労働者派遣法論点整理
今年の2月(2008年2月14日)発足した、
「今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会」(厚労相の諮問機関、座長・鎌田耕一東洋大学教授)が7月11日、論点の整理を行いました。
派遣労働の規制強化は、福田総理や舛添要一厚生大臣が日雇い派遣を原則禁止するなど労働者派遣法の事実上の改正案を秋の臨時国会に提出することを表明しました。
これを受けての、今回の研究会の論点整理。
中身は、
日雇い派遣を事実上、原則禁止にすることなどを盛り込んだもので今月末にまとめることを確認。
違法派遣に関与した派遣先に対して、労働者に雇用契約を申し込む義務を課し、行政が直接雇用を勧告する制度を設けるほか、労働者が企業に損害賠償を求めることができるようにすることも新たに確認。
人件費削減のため派遣会社をつくってグループ内に派遣することを規制するほか、労働者を解雇・転籍させて再び自社に派遣させることも新たに規制することで合意。
企業側が求める派遣受け入れ期間(最大3年)の制限や雇用契約申し込み義務の撤廃については「常用代替防止は維持すべき」として退けました。
また、労働者が求めるマージン率(派遣会社の手数料)規制や均等待遇などについては「派遣だけを規制できない」として、派遣料金などの情報開示の義務付けなどにとどめています。
派遣法改正へと言うエントリーをつい先日書きましたが、政府も見直しの急務を感じているようです。
深刻な格差社会と言う記事を書いた2006年よりさらに、深刻度は増しています。
しかし、格差問題と関連づけて考える事は、政府はどうも嫌なのでは、、、と思います。
規制改革会議の「中間とりまとめ」では、
「労働者派遣法の改正による労働者派遣の拡大が格差社会を招いたと判断するのは短絡的」とか、「真の労働者保護は規制の強化により達成されるとは限られず」などと主張していました。
うううう〜〜〜〜ん。
臨時的、一時的な雇用形態のうえで、
正規社員と派遣社員との格差をもうけ、
その隙間に出来る「もうけ」をやすやすと吸収していく日本の社会の体制、、、
格差社会の原因と結果。
二つの側面を担っている派遣体制。
この体制をいつまでも続ける事は、もう無理です。
綻びがあっちこっちに顕在化しています。
この問題の一刻も早い解決、というか見直しを求めるものです。
なお、
世界の片隅でニュースを読むのブログでは、この問題を意欲的に分析なさっています。
労働者派遣法改正問題リンク集がためになります。
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コメント
人材派遣会社の資産要件変更には「労働(非正規)セーフティネット」を
◆唐突な制度変更は新たな失業者を生む
09年10月に労働者派遣法の資産要件が変更になります。その変更により、次回更新時に派遣会社は縮小や廃業に追い込まれる会社が続出するのではないかと推測します。では、労働者は一体どうなるのでしょうか。「労働者のセーフティネット」をしっかりと構築してからの変更なら皆が理解しますが、この唐突な許可制度変更は、当該会社の会計問題により、安定して働いていた社員の突然の失職を招くことが懸念されます。
◆高くなる労働者の就業リスク
◆まずは労働環境整備を
この金融不況の渦中、政府は何を考えて「資産基準見直し」をするのか理解に苦しみます。ただ単に、派遣業界の縮小と淘汰の政策としか思えません。なお且つ、派遣元企業が破綻した場合の「労働者のセーフティネット」がきちんと構築されて初めて実施されるべきでしょう。従って、資産要件の制度変更実施は、改めて労働者の立場から労働者の誰もが安心して働ける環境整備をして臨むことが最も重要と考えます。
全文は下記のブログを御覧下さい
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/
投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009.05.01 08:50
◆厚生労働省 「専ら(インハウス)派遣」の対応と生き残り
「専ら派遣」は、厚生労働省指針で20%以上の外部取引が必達となります。これは恐らく最初の指針数値であり、将来的には50%以上を満たす必要があるでしょう。その為、数社の金融機関系列の派遣子会社は廃止へと舵を切っている状況にあります。
この問題はスタートしたばかりであり、今後は「請負化(委託化)」か「直接雇用」に迫られます。あるいは、営業力を強化して外販率の拡大と、残されている道は決まっています。その上、一朝一夕に解決できる問題ではないので、今からシミュレーションを含め、対応を急ぐべきでしょう。求められているのはインハウスではなく、人材ビジネスとしての独立事業者の姿です。
詳細は下記のブログをご覧下さい
◆人事総務部ブログ&リンク集
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/
投稿: 人事総務部-ブログ&リンク集- | 2009.05.31 16:16
【提言】文部科学省 学生の“奨学金”の返済猶予法案(モラトリアム)を
◆就職できず“奨学金”の返済を迫られる学生
金融不況の影響で、学生の内定率が危機的な状況になっています。とくに奨学金を利用して学生生活を過ごした学生には、待った無しの“返済”が待ち受けているのです。“就職できない、返済は迫られる”では地獄の日々です。奨学金の返済を1年程度猶予するような法案はできないものでしょうか?
◆奨学金モラトリアム法案
中小企業や個人のモラトリアムと同じように“学生奨学金返済猶予法案”ができれば、学生本人も両親もどれほど安心できることでしょう。
【ご参照】 ●当ブログ記事(09/12/1日付)
:『就活 「新卒インターン制度」導入で民主党は一括救済を』。
●当ブログ記事(10/2/12日付)
:『民主党は厚生労働省に新卒未内定者の“一括失業認定”すべき』。
投稿: 人事総務部 | 2010.03.28 21:18
みなし制度“みなし雇用”を官庁や自治体だけ特別扱いする“派遣法改正”
> ◆官庁や自治体だけ特別扱いの“派遣法改正”
> 派遣法に官庁や自治体だけ特例をつくるのはいかがなものか?民間企業には「みなし制度」を押し付け、官庁や自治体には「みなし制度」は適用しないと。これが立法なのでしょうか?官庁や自治体には派遣法遵守は必要ないということなのか、また、公務員は特別だと言いたいのでしょうか?法律を遵守させる側が“自らは関係無いが、民間企業は守れ”では筋が通りません。官庁や自治体は、民間企業の手本として行政に当たるべきです。いかがでしょうか?
詳細は下記ブログをご参照下さい
◆“人事総務部ブログ”
http://www.xn--3kq4dp1l5y0dq7t.jp/
投稿: 人事総務部 | 2010.04.08 00:40