愛いこどもたちに銃は握らせない為に,自分が出来る事はなんでもやっていこうと,考えています。河内風鈴

投稿: 河内風鈴 | 2007.02.21 21:56

特高は戦後も生き延びて、歴史に醜態をさらしました。

多喜二は戦前若くして虐殺され、今人類史に北極星のように輝いております。

多喜二の冥福を祈ります。

投稿: hamham | 2007.02.22 19:36

「マンガ蟹工船」の解説を書いている島村と申します。先日この本の発行元である白樺文学館多喜二ライブラリーで、原作、演劇、映画、マンガなどを比較しながらの講演をしました。その様子は白樺文学館のホームページに掲載されています。

↓白樺文学館ホームページ↓
http://www.shirakaba.ne.jp/

社会全体が暗くて物騒な方向に流れているという実感は否めないところだと思います。いま何ができるかを考え、行動していくことが求められているのではないでしょうか。そんな思いをこめて多喜二の研究をしています。よろしくおねがいします。

投稿: Prof. Shima | 2007.02.24 00:46

かつさん。
河内風鈴 さん。
hamham さん。
Prof. Shimaさん。
おはようございます。
コメントありがとうございます。
お返事しなくちゃと思いながらバタバタしていて遅くなりごめんなさい。

小林多喜二のことを思うと背中がしゃっきりとします。
本当は、多喜二は自然体で委員だよ、、、と言ってくれるだろうが。
それにしても、この頃の世の中。
なんだか危ないですね。


かつさん。
伊藤整ですか、、、
小樽に行ったらありますね。山の中腹に。
私は随分前に小樽に行ったのですが、あのレンガの町には今でも多喜二や伊藤整が息づいているようです。
さてさて、話は変わって安吾です。
安吾です。
もう大好きです。
あの妖艶で透きとおるようで、鋭くて、そして狂気が凄い。
実は桜と鬼と言えば、私の中では安吾です。


河内風鈴 さん。
風鈴さんのブログを拝見しました。
作品、素敵です。
今年もやさしい作品が出来上がったようですね(^.^)
柔らかな風と美しい音色が河内風鈴にはピッタシです!!!
今度、記事にさせてくださいね。

hamham さん。
そうです。
特高は戦後もヌケヌケと生き残り、それどころか支配(?)するがわに入り込みました。
戦後の処理の中でアメリカの索だったのでしょうが、、、
今、きな臭い世の中になりつつあるのは、こうした人たちの怨念とも取れる執念を感じます。
くわばら、くわばら。
多喜二や、其の他平和を願ってやまなかった先輩たちの生き様から、勇気と信念を受け継がねばと思います、、、


Prof. Shimaさん。
初めまして。
早速、ご紹介のサイト、伺いました。
改めて、多喜二の生涯を知り、そのなみなみならぬ思いに触れることが出来ました。ありがとうございました。
蟹工船は小説で読んだのですが、今度、マンガも読もうと思います。
また、いろいろお教えいただけたらと思います。宜しくお願いいたします。
Prof. Shimaさんのこれから更なるご活躍、心からお祈りしています。

投稿: せとともこ | 2007.02.25 09:27

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