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2008.04.22

判決

重い判決が出ました。
光母子殺害の判決が今日言い渡されました。
当時18歳の少年は今は27歳。
9年の歳月が流れました、、、
彼らの中で、この9年という年月はどの様に流れたか、
私はわかりません。
時間は、傷を癒してくれるはずがない、
時は罪を贖ってはくれない、、、
と、言うことでしょうか。
私も過去にこの事件についてエントリーを挙げました。
また時計じかけのオレンジ 再考と言う記事を2006年の7月に書き、その中でもこの事件について語りました。
結びとして、以下のように書きました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
監督のメッセジーは何か
犯罪者が人権を保障されるとき、私たちも、その社会で人権が守られる。
キューブリックは、この映画で時代に問題を投げかけ、
そして問うた。
答えを出すのはその時々の「我々」です。
今、私たちは問いを投げかけられています。
主人公のような人格さえ認める社会と、
犯罪者は徹底的に洗脳・精神的な去勢する社会といずれが健全な社会かと。

この様に、たたみかけていると私は思いました。

あなたは、どう思われますか?

私は、社会が守るべき者は「すべからく」人権ではと考えます。
犯罪者になんの人権ぞと思う社会は、
一般人の人権にも冷たいと思います。

法律は罪は裁くが人は裁けない。
ならば、社会そのものが、子どもからお年寄りまで人権を守り、敬意を表する、そんな時代を作ることに努力していけたらと、、、と願いながら。
(過去の記事より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今日、
原告本村さんの最後の言葉が、ますます重くのしかかります。
=================
本村 決して喜ばしいことではないと思っています。厳粛な気持ちでこの裁判所の判決を受け止めています。遺族としては当然、応報感情を満たされたわけですから、報われる思いはありますが、社会にとってみれば、私の妻と娘、そして被告人の3人の命が奪われる結果となったわけです。これは社会にとって不利益なことです。

 私はこの事件にあってからいろいろ考えておりますけれど、やはり刑法っていうものは社会秩序を維持するための目的を達するための手段だと思っています。死刑という大変重い判断が下されましたが、これで終わるのではなくて、私たち遺族もこの重い判決を受けて真っ当に生きていかなければいけないと思いますし、社会のみなさまにも、どうすれば犯罪の被害者も加害者も生まない社会を作るのか、どうすればこういう死刑という残虐な、残酷な判決を下さない社会ができるのかを考える契機にならなければ、私の妻と娘も、そして被告人も犬死だと思っています。死刑の存廃等の問題が騒がれるようになるかもしれませんけど、刑罰はどうすれば私たちが安全な環境を作れるかということを考える契機にならなくてはいけないと思いますので、そういった方に社会が向いていくことを望みます。

(上記ニュースより)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「刑罰はどうすれば私たちが安全な環境を作れるかということを考える契機にならなくてはいけない」。
本当に。
本当に、、、
安全な環境を作るために私たちはどうすればいいのか???
それは決して刑罰に頼ることだけではないのだろうと、今は漠然と思います。

それにしても、この判決。
いずれの場合であっても辛かった。

今、やはり辛い。

間違いないなく私に出来ることは、
亡くなった方のご冥福を祈ることと、遺る方々が今後、幸せに(本当にはやく)なっていただくことを願う事。
もう一つは、
死刑の是非をも含め、安全な社会を作るために如何にあるか、何ができるかをこれからさらに考えていくこと。
この二つです。

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コメント

こんにちは、せとさん。

 実は、この話があるブログで話題となった時に、私は「こういう弁護は被告人に不利益を与える」という意味のコメントをしていました。でもって、今回の判決理由を読むと、まさにその通りの判決理由が書いてある訳ですね。

 でもって、「どうだ予想通りだろ」なんて思えないんです。なんていうか、判決理由にこういう事は「書いて欲しくなかった」と思って居るんです。ただ、「情状面の審理が不十分だからやり直せ」と差し戻された裁判だから、情状面については判決理由に詳しく述べなくてはならないという特殊性はあるので、「書くな」とも言えないんですけどね。

 なんていうか、私はいろんな判決文を読んできたのですが、皆さんが思っている以上に「裁判官の心証」というのは裁判を大きく左右します。特に、情状面では大きいです。私が関係してきた悪徳商法関連の刑事裁判でも、「深く反省しており、全容解明の捜査へも協力的であった」として「懲役1年6月、執行猶予3年」がでる場合もあれば、「情状を酌量すべき余地はない」として「懲役3年」の実刑となる場合もあるわけです。

 なぜ、今回の判決で私が「虚偽主張で事実関係を争う」を情状酌量すべき余地がない理由として書いて欲しくないかというと、基本的に情状酌量というのは「加点法」での採点に近い感覚があるからです。「何々の現象を説明せよ」という問題の解答記述に関して、ピッタリの専門用語が書いてあればまず5点、その専門用語の意味が正しく分かっていれば5点、それで現象を正しく説明していれば10点の20点の問題なんて考え方ですね。専門用語をど忘れしていても、専門用語の内容が書かれていてそれで説明できていれは15点だし、説明はデタラメでも「専門用語」が書いてあれば5点は差し上げるという採点方式です。この方式で大事なのは、デタラメの部分があっても、それを理由として減点はしないという事なんですね。単にデタラメなら点を上げないというだけなんです。

 情状酌量というのも本来は加点式に考えるべきでして、「こういう部分が見受けられるから少し酌量」「こういう部分もあるから少し酌量」と足していって、「減刑」という合格点に達するかどうかというものだと思うわけです。でもって、普通は酌量に値しないと判断した部分はほとんど説明することはないわけです。下手に説明すると「加点しなかった」のではなく「こういう理由で減点した」と取られるおそれが有るからなんですね。

 もちろん、今回の判決理由も「減点した」訳ではなく「酌量しなかった」という部分の説明に過ぎないのですが、世の中は、こういう事をやると情状酌量の減点になる」かのような取り扱いをしてしまいやすいものであるので、気になる訳ですね。

 なんて言いますか、刑事裁判で被告人が「悪あがきをする」なんて事は珍しくもなんとも無いことなんですね。悪あがきをする権利はあるから好きにしてくれ、でも、裁判官は認めないよにすぎないんです。でもって情状面では「悪あがき」は酌量の対象にならないから無視されるのであって、酌量を減ずる訳ではない。だから、情状酌量の理由には悪あがきの事は何も書かない訳です。そういう意味で「こういう理由は書いて欲しくなかった」という思いがあります。

投稿: 技術開発者 | 2008.04.23 08:18

 何かすっきりしない判決だと思います。判決そのものはそれで良いのですが、その後直ぐに上告した事がすっきりしない部分です。
 本当は最高裁で判決を出し、差し戻し審などしない方がすっきりしたのですが・・・・・。
 それにしても09年5月21日から始まる裁判員制度を、凄く意識した判決ではないかと思います。

追伸;コーラスはまた曲目が増えていました。
 「あなたの笑顔」作詞 星乃ミミナ 作曲 西脇久夫 編曲 石黒孝子 「水色のワルツ」作詞 藤浦 洸 作曲 高木東六 「出船」作詞 勝田香月 作曲 杉山長谷夫 「山のかなたに」作詞 西條八十 作曲 服部良一 以上四曲です。 

投稿: hitoriyogari | 2008.04.23 17:04

こんにちは、 hitoriyogari さん。ここで日本の司法制度について議論する気も無いのだけど、一応、司法制度の基礎知識みたいな部分なので説明させてくださいね。

>本当は最高裁で判決を出し、差し戻し審などしない方がすっきりしたのですが・・・・・。

刑事裁判というのは検察が出した基礎要件について事実かどうかを定め、そうやって定めた事実に対して法律を適用して罰の大きさを定める手続きです。三審制というと、三回の裁判全てで同じ事をするみたいに思われるかも知れませんが、実は地裁・高裁の審理と最高裁の審理では異なることになっているのです。地裁・高裁では「事実かどうか」という事実解明部分の審理もするわけですが、最高裁は「事実解明審理はしない、あくまで法律の正しさや法律適用の正しさを審理する」ということになっているわけです。

そのため、今回の裁判の検察側の上訴が「高裁の裁判官が法律の解釈を誤っている」ということなら、最高裁で審理し判決出来るのですが(それをやったら「請求棄却」という判決になったと思いますけど)、あくまで「高裁の情状酌量要件の審理に不十分なところがあり、量刑が不当である」という上訴なので最高裁で審理し判決を下すことができないのです、そのため、「不十分な審理の部分をやり直せ」と差し戻すしか無いわけです。

投稿: 技術開発者 | 2008.04.24 08:15

技術開発者さん。
hitoriyogari さん。
コメントありがとうございます。
この問題、あまりに大きいので考えていて、すぐにはお返事できませんでした。
今も考え中なのですが、、、


技術開発者さん。
詳しい説明、ありがとうございます。
減点法と加点方ですか、、、
なるほど。
すごくよくわかりました。
そして、今回の判決を含め、色んな裁判が「もどかしい」わけも。
そうすれば、なおさら来るべき裁判員制、よくよく心がけなければと思いを新たにしています。
ううううう〜〜〜ん。
難しい。
本音です。


hitoriyogari さん。
詳しい状況は技術開発者さんが説明してくださったので、私もよくわかりました。
技術開発者さんって、本当に私の中では「ドラえもんのポケット」みたいな存在です。
それはそれとして、スッキリはしないのはみんな同じでしょうね。
この問題、マスコミが騒ぎすぎたのも大きいのでしょうか???
まだまだ成り行き、見守って行きたいですね。

それから、コーラス、頑張ってねぇ。
水色のワルツ、好きです。
じゃ〜〜〜ね。
奥様にもよろしく。

投稿: せとともこ | 2008.04.24 10:47

こんにちは、せとさん。

>それはそれとして、スッキリはしないのはみんな同じでしょうね。

 まあ、刑事裁判というのは基本的に「すっきり」はしないものなんですね。私は「被害者や被害者の家族でも無い皆さんは加害者や加害者の家族でも無い」なんて変なことを言うのです。「被害者やその家族の身になってみれば、許せない気持ちになる」もあるだろうし「加害者の家族の身になってみれば、それでも情状酌量を求める気にもなる」わけです。まあ、なかなか加害者の家族の身になるというのは難しいんですけどね。本来はその両方の身になってせめぎ合った結果として判決があるものだからね。

 何でこんな事を書くかというと、こういう経験があるんですよ。あるとても一本気な主婦の方が「テープ起こし」系の内職の被害に遭われましてね。一本気ですから、そのテープ起こしの教材で一所懸命に練習されていた分、「騙された!、許せない!」も大きくて、警察にも協力されて、その会社の上層部は皆「詐欺罪」で裁判に成ったわけです。一本気な人ですから、その刑事裁判もずっと傍聴されましてね。でもって、罪を認めてひたすら反省の態度を示した犯人たちの裁判の方が早めに結審して「執行猶予付き」の判決が出たんですね。まあ、初犯だし、反省もそうそう演技でもない面があるんで、私の見方としては「こんなものだろうな」という判決でした。ただ一本気なその被害者の方は怒り狂われた訳ですね「執行猶予なんて許せない」なんてね。でもって、いろいろとおなだめしている時に、その加害者の親御さんの陳述の話になりましてね。老後の蓄えを取り崩して被害弁済の一部にあたてりして、「今後はしっかりと監督致しますから、なにとぞ温情のある判決を」なんて陳述なんですよね。その話にを思い出すことで、一本気な被害者の方も「しんみり」されましてね。「確かに、あの親御さんたちの気持ちになれば、なんとか刑を軽くと願う面もあるだろうね」なんてね。

なんていうか、私は判決文マニアみたいな面はあるんだけど、本質的に刑事裁判の記録で気持ちがスッキリしたことなんてほとんどありゃあしません。いつだって気分が重くなるんです。

投稿: 技術開発者 | 2008.04.24 11:48

こんにちは、せとさん。連続になってしまうけど、私はこの事件で結構いろいろと考えさせられたので、そのことを少し書かせてください。

 一番考えたのが「量刑の相場」という事と「レジ打ち判決」という事です。「量刑の相場」というのは、同じような事件では日本中どの裁判所でどの裁判官から判決を受けても一定範囲内の判決であろうとすることです。もちろん刑法は罰の範囲を定めています(罪刑法定主義といいます)からそれを超える事は無いのですが、法律で決まっている範囲はかなり広いので、裁判官が定める範囲はもっと狭いところで或る程度揃うようにするという事です。でもって、私みたいにいろんな判例とか知っていると、どの裁判官でも或る程度揃っている事を感じます。

 ただ、「量刑の相場」を知りすぎると「レジ打ち判決」に成る面があって、私自身は判決をする立場では無いけど、自分自身にもそういう面が出ていた事を反省したんですね。レジ打ち判決というのは「1500円が1点、2000円が2点で締めて5500円のお買いあげ、お得意さま割引1000円があるので4500円です」なんての同じように「強姦目的だから悪質、衝動的殺人1件は悪質、その後の子供殺害は完全に衝動的では無いのでもっと悪質、締めて死刑、初犯であることの酌量、犯人が若いという事を酌量、性格の未発達分を酌量する事で無期懲役」なんてね、私自身、犯罪の状況を知らされると無意識の内にこんなレジ打ちをやってしまっている面があったんですね。

 なんていうか、量刑の相場を重んじる立場からすると、そういう罪の重さの積算と情状酌量するべき要素の積算というのは逃げることはできないんだけど、「機械的にやってはならない」という部分なんですね。どうしても数多くみてしまうと「機械的」な面が出てしまっていたと思うわけです。裁判員制度みたいなことの裏にも、数多くの事例をこなす裁判官が「機械的な積算」に落ちこみやすいことがあるのかも知れないと考えたりします。

投稿: 技術開発者 | 2008.04.25 10:37

技術開発者 さん。
コメントありがとうございます。

本当に胸にズシリときます。

「レジうち」の被害に遭われた方の気持ちもわかるし、
加害者、またその家族の思いも痛いようにわかります。

実際の裁判では、
それぞれがいろんな人生を抱えてのことゆえ、
一つひとつの事例に一つひとつの思いを重ねることができないのでしょうね。
それが「レジうち」になるんでしょうね、、、
そうじゃなきゃ、裁判、つまり「人が人を裁く」ことなんてできないんだ、と思いました。
難しい、、、

以前も書きましたが、
カウンセラーの友人は「自分にひきあてない」ことを旨としていました。
家庭裁判所の調停員は、ひたすら「もの」として扱うことを心情としていました。
感情移入をすると「仕事ができない」と。

人がひとを裁く。
本当に神ならぬ人がなすことゆえ、
誤りや失敗も織り込みで、法律ができているんでしょうね。
なんとなく分かったような、、、
それでも、悲しいような、、、
そんな「感傷」です。今は。

投稿: せとともこ | 2008.04.25 15:32

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