世界の政治経済の変動
レーニンは帝国主義論で帝国主義を以下のように定義します。
帝国主義とは、資本主義の独占段階であり、高度に資本主義が発展することで成立する独占資本が、市場の確保や余剰資本の投下先として新領土の確保を要求するようになり、国家が彼らの提言を受けて行動するとされる。いくつもの国家が帝国主義に従って領土(植民地)を拡大するなら、世界は有限であるから、いつかは他の帝国主義国家から領土(植民地)を奪取せねばならず、世界大戦はその当然の帰結である。(wikipediaより)
しかし、現実の世界はレーニンの想定をはるかに超えた変化をしたのは周知の事実です。
確かに第一次・第二次大戦は帝国主義間の植民地争奪の戦いでした。
しかし、第二次大戦後から70年代までは世界の枠組みはまず東西対決。次に西側世界間のIMF=GATT体制によるアメリカ盟主型の形成。そして第三に植民地体制の崩壊という三つによって特徴づけられています。
ここで見るべきはこの3点はすべてアメリカの戦後構想の賜物であることです。
そもそもアメリカ自身が第二次大戦で武器輸出などで1930年代以来の大不況を回復、目を見張る経済成長を達成。
IMF=GATT体制を盤石の物にするために、旧ブロック圏解体、旧植民地体制解体を目指し世界史上に一大ドル圏を構築することでした。
イギリスやフランスはIMF=GATT体制に抵抗するも、戦後の復興にアメリカの力が必要であったであったであったことから譲歩をよぎなくされました。
敗戦国である日本、ドイツは言うまでもありません。
こうして各国の利権が解体、アメリカに吸収されていくのです。
また対ソ連問題も戦後構想への挑戦ということで積極的に取り組みます。
植民地も東側同盟への参加を表明しない限り積極的に支援、こうしてアメリカ中心の体制を作っていきます。
しかし、1971年の金・ドル交換停止、74年の変動相場制への移行により事実上のIMF体制の崩壊、73年と79年のドルショック。
日本、ヨーロッパ諸国の成長によりアメリカの国際競争力の相対的低下などアメリカは徐々に転落、ついに1985年には債務国になります。
一方、80年代はアジアNIEsなどが目覚ましい発展をとげ、帝国主義と言う言葉さえ消えていきます。
では次に80年代以降今日までの経済の特徴も見てみましょう。
大企業の多国籍的展開と統合された国際金融市場、いわゆるグローバリゼーションと呼ばれる事態が進展したことが顕著な特徴です。
一方、91年の冷戦体制の崩壊でアメリカの軍事面での一極覇権構造ができあがりました。
軍事ではアメリカの一極、経済では資本の海外展開と言う構造が同時に展開されたことがこの間の特徴です。
こうして80年代以今日までアメリカは常に国際市場、軍事の主役になってきました。
「資本が自由に活動できる世界規模の創出」のため、あるときは平和的・友好的に、またあるときはアフガン戦争・イラク戦争などのように、あらゆる手段を講じています。
さて我が国が日米安保同盟の下、アメリカの経済政策に組み込まれて久しくなります。
その間、アメリカは日本に対して経済だけでなく軍事面でもアメリカの肩代わりできる部分はさせようという動きのもと、憲法9条の揺さぶりもきて何年もたちます。
近年、憲法9条問題に関していろんな意見が出ています。
その中には北朝鮮や中国脅威論もあります。
しかし、こうした問題を考える上で世界の中の日本やアメリカを見ることが大切です。
その時、何に注目すべきかというと軍事よりは経済の動きであることは言うまでもありません。
アメリカ主導の新自由主義が果たして長期、維持可能な経済システム化否か、
あるいはそれに代わるものは何か、、、、、
こうした視点で討論・議論を進めることが大切ではと考えます。
この問題、また考えていきます。
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コメント
その拡大理論複数の学者?も言ってました。もっとも資本主義がでなく、新自由主義が・・ですけど。
過ぎたるはおよばざるがごとし??
投稿: あゆ | 2009.04.20 13:10
あゆさん。
そうですね、、、
この問題、もはや一国の資本主義を超え、
拡大を重ねているので、
どこをどう捉えるか、
また、どうすればよいのか、、、、
難しいですね。
もうちょっと、見ていきましょうね、ご一緒に。
投稿: せとともこ | 2009.04.21 10:31