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2007.09.18

芙蓉鎮を観て

劉暁慶 りゅう・ぎょうけい主演の芙蓉鎮を昨日、観てきました。
映画の内容はネタバレにならないように感想のみを記しておきます。
時代は文化大革命前とその最中の中国を舞台に、
権力という暴力に翻弄される一人の女性の物語です。
墨絵のような中国の自然と雑駁な村の様子。
そこに生きる人々のしたたかさ、素朴さが実に克明に描かれているのですが、
うるさく押しつけてこないのです。
淡々と流れていくのです。
主人公の悲劇は当時、至る所で見られた光景だったのでしょう。
誰が敵で、誰が味方か?
誰を信じていいのか?
誰の庇護に下れば安泰か???
人々は昨日も、今日も、明日もひたすら耐え忍ぶ。
「これはおかしい」
「これは間違いだ」と少しづつ気がつく人が増えてくる、、、
そしてやがて悪夢は去り、
中国は「元」に戻ろうとする、、、何事もなかったように。
しかし、
しかし、
人々の失ったものは大きかった、、、
が、
が、
得た者も同様に大きかった。
愛する者のために、
自分の信じるものを守るために、
「生きること」「生き抜くこと」
「牛のように、豚のようにでも生き抜くことの大切さ」を映画は伝えてきます。

この映画は涙がボトボト落ちてたまらない、というような泣かせる映画ではないのですが、
気がついたらやっぱり泣いているんですね。
悲しい涙だったり、嬉しい涙だったり、、、
ハラハラ・ドキドキ。
来る日も来る日も道路掃除をする光景が、
時間の長さを思わせます。
貧しく猥雑な町で生きる人々のしたたかさと活気は、力では抑えきることができないと映画は伝えます。

どんな時代であろう、
どんな所であろうと、
人は生きなければならない、、、

そんなメッセジーをもらい、映画が終了したときはもう5時近く。
「うわっ〜〜〜3時間も見ていたのかぁ、、、」
時が止まっていたのかもしれません。
それくらい、いつのまにか映画に入り込むことができます。
まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。


それにしても主人公の劉暁慶。
いいですね。
その後の生き方がまさに映画の「米豆腐店」胡玉音。

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