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2007.03.19

ご用心 宇宙基本法

今日昼頃食分の小さな部分日食が日本海側の地方(中国地方以西、石川、北東北、北海道)で見ることが出来たようですが、
生憎、私の住んでいる地域はこの範囲にないので残念でした。
また夜は夜で冬の青白く輝く星達はそうそうに西に傾き、天頂は春の星達が静かに活動を始めます。
春の星達は控えめですが、これからは暖かくなるので時間をかけて星空観測が出来るようになります。
おとめ座流星群や、月と昴の饗宴などお楽しみください。
虚空に吸い込まれるように夜空を見上げ、無限の宇宙への思いは尽きることが無い。
宇宙は誰にも邪魔されず、ロマンをもとめ、夢を羽ばたかせる空間です。
いや、空間であった。
のです。

美しい宇宙を前振りにして非常に不粋な話ですが、
これまで「非軍事」に限るとしてきた日本の宇宙開発を、軍事利用にも拡大する動きが、自民党と財界を中心に加速しています。
以前も
宇宙基本法と言うタイトルで書きましたが、宇宙の軍事利用に道を開く「宇宙基本法案」(仮称)の骨子を昨年夏にまとめた自民党はさらに10月、「宇宙開発促進特命委員会」(委員長・額賀福志郎前防衛庁長官)を立ち上げて本格的に検討。そして今・通常国会にも、議員立法で法案提出を狙う模様です。
今回の動きは、平和利用の解釈を変更して「非軍事」の制約を取り払い、「非侵略」であれば軍事利用も可能とする狙い。
軍事目的をもつ情報収集衛星の高性能化、弾道ミサイル発射探知のための早期警戒衛星の導入など、自衛隊による独自の軍事衛星の開発に道を開くことになります。宇宙の「ウェーボナイゼション(武装化)」を目的にしていると言われています。
この背景は 宇宙を軍事に活用したい自民党の防衛族議員と、多額の開発費には国費を使い、衛星やロケットの打ち上げの受注量を増やしたい航空宇宙産業界の思惑が一致したものと言われています。
また、いわゆる防衛族は、専用の衛星通信システムや対衛星攻撃機、戦場気象衛星なども視野に入れて検討しているようです。
さらに警戒すべきは、これはたんに一つの法案ではなく、憲法九条改悪などの一連の動きの一コマであることを見ていく必要があります。
宇宙が映画のシーンのように戦闘の場になっていくのか?
と、言うことではなく、むしろ情報合戦ではと思います。
したがって今でも情報収集衛星については「機密」を理由に情報が非公開にされていますが、その方向はますます顕著になります。
実際、こうした秘密政策は宇宙の開発や科学の発達にとって大きく障害として立ちはだかっています。 
「安全性にかかわる技術交流が妨げられたり、論文発表が自由にできなくなる。そうなれば、科学者にとっても社会全体にとっても、大きな損失だ」と言う指摘も科学者から聞こえてきます。
予算についても然り。
軍事予算が増える分、平和利用の宇宙科学予算が減らされる可能性も大きいでしょう。

私たちは、つい憲法や国民投票法案に目がいきますが、
知らないところで次第に「戦争のできる国」へ一里塚、一里塚が進められていることを、しっかりと見ていく必要があります。
この法案。
絶対、見逃してはなりません!

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コメント

RSSで情報を集めていたところ、このブログへたどりつきました。
大変僭越ながら、新聞情報だけだとは思いますが、よく情報を整理されていると思います。文中に書かれていることで、私が理解している数点を指摘をさせてください。


①宇宙の「ウェーボナイゼション(武装化)」を目的にしていると言われています。

この点は誤解だと思われます。自民党が目的にしているものは、「ウェーボナイゼション(武装化)」ではなく、慶應義塾大学の青木節子教授のお書きになった「日本の宇宙戦略」に照らして言えば「ミリタライゼション(それ自体は攻撃能力を持たない防御的な活動)」です。しかも、これは現行憲法九条の枠内の活動であり、専守防衛の範囲内であることは言うまでもありません。


②宇宙が映画のシーンのように戦闘の場になっていくのか?と、言うことではなく、むしろ情報合戦ではと思います。


この点においては、まったく同意させていただきます。
我が国の安全保障政策は予防外交と紛争の未然防止です。そのためには、この度の北朝鮮によるミサイル事案等のように、実際ミサイルが発射される前にその情報を察知し、国際社会を巻き込んだ形で圧力をかけ、対話のテーブルにつかせることが重要なのです。そのためには、現在のようにアメリカへ情報依存することなく、自前の情報を持った上でアメリカの情報提供とともに情報を整理し判断しなければならないと考えています。


③さらに警戒すべきは、これはたんに一つの法案ではなく、憲法九条改悪などの一連の動きの一コマであることを見ていく必要があります。


赤旗新聞などに同じような文章がありましたが、個人的にはこの指摘には首をかしげるしかありません。先ほども書きましたが、この法案はあくまで現行憲法の枠内での宇宙開発利用を目的としているのであって、この法案によって憲法9条を改正するよう連動させようという意図はまったくありません。もちろん、憲法が改正されれば、全ての法律はその改正された憲法の枠内で考えられるわけですから、この法案の適用範囲も変わるかましれません。しかし、少なくともこの法案で憲法9条が改正されるかのようなご指摘は、まったくの誤解であると思いますよ。


④「安全性にかかわる技術交流が妨げられたり、論文発表が自由にできなくなる。そうなれば、科学者にとっても社会全体にとっても、大きな損失だ」


このようなご指摘があることは承知しております。私も個人的に旧ISASの研究者の話をしたときには、「宇宙科学者もH2Aロケットが失敗したときには、科学者も技術者とともに安全性確保において十分な協力ができた」と言われておりました。問題は、防御的な宇宙開発利用の際に、科学ミッションと防衛ミッションの文化をいかに融合するかという点です。
釈迦に説法だとは存じますが、科学政策というのは研究者グループや個人の構想を持ち合って議論し、最終的にミッションとして確立するボトムアップ文化だと理解しています。それに対して、災害監視や防災等における国民の安心・安全の確保や国民の生活の質を向上させるための総合的な安全保障ミッションは、政府が必要とするミッションをトップダウンですすめるトップダウン文化です。「ハヤブサ」に代表さえる世界をリードする我が国の宇宙科学を今まで以上に振興させるためには、どういう形がいいのかを真剣に考えていいるところです。そのためにも、科学者の自主性は確保されなければならないと考えていますよ。


⑤知らないところで次第に「戦争のできる国」へ一里塚、一里塚が進められていること


「戦争のできる国」というのはどういう国なのでしょうか?
おそらく軍事化が進み攻撃される前に攻撃することができる能力を持つ、などということでしょうか?
ここは議論の分かれるところですが、日本を取り巻く安全保障環境は刻々と変化しています。戸建ての家では、防犯のためにセコムなどのセキュリティー会社へ管理をお願いしたり、地域の防犯のためには地域に警察署があります。日本の警察は、他国とは違い、不審者が内ポケットに手をいれるだけで発砲はしません。それより、防犯のためのパトロールなど抑止力としてその機能を発揮しています。しかし、例えば刃物や拳銃などを手にしていて、明らかに刃物を振りかざし、または拳銃を発砲しようとする者には、「座して死を待つ」ことはせず応戦すると思います。これは緊急避難行為であると同時に正当防衛にあたるでしょう。

これと同じように、我が国の防衛政策は「座して死を待つ」ことを選択していません。ここの議論はまた別の機会に譲りますが、言いたいことは、本法案の目指す「ミリタライゼション」は、上記の警察のパトロール活動に似ています。パトロールをし、情報を集め、不穏な動きがあれば職務質問(ここでは国際社会に訴えたり、また二国間対話に持ち込む)に当たります。ミサイル攻撃に対して応戦することは、我が国のBMDがその任務に当たるわけですが、これもあくまで敵地を先制攻撃することではなく、防御を目的としたものです。

以上、意を尽くしませんが本法案に対する見解です。文中失礼があればお許しください。

投稿: 河村 | 2007.03.23 10:31

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