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2007.05.15

今 すべきこと

昨日5月14日の国民投票法成立に関して各紙論陣を張っています。
東京新聞は「この国の“かたち”を決める憲法に、国民全体が真剣に向き合うべき時代に入った。」としていますが、正にそう言う時代に入ったのでしょう。
国民全体が真剣に向き合う時代に、、、

と言うことで私は今日は現実解釈と「規範性」について真剣に向き合い、書き連ねていきたいと思います。

規範性を考えるに先立ち、フランスの国民投票の手続きについて簡単にさらっていきます。
フランスでは憲法条文に基づく場合でも、あるいは一定の政策についてでも「個別的に国民の意思を問う」という目的で国民投票が行われています。
その手続きとしては二つあります。
89条と11条です。
憲法改正手続きとしての89条は大統領又は国会議員が発議→両議院の審議後表決→国民投票。
重要法案の国民投票は11条に手続きが出ています。
しかし、1962年当時の大統領、ド・ゴールは11条に基づいて直接国民投票に付託、大統領公選制を実現しました。
その後、違憲審査付託になったのですが「国民の直接の表現」ということで審査されませんでした。
同じくド・ゴールは1969年にも11条を使って元老院と地方圏制度改革を国民投票に付託。これは否決され、自分の政策への「ノン」と言うことで結果退陣していきます。
さて、フランスでは手続きやキャンペーン、広告は予め法律として定められていません。
その都度具体的に行われています。つまり個別的に国民の意思を問うという目的でその都度、都度、国民投票を行うということです。

一方、日本ではどうか、、、
どうでしょうか。
この間、改正を主張する立場からは、「憲法改正の主たる目的は規範性の回復」と言う言葉がよく出てきました。
つまり現実と「憲法の条文に施される解釈」との一致をみようとするのが改憲を是とする立場の主張です。
この議論の争点が9条を中心にして展開したことは言うまでもありません。
「陸・海・空その他の戦力を保持しない」という憲法よりも、
自衛隊設置に始まりイラク特措法まで下位の法律の規範が現実を支配しているという「ひずみ」「ねじれ」を逆用して、
今日の憲法改正へと論を進めて来たことを見ておく必要があります。
憲法をねじ伏せながら現実を作り、
その現実に憲法を合せようという些か野蛮なやり方にスマートさのカケラもみえません。
即ち「現実の条文解釈への一致」から「条文の現実への一致」とすり替えてきたのです。 
現実と言う言葉で解釈してきたのですが、
ここで「誰の現実か」はということは不問に付されています、、、

さてさて、
現実に条文が新しい規範の下、作り替えられたとしても、
仮にですよ、、、
仮に、新しい憲法が新しい条文を携え出来たとしても、
日々刻々と変化する現実に「新しい規範」もやがて葬りさらなけらばならない必要が生じてきます。
際限なく規範は現実解釈に歩み寄り、変更を余儀なくされていくのです。
つまり憲法は理念もなければ方向も無い。
ただ為政者のためにだけある「法律」となりはてるのです。

憲法の理念から大きく逸脱していくことを、しっかり、
しっかり、
しっかり、
見ていく必要があります!!!

今回の国民投票法案は諸々の付帯事項がつき、いまだ生まれ出づるものとはなりませんが、
私たちが本当にするべきことは、
「憲法とは何か」というそもそもに改めて立ち返ることではと考えます!!!
憲法と何か???
誰のための憲法か???
と。

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コメント

読ませてもらい疑問がでました。

「陸・海・空その他の戦力を保持しない」という憲法よりも、
自衛隊設置に始まりイラク特措法まで下位の法律の規範が現実を支配しているという「ひずみ」「ねじれ」を逆用して、

とありますが、本当にそれ公言したんですか?
9条理由にイラク派遣等反対勢力を退けて、良い悪い別にして拡大解釈してきたのは改憲に積極的な政治家のかたですけど・・。

いい悪いはわかりませんが、自分達が拡大解釈続けてねじれさせたのに、ねじれてるからと理由はなんか疑問感じます。

投稿: あゆ | 2007.05.15 20:29

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