江原さんが大学で講義?
江原啓之が旭川大学の客員教授になる件と言うタイトルでkikulogの菊池先生がエントリーを挙げていらっしゃいます。
エントリーの内容もさることながらコメント欄を読んでさらに考え込みました。
大学人として菊池さんが、学問の危機を感じられるのは尤もです。
またコメントの皆さんも、それぞれの立場での専門や経験を語られていて、大いに学ばされます。
さて、そもそもの記事は週刊朝日やJ-CASTニュースに載っています。
この記事によれば、
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江原さんが講義するのは、08年4月に新設される、旭川大学(北海道・旭川市)の保健福祉学部。同大によれば、江原さんは客員教授として、90分の講義を年間2~3回する予定。科目名は「生命倫理」もしくは「コミュニティ福祉への招待」になる予定で、具体的な講義内容などについてはまだ決まってないという。
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とのこと。
旭川大学の保健福祉学部という学部がこの4月に新設されるのですね、、、
保健福祉ということだから、そこでは看護士さんが現場・臨床での患者さんへの対応やケアを学ぶことは当然です。
そこでスピリチュアル・カウンセラーと言う新しい職業の肩書きをもつ江原さんが、食指を動かしご自分から名乗りを挙げられたというのがニュースの記事。
そして、大学側は、
「講義では「スピリチュアル・カウンセリング」について直接扱うのではなく、あくまで「看護婦や看護士の実態や対処の仕方」が主なテーマになるようで、「スピリチュアル」を扱った講義として広報することはない」と言っているそうです。
と、なると江原さんは何を話されるんだろうか?
学生さんを前にして。
あくまで「看護婦や看護士の実態や対処の仕方」が主なテーマと大学当局は言う。
一方、江原さんは、ご自分の経験から、看護士さんたちの終末医療での現場での厳しい状況のカウンセリングを通して、新しく看護士さんになる若い人たちに「こころの持ちよう」を伝えたいと申し出たと言うことは、江原さんはスピリチュアルの話以外、何が出来るというのか?
まさかテレビ出演の裏話や本の売れ方?
あるいは音楽の話をなさるわけではないでしょう。
大学側が対外的にどんな言い訳しようとも、
江原さんを招聘したということは、スピリチュアルの話を学生さんの前で話すということです。
そして、その目的は、
看護婦さんや看護士さんの実態や対処の仕方の一つ、
ということになります。
これは、はっきりいって重大な瑕疵を大学に残すものと考えられます。
真理を探求するという自らの目的を霊媒師に明け渡すということになります。
(江原さん、霊媒師でなくてスピリチュアル・カウンセラーだそうです)
大学は、学問をする場です。
それが医学であったり、工学であったり、法学、文学であったり、
あるいは宗教学であったり、
様々な分野ではありますが、
「科学」という言葉に収斂していく学びの場です。
もし、当該の大学(旭川大学)が本当に学生さんに、終末医療の現状と看護婦さんや看護士さんの実態や対処の仕方の一つを教えたいとするならば、
学問としての心理学や社会学という面で斬っていくことが誠実な態度だと考えます。
死を目前にした患者への医療以外の心優しさ。
家族への気配り。
そして自分自身の心の持ちよう。
それらは霊の問題ではありません。
生きている私たちの問題です。
社会の問題です。
終末医療の充実や環境整備を学ぶことだって、大事な勉強です。
江原さんは、「科学」の何を教えるのだろうか???
これから、
終末医療という最も人間が畏れ、戦き、
そして如何に威厳をもって貫くかという「人として試される」現場で働く方々。
その彼らが、患者さんや家族の方々に、
安易に「おおいなるもの」に頼らせようとする姿勢は、
物事の本質と向き合うエネルギーをそぐものです。
考えることや感じることや対峙することを、全て何者かに預けてしまうと言うことは、
一見はラクに思えますが、実際は問題の放棄です。
医療現場のスタッフがすべきことは、ただ一つ。
医療のプロであることです!!!
最後まで患者さんとともに戦うこと。
病と戦うことです。
医療現場でプロとして働くスタッフには、
患者は信頼をよせます。
自らの仕事に全力で向き合うことを教えることこそが、
旭川大学のなすべき授業ではと考えます。
生命倫理なら、霊に頼らなくてもいいではないですか?
コミュニティ福祉への招待なら、何も霊をご招待しなくても生きている人々とのコミュニティを図ったほうが、よほど生産的ではないでしょうか?学長さん。
と、言うことで江原さん。
あなたの霊は、どのようにこの問題を見通していますか?
私は霊は見えません。
見えない私は理性で考え、感じたいと願っています。
そんな私からすれば、この話、誠実ではないように思えます、、、
(あっ、いえね。
江原さんのなさっている仕事を理解して、なおかつ相談に行かれる方々は、それはそれでご自分で納得しているのだから宜しいのですが、
今回のように、学生さん相手に、講義することが誠実ではないと申しているのです。)
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