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2008.01.30

分かるということについてツラツラと その2

分かるということ、
分かりやすい言葉、つまり聞き手が容易に受け入れる言葉を探して、
私の悩みは、さらに脇道にそれていきます、、、

次もイマドキの方で紹介した記事です。
ちょっと、ここで改めて挙げてみます。
===============
子どもは、大人が思っている以上に、勉強が好きです。
なんとか、わかりたい、
分かる喜びとやらを、自分も感じたい、と思っているのです。
ただ、分からないことを、自分で処理出来ていないことが多々あります。
つまり、相手にも自分にも、「ここがわからない」ということを伝えられなくて、ただ漫然と時を過ごし、モヤモヤだけが募るのです。
分からないことを分かるということは、難しい。
とくに具体的な事実にしか慣れていない頭では、抽象的に思考することはかなり難しいと思います。
先日もある女の子に、数学を教えていた時のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「先生、わかりません。」
と、私の所に来ます。
私は問題をみて、すこし基礎を教えます。
「木が1本ならここは3、木が2本なら6、じゃ、木が三本なら?」
「9」
「おおーーいいじゃない。」
と、誉めてしばらく同様の問題をやります。
「じゃ、木がX本なら?」
と、私が聞くと、
「、、、」
返事がない。
「何がわからないの?」
と、私。
「X本がいくつかわかりません。わからないから答えられません」
と、彼女。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

彼女は、具体的な数字はちゃんとわかるのです。計算もできます。
ただ、頭は算数から数学になっていないのです。
このような子は実に多いのです。
具象から抽象へ。そしてまた具象へ。
この変換が実に難しい。
中学になって、文字式で戸惑う子が多いのは、こうしたわけです。
小学校では、分かっていた算数がいきなり空々しい学問になって、子どもに襲いかかってきます。
もちろん、これでいい、、、とは誰も思っていなくて、なんとか分かるようになりたいと悪戦苦闘。
==============

思い出すと忸怩たるものがあります。
もっとあの子に寄り添えば、もっと早く彼女の心の叫びをキャッチできたのだろうに、、、
と。

子どもが何に戸惑い、
何を理解していないのか、、、
それを知ることは、単に顔や表情や、身振りからでは到底無理です。
何回も、
何回も、、、
なんかいも、
教えて、失敗して、
失敗しても教えて、
と、両方がアセダクダクになって、
ようやく、ほんのちょっとの手掛かりが掴めます。

言葉を共有したい、
共感してよろこびたい、、、
というゴールはまだまだ、、、先です。

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コメント

先のエントリーのM君と瀬戸さん、それから当エントリーでの子供たちと先生、ヘレン・ケラーとサリバン先生みたいです。

投稿: 愚樵 | 2008.01.31 06:01

瀬戸さん、こんにちは。

「木が1本ならここは3、木が2本なら6、じゃ、木が三本なら?」/「9」 と 「じゃ、木がX本なら?」 との間には大きな隔たりがありますね。後者の抽象度は飛躍的です。間に何か表象的なものをはさむ必要がありますし、同時に「1あたりといくつ分」についての構造的な把握も必要でしょうね。

つまり、
(木1本あたりの~の数)×(木の本数)=求める~の数
という論理構造を理解しているか(概念的に把握できているか)どうかというのがとても大切なのだと私は思います。

で、未知数や変数を導入する場合はいくら分よりもシェーマ化しやすい1あたりを先に扱った方がいいと私は思っています。水道方式では未知数や変数の導入にキャラメルの箱→□といった手順を踏みますが、私は箱と□の中間に [ ] あるいは ( ) という段階を入れています。

第一段階は、キャラメルの箱を3個用意し、それぞれに同じ数ずつのキャラメルを入れてキャラメルの総数を求めさせます。たとえば 2個ずつ入れた場合は
1箱あたり2個×3箱分=2個×3=6個
となります。中に入れるキャラメルの数をいろいろと変化させ、式をつくらせます。これを教える側だけでなく子どもにも出題させ教える側が式を作って答える(子どもどうしで出題しあってもよい)。こういった経験によって箱の中のキャラメルの個数(1あたり)は変化しうるものであること、出題することによって教える立場に立ちそれによっていやでも問題の構造を考えるようになること、つまり想像力を目的的に働かせることができます。つぎに箱の数を4箱, 5箱,… と変えて繰り返し練習します。

第二段階は箱やキャラメルの代わりにもう少し抽象度の高い [ ] と ◆ を使います。つまり紙の上に [ ] を2つ並べて書き、下のようにそれぞれの中に◆を2個ずつ書いて、◆の総数を求める式を作らせます。
[◆◆] [◆◆] [◆◆]
そうすると [◆◆] [◆◆] [◆◆] は [◆◆] ×3 と表せて、答えは 6個になります。
キャラメルのときと同じように ◆ の数を変えたり、[ ] の数を変えたりして練習します。

第三段階はさらに抽象度をすすめて ◆を2個ずつ書く代わりに単に [2個] と書くようにします。
つまり [2個][2個][2個]=[2個]×3 ですね。

これを一般化すれば
[□個][□個][□個]=[□個]×3
になります。

第四段階は [□個]×3=( )個 の□の中に具体的な数をいろいろ入れて変数の概念を身につける練習をします。そうすると、□の中の数の変化にともなって ( ) の中の数も変化することが分かります。つまり ( ) もまた変化する数を表しているわけです。しかし、同じように変化するからといって [□個]×3=[□個] と表わすわけにはいきません。こうして変数が 2つ以上あるときには変数を表わすための入れ物が 2つ以上必要だということになります。

では、何を使おうか。○とか△とかいろいろありそうだけど、どうせなら文字の方がいっぱいあって書くのも簡単だから、[x個]×3=[y個] と書くことにしよう。x が 3 とか 4 とかに変身するわけだ。そうすると y も 9 や 12 に変身する。だから x や y のことを変身する数つまり変数ってよぶ。最初のうちは [x個]×3=[y個] でいいけれどそのうち [ ] を書かなくても入れ物のイメージがつかめるようになったら x個×3=y個 と書くことにしよう。

子どもの理解度に応じて臨機応変に対応する必要がありますが大筋ではこんな感じです。中学生でも変数や未知数の概念がよく分かっていない子どもには [ ] や □ を使って説明しますし、そうでない子どもでも応用問題を教えるときには [ ] や □ はかなり有効です。三浦つとむの「認識の発展にとって表象段階はとても重要である」というのを実践しているだけですけれど…。

長々と失礼致しました。

投稿: シカゴ | 2008.02.01 17:35

シカゴさん。
こんばんは。
コメントありがとうございます。

先日、シカゴさんのエントリーの追記、太陽は西から昇って東に沈む天動説が書かれていましたよね。
あのとき、私も「そうそう、、、私も思っていたところ」と思ったのです。
以前、天動説を信じている子が4割という記事を書いたとき、いろいろ反論がきました。
「夢があっていいじゃないか」
「無駄を教えることもいいんだ」とかとか、、、
先日の水伝問題に絡めてなんとなく思い出していたところ、シカゴさんが追記で書かれていて嬉しく思いました。

これに関しては近々書こうと思っていたところです。
その折はまたご意見お聞かせくださいね。


さて、今回の頂いたコメント。
まさにそうだと思うのです。
小学校の段階で「単位」についての理解、外延量や内包量の違い、また等分徐、包含徐の違いをしっかりと教えていないことを痛感したわけです。
私は教える前に、共通の認識と思って先に進んだわけです。ところが、そうじゃないことが分かり、、、

さらにXという抽象を使うことでさらに数が拡大していく事を理解できないことがわかり、、、

と、何重にも愕然としたわけです。
勿論、シカゴさんが言われるような方法は、後からは用いました。
上のエントリーは彼女が何に詰まっているかが分からないということだったので、
分かった以上は手当てはしました。

いずれにしても子どもの段階やそれぞれの壁を突き止めるのは容易ではありませんね、、、
此方の方が教えられる日々です。

では、、、またね(^.^)

投稿: せとともこ | 2008.02.01 21:32

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