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2007.03.23

宇宙基本法その2

先に宇宙基本法についてエントリーを挙げたところ考えさせられる丁寧なコメントを頂きました。
ありがとうございます。
本来ならコメント欄でお答えすることが筋ですが、
折しも今日、発射準備でも迎撃命令が可能に ミサイル防衛で閣議決定と言うニュースも出て心を痛めています。
これに関しては以前、笑う者は誰かと言うタイトルで記事に致しましたので、その問題点についてはそちらをご覧ください。
と、言うことで、
頂いたコメントからお返事するに値するものについて再度ここで考えていきます。
(北朝鮮云々や戸締まりの話は、申し訳ありませんが今回はここで述べる必要を感じませんので書きませんがお許しくださいね)
さて、宇宙基本法についてもう一度おさらいをすることで問題を明らかにしていきます。
1969年に宇宙開発事業団法が国会を通過する際に衆参両院が採択した時、宇宙開発は平和利用原則で「非軍事」であるという解釈のもとの決議であった事は周知の事実です。
その後、防衛庁の衛星利用が浮上するたびに国会で「非軍事」に関して決議抵触との議論がされてきました。
そして、ついに政府は1985年に商業利用が一般化している衛星などは自衛隊の利用が認められるとし、この「一般化」論で情報収集衛星も「非軍事」と位置付けて強引に導入。つまり解釈論で安全保障にかかわる宇宙利用をある程度できるようにしました。
しかし、それでも厚い法の壁をとっぱらおうと「宇宙開発特別委員会」は議員立法で「宇宙基本法」の制定に取りかかりました。
そこでは「安全保障」のための宇宙開発と言う理念が謳われ、とくに情報収集と通信・測位が強調。
もう一度書きます。
情報収集と通信・測位が強調されている法案なのです。
そして、その目的のために「平和利用」を「非侵略的」と後退させています。実際、この委員会は平和原則に関しての討論をきっちりとした形跡がありません。
まず結論ありきだったのです。
言葉が後退することは、その先に言葉以上の何かが隠れていることをしっかりと見極めていく必要があります。
過去、何度となく私たちは、言葉により「ここまでは」「これくらいなら」と許してきたものが後になれば取り返しのつかないものになっていたことを経験しています。
国民の治安を守るためと称して保安隊が、
やがて他国の侵略に備えると自衛隊が、
それが今は積極的に海外へ自ら出向いていく「軍隊」になりました。
同じことが宇宙に適用されないとは言いきれません。
それが証拠に「平和利用」を取り下げたのだから、、、
また天文・宇宙、其の他自然科学者からもこの法案は危惧されていますが、その最大の理由は情報の非公開です。
宇宙科学は研究者同士の情報公開によってボトムアップのプロジェクトが進められていたのですが、
情報が機密化することで、研究・開発が立ち遅れて行きます。

また同時にこの法案は宇宙関連産業の振興を謳っていることも見逃してはなりません。
膨大な予算を使って、
宇宙を平和利用から「安全保障」、しかもそれはアメリカのための安全保障であることは明らかですが、
そんな法案を通すことは、将来大きな禍根が残るものと思われます。この法案の今後の行方はしっかり見ていく必要を感じます。

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受信: 2007.03.23 20:08

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