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2008.10.08

金融資本の拡大について

東京株700円超す急落、9500円割る 5年前の水準と言うニュースがちょっと前に出ました(2008年10月8日13時48分現在)。
うううう〜〜〜ん。
世界的な株価下落が続きますねぇ。
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8日の東京株式市場は、ダウ工業株平均が508ドルの大幅安となった前日の米国市場の流れを受け、取引開始から急落した。日経平均株価は午後に入って一時、前日終値比743円82銭安の9412円08銭まで下げ、03年8月以来約5年2カ月ぶりの安値となった。進む円高と世界的な景気減速への懸念から、自動車株が10%近く下げるなど、東京証券取引所第1部銘柄の95%超が下落している。
(上記ニュースより)
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昨日も一万円を割ったというテロップが流れたのですが、
今日はさらに下がり5年ぶりの安値とか。
アメリカの「金融安定化」法は日本時間の4日成立しましたが、
同ニュースによると「成立した金融安定化法は、米国発の金融危機を食い止めるのが狙いだ。具体的には、金融機関から不良資産を買い取り、財務状況を健全化させる。買い取りのスケジュールは決まっていないが、市場では「早くても11月後半以降」(アナリスト)との見方が強い。」との分析。
実際、金融不安は、いちだんと深まる様相を濃くしています。
「金融安定化」法によって、金融機関の不良債権を買い取ることで、
一時的に救済は可能です。
だが、根本的解決ではない対処療法故、巨額な損失を抱えた金融機関の資本不足を解決することにはなりません。
同ニュースでは「不良資産買い取りの見返りとして、対象金融機関の株式取得権を政府が取得するなど、国民負担の軽減策も盛り込んだ。」との期待も込められていますが、
結局は、公的資金投入のツケはそっくり国家財政に回る。
それは国民にいずれ跳ね返ります。
つまり、政府の資金負担の総額は1兆8000億ドルにまで膨らむ可能性があるといわれ、「金融安定化」どころか、ドル暴落の不安がさらに高まると言うことです。

この影響が日本にどのように及ぶのか???
今後の成り行きに目が離せません。

先進国における金融機関の収益拡大がもたらしたものは何か。
それは1980年代から始まります。イギリスとアメリカの巨大多国籍金融機関。
イギリスでは民間企業全体の収益のうち金融機関のそれは80年代5%、90年代10%、今世紀では15%を占めています。
アメリカは10%→20%→30%と破竹の勢いで伸びています。(日本もアメリカと同じ比率で伸びています)
アメリカは新自由主義政策・グローバリゼーションのもと、製造業の海外移転で国内は空洞化。
そこに金融が滑り込んだとと言われています。
またもう一つの理由は証券と投資があります。
「M&A」「資産運用関連業務」と言う新しい形態が金融仲介形態の変化を生み出したのです。
こうして拡大し肥大化し、今や世界の経済に影響を与える金融化。
これは、資本主義の新しい蓄積様式であり、
この現象は一時的なものか永続的なものか?
また、そのもたらすものは何か???

次はいろいろなモデルなどにも照準をあてて考えていきたいものです。

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コメント

こんにちは。連日株価は下落していますが、それとは無関係に、すでに日本商工リサーチによると今年度上期(4~9月期)の倒産企業の負債総額は8兆6560億円、景気の悪化を反映して戦後2番目の高水準です。日本の実体経済は、すでに世界でも一番悪いのだと思います。米国は今でも年率3%程度の成長率を維持していますが、日本はマイナス3%です。これが自民党が行った国民の可処分所得を減らし続ける政策の連鎖の結果です。
米国は景気減速を懸念して、金融恐慌前にもすでに減税処置をしていますが、日本は国民に負担増の政策ばかりです。今の金融不安とは全く関係なく、すでに日本経済は大不況なのが真相です。

投稿: scotti | 2008.10.08 16:55

 http://blog.so-net.ne.jp/life-ayu/2007-07-09-1おかねて便利だし必要だけど、一人歩きしちゃうんですねえ。
自由放任政策で世界恐慌引き起こした過去の教訓をみならわないと。
がんじがらめもこまりものですけど;


投稿: あゆ | 2008.10.09 12:49

おおおおおお〜〜〜〜あゆさん!!!
おはようございます(◎´∀`)ノ

本当に仰る通りです。
過去の教訓ってのが、本当にないですね。
困ったものだ。

目先ばかり。
その目先も今は見えない闇と言う事でしょうか?
こういう事ってジワリジワリと庶民の生活に跳ね返るので、本当にしっかりと見ていく必要がありますね。
さてさてさて、、、、、です。

投稿: せとともこ | 2008.10.10 10:22

scotti さん。
おはようございます。
コメントありがとうございます。
以前もこの問題に関して貴重なご意見頂き有り難うございました。
確かに仰るように「今の金融不安とは全く関係なく、すでに日本経済は大不況なのが真相です。」とは思います。
ただ、私が本エントリーで書きたかった事は、
アメリカがとって来ている経済政策の深層について分析並びに考えてみたかったのです。
それがいずれ日本の経済に影響を及ぼす事もさることながら、世界経済にも波及していく現状で、
どうのように背景を分析し、どうしたらいいのだろうか???
を考えてみたいと思っています。
未だ勉強中故、また貴重なご意見お聞かせくださいね。
では、、、また。

投稿: せとともこ | 2008.10.10 10:28

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