ニュー・シネマパラダイス
ニュー・シネマパラダイス。
昨日、観てきました。
ちょっと前の映画なので、もうご覧になっている方も多いと思います。
実にイタリアらしい映画でした。
青い地中海のイタリアの村を背景に映画しか娯楽がない時代。
主人公の少年と映画技師との心の交流を縦糸に、
美しい少女への恋心や親との葛藤、青春の悩みなどを横糸にして実に美しく織り上がった映画でした。
猥雑でエネルギッシュでそれでいて淡々と流れていく場面に、
いつの間にか私も、あの白い石畳の町の、「とある」劇場で映画を見ているような気分になりました。
映画、、、
私が幼い頃は町に二つ小さな映画館がありました。
東映と、もう一つは個人名の映画館です。
小さな脇道をそれたところにケバイ看板とともに薄暗く建っていました。
なんとなく気だるい雰囲気の映画館。
子どもの私は映画を観るなんてそんな娯楽の恩恵を受けることなんて、
年に二回だけ。
夏休み学校から貰ってくる映画鑑賞券を片手にPTA推薦のマンガとか怪獣物を友達と見に行くのが一回。
あと家族と「その時の話題作」を見に行くことがありました。
四谷怪談とか番町皿屋敷、牡丹灯籠(こうしてみると思い出すのは怪談ばかりだね、よっぽど子ども心にインパクトがあったのか)とかとか、、、
コワイコワイと言いながら、
ドキドキして見ていました。
こう言うときに限って途中でトイレに行きたくなるのです。
映画館のトイレはそれでなくてもコワイのに、ここはさらに薄暗くコワイ〜〜〜〜〜
母についてきて、と頼んでも、夢中で見ている母はウンウン言うだけでいっこうに腰を上げてくれない。
仕方がないので一人でトイレに走り込んだとか、、、
とかとか。
そんなむか〜〜〜〜しの思い出が甦ってきました。
映画。
人それぞれの思い出をのせて、
暗い劇場で想像力の限を使い果たしたあの頃。
観る方も作る方も必死なそんな時代でした。
何も胸打つシーンや心ある言葉が鏤められてなくてもいい。
映画その物も勿論だが、その情景は私にとって懐かしく美しい。
そんな思いがクルクル、グルグルと走馬灯のように駆け回った二時間でした。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
せとさん。今日は。お元気のご様子。何よりです。
>人それぞれの思い出をのせて、
つい、郷愁を誘われました。 小学生の頃町の映画館に同じ小学生の兄と一緒に田舎からチャンバラ映画を見に出かけました。 村道を進みながら、ふと振り返ると母親が必死に追いかけて来ました。 「行っては駄目」、「映画を見ると不良になる」とのことでした。
思い出の一コマでした。
投稿: hamham | 2007.06.20 12:24
せとさん、御無沙汰しております。
ニュー・シネマ・パラダイス、最も好きな映画なんです。
学生時代から何度観たことか。
でも観るたびに、いろいろなことを想うんですよね。
世知辛い世の中ですが、暗いことばっかり頭に入れず、美味しいもの食べて、良い映画を観て寝る・・・これが一番です。
投稿: かねごん | 2007.06.24 00:50