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2008.04.15

私学の行方

少子高齢化が叫ばれ久しくなりました。
各方面でこの言葉の煽りを受けているわけですが、一番影響を受けている場は、やはり教育の現場です。
昨日14日、新設学部で定員オーバー、転部認める 立命館大と言うニュースを読みながら私立大学の経営について考え込みました。
今日現在、私立大学は学校数76.2%、学生数73.7%教員数55.3%です。
これに私立短期大学を含めると圧倒的多数の学生・教員が私立大学に依存しています。
しかるに私立大学の経営状態は年々悪化の一途をたどっています。
山口県萩国際大学が民事再生法適用になったのはまだ記憶に新しい出来事です。
酒田短期大学の解散なども思い出します。
私立大学は収入の大半は入学生の学校納付金と志願者の受験料です。私学助成金は経常経費の12.2%くらいです。
私学にとっては学生数が多いことは即経営に結びつきます。今回の立命館の問題も、大学当局にしてみれば少しでも多くの学生に入学してもらいたかったのでしょう。
この問題、ひとり立命館大学の問題ではありません。
私学が、あるいは公立・国立大学が次第に経営という名の元に学問が切り捨てられる状況が進みつつあるようです。
日本の高等教育政策史の検討を試みるならば、
三つの時期が特徴的です。
一つは明治以来の軍事国家による帝国大学中心の複線型高等教育体系。
もう一つは日本国憲法に保障されている国民の教育権が保障された時期。
そして三つ目は1980年代以降の中教審・臨教審答申以降の教育です。
とくに私立大学は臨教審答申の「21世紀にむけて教育を考える」に沿って大学像が制限・規制された感があります。
そして予算についても「特色ある大学」「個性ある大学」に支援がつく仕組みが出来上がります。
これは結果、大学自身の自治を奪い、
開かれた大学、学問の自由を阻む役割を担いました。

危機に瀕する私立大学の姿は、
やがて公共教育全体へと移行する姿でもあります。
教育を守り学問の自由を保障するために、
国は私学の経営にもっと補助することを願ってやみません。

この問題、さらに今後も検討していきます。

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コメント

いえ、立命館の今回の大幅定員超過は、「大学当局にしてみれば少しでも多くの学生に入学してもらいたかったのでしょう」ではなく、学部新設に伴なうよくある事故なんです。

大学の場合、合格者はたいてい他大学にも合格しているので、かなりの入学辞退が出ます。だから、定員ぴったりではなく、入学辞退者をみこしてかなり多めに合格を出します。具体的には、定員÷(1−予想辞退率)(人)に合格を出します。ここで、予想を外して実際の辞退率が予想より極端に小さいと、大幅な定員超過をおこします。新設学部の場合、過去の実績というものがありませんので、予想を外しやすく、定員超過をおこしやすいのです。

ちなみに、辞退率が予想より大きくて定員割れをおこすこともあります。これも、新設ではおこしやすいです。

で、今回の立命館大学の事態についてですが、文部科学省が定員超過に対するペナルティを杓子定規に適用するのが根本の原因です。新設に限り適用除外すれば良いだけです。これは、入学者の不利益にはあまりなりません。そもそも、定員超過すると入学者に適切なサービスが提供できなくなるというのが、ペナルティの趣旨です。しかし、新設ならば上級生はいませんので、教員ががんばれば新入生への適切なサービスの提供が可能です。

ということで、定員超過に対するペナルティを新設に限り適用除外するよう文部科学省が運用を改善するのが、望ましい解決ですが、はたして、その方向に向かうかどうか。

投稿: wd | 2008.04.16 18:10

wdさん。
こんにちは。
コメントありがとうございます。

立命館大学の今回の定員オーバーに関して詳しくご教示頂きありがとうございました。
とても参考になりました。

私自身はこの問題を皮切りに、
昨日、今日、それから今後も続けて私学助成やら国立の法人化に伴う問題にスポットをあてていこうと思っています。
日本の高等教育の劣悪な環境は学問そのものの衰退を意味すると考えています。
学生にも教員にも今よりは豊かな環境で研究していってもらいたいと切に願っています。

これからも、この問題、折りにふれ書いていきたいと思いますので、またアドバイスやご意見を頂けると嬉しく思います。

では、、、また。

投稿: せとともこ | 2008.04.16 18:33

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