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2007.05.18

今 すべきこと あゆさんへのお答えに代えて

今 すべきことと言うエントリーを先日書いたところ、あゆさんと言う方から実に鋭いコメントを頂きました。
ありがとうございます。
すぐにお返事をと思いながら慌ただしい毎日でパソコンの前に座ることが出来なくて遅くなりゴメンナサイね。
今、改めてお返事に代えてエントリーを書かせていただきます。

まず「規範性」とは何か?
Wikipediaによれば、
「規範(きはん)とは、社会全体の利益のために社会構成員の行動を統制する一定の体系をいう。なお法律は、国家における規範に基づいて制定される。」
とあります。
また同じWikipediaによれば「時間の経過とともに、その本来の機能が忘れ去られて、社会的行為の調整としての機能を果たすこともしばしばである。」
とも書いてあります。
つまり規範というのは、その時代、時代の要請によって変化していくものなのです。
さて、先のエントリーに戻るならば、
改憲論者の主張の一つに「規範性の回復」という議論があります。
この規範制は「憲法の条文と現実との一致をもって確保・保障される憲法そのものの効力・実効性」を指しているわけです。
どんな条文や法律も必ず解釈があるわけです。
現実を条文に一致させて解釈、実行していくわけです。
が、
改正論者の主張は、
「条文を現実に一致させよう」「規範を回復させよう」というものです。
その例として一番、分かりやすいのは憲法9条です。
「陸・海・空その他の戦力を保持しない」という憲法で規定してあるにもかかわらず、戦後、自衛隊が法律で設置されました。
また日本に駐留する米軍は日米安保条約によります。
近年ではイラク特措法が憲法を大きく超えて成立しました。
形式では憲法より下位の法律の規範が憲法9条の規範を奪うという「ひずみ」「ねじれ」が生じています。
憲法学者もこれに対して「解釈憲法」と揶揄(?)気味に語ります。
その点を改正論者は逆用して論を展開。
「憲法の条文、そのもを現実に一致させよう」というのです。
憲法から逸脱した現実を作りながら、
その現実に憲法を合せようというわけです。
そして今日の憲法改正へと論を進めて来たのです。
しかし、先ほども見たように現実はコロコロと変わり、
規範もコロコロと変わる可能性があるのです。
憲法は理念であることを考えるならば、
「憲法と現実の一致」を追求す事は、限りなく憲法は変えられていくということを意味します。
現憲法の下、達成されている規範を尊重し、その上にあるべき現実を構築していくことが健全な法治国家ではと私は思います。

そう言う視点から見たとき、
今回の国民投票法案は現憲法もさることながら、
ひょっとして(個人的には反対なのですが、、、、)新たに制定されるかもしれない憲法に対しても足場の脆いものになるのではと考えます。

いずれにしても憲法とは、
国民に支えられるものなのです。
現憲法は実際、私たちを統治している枠組みとして機能しています。
その枠組みを変えようとするならば、
変えようと主張する側は積極的にそして大いに努力してその主張を展開すべきです。国民の多くが納得してその「新憲法」を支え立憲国家を維持するためには、大多数の国民の合意が必要です。
と、言うことでこれからの3年間、あらゆる角度から、
大いにおおいに、大いに憲法を語っていきたいと思います。

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コメント

ありがとうございます。
なんか難しい理論ならんでて回線パンクしそうですが・・。
 
9条にしぼると、
なるほど下位の法律に憲法合わせるのはなんか変な気がします。
自衛隊を存続前提にかんがえると、ねじれたままにしておこうという事でしょうか?

良い悪い別にして、今までの一連の法を引っ込めて自衛隊を小さくしていくのは無理があるかと思うんですけど?

憲法は理想で、法は現実で、拡大解釈でねじれるのは仕方ないということでしょうか?

投稿: あゆ | 2007.05.18 22:09

せとさん。 今日は。

いい問題を提起なさってくださいました。 私は日本の総理大臣は最も誠実に、国の基本法である日本国憲法を遵守して、法治主義、法の支配、民主政治を実現するように行政権を執行する責任があると思います。 しかし、彼は、その憲法を蔑にして、活かそうとしないで、逆に国民をイタミのどん底に落とすような政治をしております。

それどころか、開き直って、現実に合わせるために憲法を改正すると言い出しております。 これは「法の支配」の政治を破壊し、反民主主義のファシズム政治に通ずる政治手法です。 国民にとっては危険極まりない政治手法です。

しかも、憲法9条改正の震源地は実にアメリカの支配層にあるのにです。

安部首相が憲法改正云々を言うのであれば、先ず現憲法を誠実に執行し、活かした暁に、国民がこの憲法では国民の平和、民主、生活が破壊されるから駄目だと、改正の問題を提起してからやるべきだと思っております。 それが法治国家、「法が支配」する国、民主主義の国だと思います。

投稿: hamham | 2007.05.19 12:15

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